地 球 の 誕 生現在、地球の誕生は、約46億年前と考えられている。 岩石の年代測定は放射性元素の崩壊系列の研究を基に決定されている。 それぞれの放射性元素は、その半分が崩壊するまでにかかる決まった時間があり、半減期と呼ばれている。半減期は、元素により数十億年から1秒以下のものまでさまざまである。決まった半減期があれば、岩石に含まれる放射性元素の量と崩壊して生成される元素の量を調べることにより、岩石ができてからの期間を決定することができる。 ウランは崩壊してラジウムとなり、最終的には鉛まで崩壊する。これを、ウラン−鉛崩壊系列と呼ぶ。ウランとラジウムは長い半減期を持つため、現在でも存在しており、地球の年齢を推定する方法として用いられることとなった。ウランと鉛には同位体がある。同位体とは、化学的性質は同じであるが質量数の異なる元素である。ウラン238は崩壊して鉛206になる。ウラン235は崩壊して鉛207になる。ウランとともに発見されることの多いトリウム232は、鉛208へ崩壊する。また鉛には、もともと存在する鉛204という安定した同位体も存在する。鉛204を除いた崩壊により生じる鉛の量から年代測定を行うのである。 現在では、ウラン−鉛崩壊系列のほかにも、カリウム40からアルゴン40への崩壊を利用した「K−Ar法」、ルビジウム87からストロンチウム87への崩壊を利用した「Rb−Sr法」、サマリウム147からネオジミウム143への崩壊を利用した「Sr−Nd法」など、多くの年代決定法が知られている。 現在、地球上で発見されている最古の岩石は、グリーンランドのイスア地方のもので、約38億年前のものである。(鉱物としては42億年前のものが存在する。) しかし、この岩石は、堆積岩の変成したものであった。つまり、もともとあった岩石が浸食され堆積してできたものであった。ということは、それ以前に大地(すなわち地球)は、すでに存在していたということである。 したがって、地球の岩石から地球の年齢を直接測定することができない状況である。 そこで、地球の年齢は、隕石の年齢から推定されている。 隕石は太陽系起源の物質であり、各種の隕石の年齢は45.5億年付近に収束する。アポロ計画により月面から持ち帰った最古の岩石も約46億年前のものであった。 隕石の年齢と地球の年齢が近いものであることは、次より説明されている。 ヨウ素129は放射壊変してキセノン129というガスになる。その半減期は1700万年である。太陽系はガス雲から固体となっていったと考えられているのが、この過程に長い時間がかかると、キセノン129はこの固体に取り込まれないだろう。しかし、隕石にも地球にもキセノン129は存在する。したがって、1億年くらいの幅(キセノン129の半減期の数倍)で、隕石も地球も誕生したと考えられる。 これらのことから、地球の誕生は約46億年前と考えられている。 参考文献 「地球=誕生と進化の謎」松井孝典著、講談社現代新書 1998/2/11地 球 の 歴 史38億年より前の地球の地質記録は何も残されていない。(鉱物としては42億年前のものが存在する。) 現在、地球上で発見されている最古の岩石は、グリーンランドのイスア地方のもので、約38億年前のものである。 この岩石が堆積岩の変成したものであることから、このときすでに海が存在していたと考えられる。 30億年代の岩石に残留磁気があることから、すでに磁場があった、すなわち、地球のコアが存在し、その中対流により磁気が発生していた、と考えられている。 25億年より前の時代には、大陸は小地塊(数百キロメートル程度)で、それが衝突を繰り返していたが、大きな地塊には成長できなかった。 25億〜20億年前の時代には、小地塊が突然成長し大地塊となり、大陸の原形がつくられた。これにより浅海がつくられ、原始的らん藻が繁栄して、大気が酸化される。このころの厚い酸化鉄の堆積物である縞状鉄鉱層が集中的にあらわれている。 22億年前から氷河性堆積物があらわれ、20億年前から赤鉄鉱を含む酸化された陸成層があらわれる。 16億〜12億年前にかけて超大陸が存在したらしい。この超大陸は安定で何億年も分裂しなかった。 12億年前から現在のようなプレートテクトニクスがはじまり、大陸は分裂と集合を繰り返すようになった。 参考文献 「地球=誕生と進化の謎」松井孝典著、講談社現代新書 1998/2/11現 在 の 地 球地球の固体部分は、中心から順に、「核」、「マントル」、「地殻」で成っている。 ・・・・・「地球の内部構造」の図を入れる予定・・・・・ 「核(コア)」は地球の中心から半径約3500Kmまでの部分を形成する球体である。鉄を主とするニッケルとの合金でできていると考えられている。中心から半径約1300Kmまでの部分は固体で「内核」と呼ばれ、その外側の1300Km〜3500Kmにわたる幅2200Kmの部分は液体で「外核」と呼ばれる。 外核の周辺部の温度は絶対温度で4500度Kで、圧力は130万気圧と推定されており、この条件下で「外核」は液体であると考えられている。地震波の観測などからも液体であることが確認されている。「内核」では、圧力が320万気圧に達し、この重圧のために固体となっていると考えられている。 外核の液体部分では熱の輸送や自転に伴い対流が起きており、これが地球の磁場を生み出していると考えられている。これを「ダイナモ」作用という。 核の外側を形成する「マントル」は、地球の中心からの半径約3500Km〜6400Kmの幅2900Kmの部分である。ケイ素酸化物から成る岩石層で、マントル内部の熱源と核から流入する熱により熱せられている。 マントルの最上層は、地表に近いため温度が低く、その上部の地殻と同じような熱的、力学的性質を持つ。この地殻とマントルの最上層が一体化してふるまうような層を「岩石層」あるいは「プレート」と呼ぶ。プレートの水平運動によるさまざまな地質活動が「プレートテクトニクス」である。 プレートの下の部分のマントルは、対流運動をしていると考えられている。 従来、プレートは深度700Kmより深くは沈み込んでいないとされてきたが、最近、核との境界付近まで沈み込んでいる証拠のあることが報告されている。 「地殻」は、地球の固体部分の最上層を成す。マントルと同じく岩石からなるが、その化学組成、結晶構造は異なる。また、同じ地殻でも、大陸と海洋下では、その組成、構造が異なる。 海底下の地殻は玄武岩からなり、その厚さは平均6Kmで、地球表面の55%をおおっている。その固化した年代は2億年より若いと考えられている。 大陸地殻は、花崗岩でできており、海底下の地殻よりも密度は軽い。玄武岩は地表に噴出した溶岩が固まってできた岩石、花崗岩はそれが地下深部で固まった岩石である。 大陸地殻の厚さは場所により異なり、約20〜70Kmで、平均すると35Kmくらい。一般的に地表の高度の高い部分は厚くなっている。それは、地殻がマントルの上に浮いているようなイメージである。 地球表面の45%をおおっているが、大陸の表面が30%、浅海の下の大陸棚の部分が15%である。 形成年代は、海底下の地殻よりも古い。 以下、水圏・大気圏・磁気圏について記載予定 参考文献 「地球=誕生と進化の謎」松井孝典著、講談社現代新書 1998/2/15 |