〈其の四十二〉

 日一日と山の頂の綿帽子も消え、冬将軍も居づらくなったのか北の国へ去り、整理を任された子ワッパ供が、憂さを晴らすように時折暴れる。
  ちょっぴり高齢で足がわるい春神様は、いつも休み休みやって来る。でも今年は、南風に押されて来たのか可成りのハイペース。あちこち花を咲かせてはにこにこしている。特に花見が大好きで、酒宴の席に舞い降りては、ご馳走になっている。歳の割に酒量が落ちない酒好きで、ついつい長居して、だから北国へ来るのが遅れる。
 だが、今年は違う。暖冬と言われて久しいが、規模が違う。暖かいのは良いが、これはこれで何だかんだとあるんだろうね・・・。
 歓送迎の時期、加えてリストラ、失業率○○パーセント・・・ご多分に漏れず我が店も、常連の転勤などで一人減り二人減り、収支のバランスが合ってればいいが出る一方。しかも、高齢化・・(あっ失礼)。
 又しても話題はそっちの方へ、芽吹きの時そんなことばかり考えてるときりがない。ビール片手に河原の土手で、神様と昼寝でもしようかな・・・。 

(出入りの激しい季節)