原人の使用した石器原人の使った石器は、猿人の礫石器から進歩し、石核石器・剥片石器・打割石器の3種類が現れている。 石核石器 石塊を両面から打ち欠いて、残った核の部分を握斧として用いた。比較的大型で、樹木の伐採や土掘りに使用された。 西南ヨーロッパ・西南アジア・インドに、石核石器を主とする文化が栄えた。これらの温帯・熱帯の地域では、植物採集の機会が多く、握斧が盛んに使用されたものと考えられる。 剥片石器 核石から剥ぎ取った石片に片面から修正を施した石器で、小型で薄く、毛皮を剥いだり、肉を切るのに用いた。 ヨーロッパの大部分・アフリカ・西南アジアの一部に、剥片石器を用いる文化が栄えた。これらの寒冷地・乾燥地帯では、狩猟が主となり、剥片石器が使用された。石核石器の文化圏でも少し用いられている。 打割石器 母石の一端を片面から打ち欠いて作ったものや、両面から加工して薄手の刃をつけたものがあり、物を打ち割るのに用いた。 北部インド・東南アジア・中国にかけて、この打割石器を用いる文化があった。 【アシュール型石器】 これらの石器は、最初にこのタイプの石器が発見された場所にちなんで、アシュール型と呼ばれている。 両面石器。 両面石器。 手斧(上の水平な部分が刃)。 【フリント製のナイフ】 原人の石器製作技術はしだいに上達し、下の写真のような、刃の揃った美しいフリント製のナイフをつくるようになった。 4点の写真はいずれも、創元社「知の再発見双書」の『人類の起源』エルベール・トマ著、河合雅雄監修、からの引用です。 【LINK】 埼玉県立博物館 ≫ 人類博物館 500万年進化の旅 ≫ 世界の人類進化と道具 ≫ 石器の拡散 参考文献 「新訂版チャート式シリーズ 新世界史」堀米庸三・前川貞次郎共著、数研出版、1973年 「人類の起源」エルベール・トマ著、南條郁子訳、河合雅雄監修、創元社「知の再発見双書」、1995年 更新 2003/9/15 |