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August Knopf, Markneukirchenアウグスト・クノッフのセミダブルAugust Knopf, Markneukirchen. Compensating double horn with 5 rotary valves in F/Bb (E/A)
イーベイで見つけた。イギリスからの出品で「イギリス国内のみ発送」だったが、そこは「魚心あれば水心」。オークション開始直後に馬鹿みたいな安値で即決にしてもらった。ひとたび入札が始まればどんどん値上りしたに違いない。 この楽器の製作年代は不明だが、戦前に作られたものと思われる。クノッフ一族はドイツ・フォクトラント地方のマルクノイキルヒェンで代々楽器製造業を営んできた。August Knopf銘のホルンは、1893年に工房を開いたアウグスト Heinrich August Knopf(1865-1947)の時代から作られている。アウグストの工房を引き継いだクルト Kurt(1900-1945)は、第二次大戦中に行方不明になったため工房は一時途絶えた。1954年にクルトの息子エドガー Edger(1928- )が工房を再開したが、数年前に引退したため現在ではアウグスト・クノッフ銘のホルンは作られていない。なお、Herbert Fritz Knopfは、アウグストの長男ヘルベルトHerbert(1894-1969)が1919年に独立してできた工房で、現在はその孫クリスティアンChristianによって引き継がれている。 クノッフのホルンは、マイスターが一本のホルンの全工程を担当するという伝統的な手法によって製作されているという。このホルンのベルは一枚の金属板から作られ、どっしりと太くてダークな響きだ。フリーブローイングでセミダブルにしてはF管の吹奏感も悪くない。しかし音程に癖があるのが難点だ。なにぶん古い楽器なのでヴァルヴの気密性は損なわれている。ヴァルヴをリビルトすればいいのだが、かなりの費用になってしまう。よい子はこういう物件に手を出してはいけませんよ(笑)。 *この楽器は売却して現在は所有しておりません。
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