アジアの中石器文化西アジアでは、中石器時代は比較的短期間で新石器時代へ移行した。 約7000年前にパレスチナで栄えた中石器文化であるナトフ文化では、狩猟採集が主生業であったが農耕も行われていた。 ユーラシア大陸北部の森林地帯では、中石器的文化の段階が長く続いた。 インドや中国では、特に中石器時代というべき段階は見られない。 【中石器時代】 旧石器時代の末期において、旧石器時代の狩猟採集生活から、新石器時代の農耕と牧畜の生活へ移行する過渡期。約1万年前から、5千年前ころ。細石器を特色とする。 ヨーロッパでは比較的長く続き、独特の中石器文化を発展させた。 西アジアでは、比較的短期間で新石器時代へ移行した。ユーラシア大陸北部の森林地帯では長く続いた。インドや中国では、見られない。 アフリカ北部では、中石器時代、新石器時代と進展したが、アフリカの奥地では、中石器時代に相当するころから乾燥化が進んでサハラ砂漠が生じて、進歩が停滞し旧石器時代の段階に留まった。 【細石器】 細石器は2〜3pの小型の石器で、石を打ち欠いた小片を加工して作った打製石器である。これを、木や角に溝を堀り植え付けて、柄のついた道具として使用した。矢、銛、ナイフ、鎌、彫刻刀などがある。 参考文献 「新訂版チャート式シリーズ 新世界史」堀米庸三・前川貞次郎共著、数研出版、1973年 「世界史辞典(改定新版)」数研出版、1974年 更新 2001/6/3 |