〈其の二十八〉
野山を焦がし、渓流を枯らし、あれほど元気な太陽も、お盆を
境に朝晩の勢いも一段落と言ったところか。今年の夏は「夏ら
しい夏」と云いたいが、子供の頃と比べると、こんなに気温が
30度を超す日が多くはなかったと思う。これも温暖化の現象
なのか?!太陽好きの向日葵も、あまりの暑さに花も葉も萎
れている。今年は重い頭をそのまま地に付けるのか・・・。
遠い夏の日、そんな向日葵の種を摘んだことを思い出す。
日の暮れるのが早くなり、蜩の声が寂しく感じられる頃、最後
の花火大会を見かけ、 夜空に咲く火の華は、季節の移ろい
を惜しむように、華麗に弾け時には優しく輝く。宴果ててのちの寂寥感は何とも言えない。
夏の終焉を告げそして秋の始まりを知らせる。
〈でもまだ暑いなぁー〉