タイトル 西村京太郎サスペンス
脅迫者
 
平凡な下町夫婦を襲う恐怖
放映日時 2001.10.21 (日) 21:00〜22:54 / BSジャパン 女と愛とミステリー
2001.10.24 (水) 20:54〜22:48 / テレビ東京 女と愛とミステリー
あらすじ

東京の下町で理髪店を経営している野村国子は、10年前に夫を亡くし、女手ひとつで息子を育てていた。

ある朝、国子の店に汚らしい身なりの初老の男が入ってきた。息子の徹が出かけると、その男は国子の過去や生活について話し始める。
そしてその一週間後の夜、男は、国道の入り口で目撃した轢き逃げ事故の犯人が国子だと言い放つ。

轢き逃げ事故の起こった8月5日の夜、マンション建設に反対する住民の決起集会が町会事務所で行われていた。
会長の電気屋主人・児玉宗一、副会長の銅壷屋の職人・山口吾朗、女性リーダーの国子と加藤英子を中心メンバーとして、鯛焼き屋の立花夫人、花屋の椿夫人ら20名近くが集まっていた。

決起集会に出ていたアリバイがある国子は、建設業者が仕組んだ罠ではないかと疑う。
だが、男が目撃した白い軽四輪のナンバーは、国子の車のものだった。
その国子の車は、6日に徹がぶつけて壊したと言って廃車にし、新車に買い替えていた。
もしかしたら息子の徹が犯人では、と国子は不安になる。

男は散髪代の代わりに、金額と「五十嵐好三郎」と書いた領収書を渡し、3日後にまた来ると言って去った。
国子は児玉と山口に領収書の男の話をし、警察に行くようすすめられるが、徹のことが気に掛かり戸惑っていた。

そんな時、児玉は反対メンバーの中に裏切り者がいると言う。
町会事務所に反対派中心メンバーが集まり、立花・椿両夫人が隠し撮りをした数枚の写真が並べられた。そこにはマンション建設業者の人事部長・小林と密会している英子の姿が写っていた。裏切り者として責められ、英子は蒼ざめた表情で反対運動から抜けたいといった。

再び国子の店に男が来て、ひき逃げ事故の件をバラすと脅し、10万円を要求してきた。
徹のことを思い、国子は男のいうことを聞く。だが次は20万円を要求される。

男が去ったあと児玉と山口が店に来て、刑事がひき逃げ事件当日の国子のアリバイを尋ねにきたことを話した。
刑事は、スクラップ工場を調べ、国子の車が事件直後に廃車になったことを知っていた。
そして児玉の携帯が鳴り、英子が自殺したと言う連絡が入る。かけつけた国子たちは、英子が息子の就職を交換条件に、反対派でのスパイ活動を強要されていたことを知る。

再び国子の店に男が来た。要求通り金を渡す国子に、男はさらに倍の金額を要求する。
店の外で様子を伺っていた児玉と山口。去っていく男の後を山口が追った。
意外なことに領収書の「五十嵐好三郎」の名前は本名で、男は売れない役者だった。昔は少しは売れていたらしいが、現在は妻のしず江と娘の3人暮らしで収入がほとんどないらしい。
斬られ役や悪役の多い役者だが、素顔の彼はお人好しでつきあいが良く、そのため借金の保証人にもなっていた。

だがその夜、国子の所に五十嵐が現れ、国子の車で外に出る。
五十嵐は自分のことを嗅ぎ回っているのを知っていた。
ひき逃げ事故の現場では、被害者の妻が目撃者探しのビラを配っていた。
自分が目撃者だと言おうとする五十嵐を慌てて制止した国子に、自分は国子の味方だという。

翌日、現場近くの排水溝から検出された白い塗料が、国子の車の塗料と一致したことで、刑事たちは徹の恋人の由香を訪ね、徹のアリバイを調べていた。

その頃、国子の店に来た児玉と山口に、国子は五十嵐を尾行するのを止めるようお願いする。
そこへ「五十嵐をつぶせる品物がある」と話す関西弁の見知らぬ男から電話が入る。
国子はその夜、指定された場所に行き、電話の男からカセットテープを買い取った。
そのテープに吹き込まれていた殺人の依頼の声は、確かに五十嵐の声だった。

家に帰ると、山口がケンカを売られて重体だという連絡が入り、そして山口は息を引き取った。
山口を殺したのは誰なのか、徹は轢き逃げ犯なのか、五十嵐の正体は…思い悩む国子はある決心をする…

原 作 西村 京太郎 "優しい脅迫者"
脚 本 中野 顕彰
監 督 齋藤 光正
出 演 伊藤 蘭   / 野村国子
佐藤B作   / 五十嵐好三郎
ケーシー高峰/ 児玉宗一
斉藤 洋介  / 山口吾朗
山村 紅葉  / 立花夫人
備 考