〈其の二十七〉
珍しく陽気な梅雨神も早々と退散して、夏本番を迎えジリジリ
と人の肌と云わず、地面と云わず焼き尽くす勢いの熱を放つ、
真っ黒く日に焼けた小錦みたいな夏神の奴め、もうドッカリと
腰を下ろして、長逗留の体を擁している。
長くなりそうな夏でも、うだる暑さは二週間が限度。仙台の夏
は七夕を境にして、ちらほら秋を思わせる風が吹き、あっと云
う間に終わってしまう。
さあて、数少ない休み。計画綿密に練って「夏を食べちまおぅ」。
そうでなくても、腰に爆弾を背負っているのだから、今年は・・・。
おーっと、その前に以前から楽しみにしていた「平等院展」。
鳳凰堂の改修工事に伴い、普段目の高さで見られない、板彫りの雲中供養菩薩が、間近
で観賞できるなんてほっとく手はないですよ。
ジリジリの7月