イランの情報ノート

(1999年6月)

ビザ

イランに入国するにはビザが必要です。日本で申請する場合は個人では5日程度のトランジットビザ以外の取得は困難です。観光ビザを取得する場合は旅行会社を通して申請する必要があります。旅行会社に頼むと消費税、手数料込みで25800円ほどかかります。

言葉

イランの公用語はペルシャ語です。空港や中級ホテル、みやげもの屋などでは英語もそれなりに通じますが、庶民的な場所ではあまり通じません。かつて多くのイラン人が日本で働いていたということもあり、時々日本語を話せるイラン人に出会うこともあります。
文字や数字も知らなければ全く読めません。時刻表や値札なども全てペルシャ語でしか書かれていない場合が多いので、数字ぐらいは読めるようにしておく必要があります。

通貨

イランの通貨はリアルといいますが、他に10リアル=1トマンとして日常的にはトマンという単位もよく使われています。
為替レートは変動が激しいので現地で必ず最新のレートを確認して下さい。
99年6月のレートは
テヘランの国際空港内の銀行で 1USドル=8000リアル
空港を出てすぐのところにある両替所で 1USドル=8500リアル
闇両替は 1USドル=8700リアル
いずれも数ヶ月前のレートよりかなりドル高になっていました。
銀行で両替するのはレートが悪いのでイランへ空路で入る場合は、最初の両替は両替所で少額だけ両替するの無難です。
闇両替が一番レートがいいのですが、違法となっているため、自分の責任で行って下さい。トラブルを起こさないように予め標準的な相場を知っておく必要があります。中にはコミッションをもらうといって最初に指定したレートより少ない金額を渡そうとする人もいるので、こちらがもらう額を確実に手にしてから相手にドルを渡すようにしましょう。
リアルからUSドルへの両替もテヘランの空港前の両替所で出来ます。
レートは9000リアル=1USドル。ドルからリアルへ両替した時のレシートなどは要求されません。

飛行機

イランの国内線の料金はかなり安いので広い国土を限られた日程でまわるなら利用価値は大いにあります。
99年6月現在、マレーシア航空とイラン航空の共同運行便でテヘラン入りすると日曜日の早朝4時に到着するので、国際線ターミナル(ターミナル2)から国内線ターミナル(ターミナル4)に行って乗り継げばその日の午前中にシラーズに到着することができます。ターミナル間は歩いて10分くらいなので荷物が少なければタクシーを使う必要もありません。チケットは国内線ターミナル内で買えますがリアル払いのため前もって両替しておく必要があります。
航路 運賃(99年6月)
テヘラン−シラーズ 106500リアル
シラーズ−イスファハン 70000リアル
イスファハン−テヘラン 70000リアル

バス

長距離バスはかなり安いので、時間はあるが金はないと言うような人には頼りになる交通手段です。バスターミナルはペルシャ語だらけですが、なんとか英語も通じます。例え通じなくても行き先を言えば分かってもらえるでしょう。

タクシー

空港から街への移動や遺跡めぐりなどに便利ですが値段の確認はしっかりしておきましょう。特にひとりでチャーターする場合は値段を吹っかけられることもあるので、テヘランの空港のようにタクシーのチケット売り場がある場合はそこを利用した方が安全です。

冷水機の水やホテルの冷蔵庫に用意されている水は飲んでも大丈夫です。おなかの弱い人でなければペットボトル入りのミネラルウォーターも買わずに済みます。遺跡見学などには水筒があると便利です。

宿

10USドル〜20USドルも出せばエアコンや冷蔵庫の付いた中級ホテルに泊まることが出来ます。安宿は更に安く、それぞれの旅のスタイルに合わせて選ぶことが出来ます。支払いはUSドルやリアルで出来ますがほとんどの場合リアル払いの方が割安です。値引きをしてくれる所も多いので値引き交渉は忘れずに行いましょう。
20ドル程度の宿に泊まるなら、もうポーターやドアマンがいるようなちゃんとしたホテルになるので、荷物を運んでもらった場合や、ルームキーパーにはチップを渡すことも忘れずにしましょう。1000〜2000リアル(30円弱)も渡せば充分喜んでもらえます。

みやげもの

イランというとペルシャ絨毯が有名ですが、イスファハンのイマーム広場で「NOMAD」という絨毯屋をしているナリマンさんは昔日本にいたこともあり日本人を見掛けると必ず自分の店にさそってきます。呼び込みまでは熱心ですが無理に売ろうとしないので、絨毯を見せてもらったり話をしてチャイをご馳走になって何も買わずに帰っても気を悪くすると言う事はありません。
ここでは絨毯の説明を日本語で聞けるので、遊牧民の素朴なデザインの絨毯を見たり話を聞いたりしているうちになんだか欲しくなってくる不思議な魅力があることは確かです。実際この店で絨毯を買う日本人は多いらしく、無理強いしない姿勢がかえって日本人の心をつかんでいるのかも知れません。
他のイランのみやげもので、お勧めなのがラクダの骨に描かれた細密画です。ポロ競技の様子を描いたものや遊牧民の生活を描いたものなどいろいろな絵があります。値段は数ドルから数百ドルまで様々ですが、自然の染料を使い細かく丁寧な作品になっているものほど高価になります。
下の写真はイマーム広場の北側に広がるバザールのNo175の店「HAFEZ HANDICRAFTS」のシャハブさんの作品の実物大のものですが、拡大してみると細かい所まで描写されているのがわかります。