深セン・歓楽幹線(HAPPY LINE)


歓楽幹線(HAPPY LINE)


 2003年10月に出張で初めて中国・深センを訪れた時、華僑城エリアの海景飯店に宿泊した。ホテルの部屋から眼下にモノレールの軌道が見え、小さなモノレールが走っているのが見えた。同行していた同僚達と、夕食を食べに出掛けた帰りに乗ってみようと駅に立ち寄ったが、既に営業は終了していて乗ることは叶わなかった。
 後で、営業時間を調べたところ10時〜20時の運行であることがわかったが、仕事で訪問している身では、営業時間内に乗るチャンスもなく、ただ軌道を眺めるしかなかった。


 それから1ヶ月ほどして、再度仕事で深センを訪問することになった。今回は単独行動なので、是非ともこのモノレールに乗らなければいけない(笑)。

 2003年12月3日、香港国際空港から珠江客運有限公司のフェリーに乗り継ぎ、深セン・蛇口経由で16時頃、深セン湾大酒店にチェックインした。まだ、日もあることだし、早速モノレールに乗りに出かける。

 経済発展著しい中国でも、深セン市は香港に隣接する好立地条件によりめざましい発展を遂げている地域である。この深セン市の華僑城エリアには、「世界之窓」「中国民俗文化村」「錦綉中華微縮景区」などのテーマパークがあり、モノレールはこのテーマパーク間を結ぶ環状路線を構築すると同時に、モノレール自身も観光遊覧施設として位置づけられている。東京ディニーリゾートの舞浜リゾートラインを思い浮かべていただくと良いであろう。もっとも、深センのモノレールの規模は舞浜リゾートラインと比較するとかなり小さいのであるが・・・・。


珠江客運有限公司
香港国際空港〜深セン蛇口間のフェリー

華僑城エリア概略図

 ホテルの近くに「民族村」駅があるので、ここから乗車することにする。
 駅は遊園地のジェットコースターの駅の様な簡潔な鉄骨構造である。階段を上って窓口で乗車券を購入する。運賃は30元(約390円)で、その日であれば何回でも乗車できる。ホテルで入手した割引券を差し出すと、5元(約65円)値引きされ25元(約325円)となった。乗車券を渡されると同時に、手の甲に蛍光印を押される。この蛍光印で乗車の可否を判断するらしい。ますます遊園地の施設っぽい(笑)。


歓楽幹線の乗車券

歓楽幹線(Happy Line)の乗車券

 5分ほどホームで待っているとガガガガガ〜と大きな音を立てながらモノレールが近づいてきた。乗務員の姿が見えないので、無人運転を行っているようである。平日の夕方だからか、乗客の姿も無い。ガガガガガ〜と音を立てていたモノレールは停止位置でピタリと停止。爆音はかなり静かになった。
 前面展望を独り占めすべく先頭車に乗り込み、最前列席をゲットする。が・・・、最前列は座面と足を置く位置が同じ高さ。つまり、椅子はあるが足の置き場がない。天井も低いので非常に座りにくかった(苦笑)。
 チリチリ〜ンと発車ベルが鳴り、駅員がドアを締め、ホームの柱にあるスイッチを押すとモノレールが走行を始める。無人運転なのだがATCやCTCで運転を制御しているわけでなく人手に頼った運行管理を行っているようである。

 ガガガガガ〜と大きな音を立てながらゆっくりと走り始める。鉄のレールに鉄の車輪の組み合わせなので、今は廃止された小田急電鉄向ヶ丘遊園のモノレールを彷彿させる。車内の騒音はかなりのもので、振動も直接お尻に伝わってくる。乗り心地は最悪の部類に属する(汗)。
 民俗村駅を発車するとすぐに深南大道という片側4車線ある大きな道を横断する。この深南大道の地下では、深セン駅と華僑城地区を結ぶ地下鉄が建設中である。2004年完成予定で、香港から華僑城地区へのアクセスは大変便利になるが、垣間見た限りでは期間内の完成は難しそうであったが、2004年の12月28日に完成した。恐るべき中国の底力であるが、実際に大丈夫かどうか心配ではある。

 さて、わがモノレールは深南大道を越え海景飯店(HAIJIN Hotel)の敷地を通り抜け、歓楽街へと向かう。海景飯店(HAIJIN Hotel)最寄りの華夏駅は人影もなく営業している素振りもない。モノレールは減速することなく通過。大きなショッピングセンターを横目に見ながら生態廣場駅に到着した。この駅は歓楽街の中心に位置している。この駅で無人だった車内にカップルが2人乗り込んで来た。

 多少賑やかになったところで、再度ガガガガガ〜と大きな音を立てながらゆっくりと走り始める。小高い丘を登ったところに遊園地があり、遊園地の敷地内で引き込み線と合流する。この先にモノレールの車庫や整備工場があるのだろう。アップダウンを繰り返しながた進むだけに、端から見ると遊園地の乗り物のようにも見える。
 南国に位置するとはいえ、冬の日没は早い。あっという間に暗くなった。歓楽谷駅を気がつかないうちに通過し、しばらくすると前方に明るいネオンが見えてくる。世界中の有名観光地のミニチュアが集められているテーマパークである「世界之窓」のゲートである。

 世界の窓駅を出るとモノレールは海辺を走行するが、暗闇の中を進むだけなのが残念なところである。日がある時に乗車すると海岸べりを走行し、風光明媚な風景を拝むことが出来る。途中、東方および海濱の各駅があるが通過。約20分ほどで乗車駅の民俗村駅に戻ってきた。  カップルはこの駅で降り、再び一人となる。先ほど通った道筋をたどり生態廣場駅で下車し、乗り潰しを終了した。
 このモノレール、市民の移動手段としては市の中心部を一周するだけで路線規模が小さい上、運賃もバスと比較するとべらぼうに高い。(バスの運賃は2元)
 今のところ、純粋な観光路線、遊園地的な乗り物としての価値しか無く経営は厳しそうである。観光路線としても「一度乗ったら二度と乗らなくてもいいや」と多くの観光客は思うであろう。施設・車両も古く、日本だったらいつ廃止になってもおかしく無いと思われる。
 今後の動向が注目される路線であった。


民族文化村駅

民俗村駅

HAPPY LINE

歓楽幹線(HAPPY LINE)のモノレール




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