2000年1月11日北海道新聞夕刊1面の記事より

街を歩くと「萌(もえ)ちゃん」と声をかけられることが増えた。
昨年のNHK連続テレビ小説「すずらん」で、ヒロイン・「萌」の少女時代を演じた。
出演は1カ月ほどだったが、けなげな姿がお茶の間の人気を集めた。
その「萌」ちゃんが、映画「すずらん」で帰ってくる。
萌の一生を描いたテレビとは異なり、少女時代にしぼって映画化される。
「また萌ちゃんを演じられると思うと、夢みたいですごくうれしかった」
くっきりとした目が輝く。
テレビ収録の最終日、「寂しい」と涙ぐんだほどだから、
スタッフや出演者との再開が楽しみに違いない。
本人の成長に合わせ、映画ではテレビより一つ上の十一才という設定だが、
「萌ちゃんのイメージを変えないようにしたい」という。
空知管内沼田町で真冬に行われたテレビのロケでは崖から落ちるシーンや
牛の乳搾りに挑んだ。それでも弱音をはかず、
「演技とじっと向かい合うプロの役者」(黛りんたろう監督)と感心させた。
放送終了後も道内各地のイベントに招かれ、声援を受けた。
映画のロケは二月中旬から始まる。
「寒さにも慣れたので大丈夫、また応援してください」と笑う。
明るくて元気な素顔。
「でも演じているうちに、萌ちゃんになり切れる気がしてたんです。
もしかしたらどこか似てるのかな」
春からは、東京で中学生。テレビ収録中は学校を休むことも多かったが、
二人の姉に勉強を見てもらい
「何とかついていくことができました」。頑張り屋だ。
今年は「すずらん」のほか、民放の二時間ドラマにも出演が決まっている。
「中学校ではスポーツのクラブ活動をしたい」。
役者と学校生活の両立を目指して、ますます忙しくなりそうだ。
文・加藤敦さん 写真・中川明紀さん