ラダック


レー
シェイ
ティクセ
ヘミス
チェムレ
バスゴ
リキル
サスポル
リゾン
ラマユル

インドのラダック地方はチベット文化圏の西の端にあたります。そのためインドと言うよりはチベットと言った方が馴染みやすい雰囲気の漂う地域です。標高は3500m前後の高地のため空気は薄く、雨は少なく、岩山ばかりの厳しい自然環境のところですが、山の上にはゴンパと呼ばれるチベット仏教の僧院が建てられ、仏を祀る寺院とともに修行僧の人達が生活しています。

レー

レーはラダック地方の中心都市であり、空路でラダック入りする場合の玄関口にもなっている街です。
空からのアプローチは狭い山間の滑走路へ旋回しながら高度を落として着陸するのでなかなか迫力があります。
街はそれほど規模の大きなものではありませんが、銀行から雑貨屋までひと通りのものは揃っています。
地図では分かりづらいのですが、空港方面からメインバザール周辺まではずっと登り坂になっている坂も多い街でもあります。
丘の上に立つ廃墟のようになった王宮跡やゴンパなど徒歩圏内にいくつも見どころがありますが、標高3500mの高地にあるので到着初日など、まだ高度順応出来ていない場合はゆっくりと歩くように心がけましょう。
(07年5月)

シェイ

シェイのゴンパはレーの街から南東に15kmほどの所にある小高い丘の上に立っています。シェイにはゴンパの他にも背後の山にかっこいい王宮の砦跡が残っているので遺跡好きの人にもかなり魅力的な場所です。
ゴンパやその裏にそびえる砦跡へは歩いて登らなければならないので、高度順応していないと大変ですが、インダス川沿いの緑のオアシスや、平原のチョルテン群、遠くのティクセゴンパまで見渡すことのできるパノラマが美しいところです。
シェイへはレーのバスターミナルから30分おきにティクセ行きのバスが出ているので途中下車して行く事が出来ます。
(07年5月)

ティクセ

シェイから更に4kmほど進むとティクセゴンパがあります。ティクセゴンパは山頂の僧院と麓から立ち並ぶ僧房が独特の山岳都市のような景観をつくる美しいゴンパです。
外観だけでも十分見応えのあるゴンパですが、右側の本堂に祀られた金色に輝く美しい大仏は一見の価値ありなので、こちらも忘れずに見ておきましょう。
アクセスも容易で、訪れる人も多いため、トイレやレストラン、ギフトショップなどゴンパの入り口付近には観光客用の施設も併設されています。
(07年5月)

ヘミス

インダス川を渡って数キロ進んだ山間の静かな谷にこの地方で最大のへミスゴンパがあります。
お祭りの次期には多くの観光客で賑わうところらしいのですが、5月上旬であれば訪れる人もまばらで静かな時間を過ごすことが出来ます。
他のゴンパにあるような凄いロケーションや外観の美しさというのはありませんが、中に祀られている坐像は迫力のある顔でにらんでいたりしてかなりインパクトがあります。
へミスへのアクセスはタクシーを利用すると便利ですが、一日数便のバスもあります。
(07年5月)

チェムレ

チェムレゴンパもティクセゴンパのような山岳都市を思わせるゴンパです。幹線道路から外れたところにあり、訪れる人も少ないので、辺境の砦のような雰囲気も漂わせるラダック地方の中でもひときわ美しいゴンパです。
レーから45kmほど離れた場所にあり、公共の交通手段を使って行くには不便なところですが、へミスなどと合わせてタクシーで訪れるようにすれば、山頂の僧院まで楽に行くことが出来ます。
背後の山の景色とも相まって見る角度によって様々な表情を見せてくれるので、所々で車を停めてもらってのんびり眺めるのがお勧めです。
(07年5月)

バスゴ

バスゴのゴンパはレーからラマユルへ向かう幹線道路の途中、40kmほどのところにある岩山の上に立てられたゴンパです。
ふもとの村は緑も多く静かな落ち着いた感じの村ですが、見上げるゴンパの周りには草木はなく、浸食された奇岩と、城跡が残り、厳しい自然と歴史を感じさせるような雰囲気の漂うゴンパです。
山頂のゴンパまでは遠回りして車で行くこともできます。
(07年5月)

リキル

インダス川沿いの幹線道路から外れて北へ3kmほど進むとリキルゴンパがあります。ゴンパのとなりの金色に輝く大仏が印象的なゴンパです。
ゴンパ内には小さな博物館もあり、古い武器やタンカと呼ばれる布に描かれた仏教絵画などを見ることができます。
(07年5月)

サスポル

サスポルは崖の途中に横穴を掘って造られた石窟がいくつも残っているところです。
風雨にさらされて崩れてしまっているものが多いのですが、いくつかの石窟では綺麗に彩色された仏教壁画を見ることが出来ます。
石窟を訪れるには足元に石がごろごろしている崖を登らなければならないので細心の注意が必要です。
石窟のある崖の上にはゴンパと古い砦の跡もあるので、こちらを目印に来て、左手の方に行くと分かりやすいかもしれません。
一番保存状態の良い3号石窟には白く塗られた壁と赤い扉がついているので見逃さないようにしましょう。

川を挟んだ対岸にあるアルチのゴンパは平地にあるので外観はそれほどインパクトはありませんがゴンパ内部の壁画が美しいことで有名です。
(07年5月)

リゾン

リゾンゴンパは深い山間の一本道をどこまでも進んで行った終着点にあります。道の途中には尼僧の生活するゴンパ以外は人の生活する村はなく、売店も宿もバスもない俗世から隔絶された場所になっています。
山の斜面に立てられたゴンパは、見上げると青い空と白い壁のコントラストがとても美しく、周りを取り囲む山とともに迫って来るような迫力があります。
(07年5月)

ラマユル

レーからインダス川沿いに160kmほど西に向かい、山道を登って行くとやがて黄色い土が浸食された不思議な景観の谷が姿を現します。
ここが月の谷と呼ばれるラマユルの入口にあたるところで、更にその先を進むと、荒涼とした山に囲まれた村を見下ろす丘の上にラマユルのゴンパが立っています。
いかにも秘境といった感じの山間の地に人々が生活している風景がとても絵になるところです。村には売店や食堂は1軒くらいしかありませんが、宿は数軒あり、食事も提供してもらえます。
レーからラマユルへは途中にいくつも見応えのあるゴンパがあるので、ひとつひとつ立ち寄って行くと、タクシーをチャーターしても日帰りで行くのはちょっと大変です。
あまり設備の整った宿はありませんが、時間のない人でもアルチかラマユルあたりで1泊して行くのがお勧めです。
(07年5月)


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