〈其の四十四〉

 心うきうきする日。
何をするのにも良い季節です。こう言うときは早起きが良い。

 竿を振りたくて振りたくて、久しぶりに沢に出かけました。
浄くすんだ清流は、青く晴れ渡った空を写し眩しいくらい。
葉むらに輝く水滴は、朝露を集めきらきらと落ちていく。
今年は春開けが早く、川虫達の羽化も進んで沢は結構な賑わい。
川面は虫を食む、やまめのライズがひっきりなし。
眺めているだけで、お腹いっぱいという感じ。

 まず、ビールだね・・・。
 (この時期を逃したら何時釣るの・・・っとね!)

 最高だね!

緑が一層色濃く、草木の躍動感が漲って夏鳥の囀りを聞きつつ、ビールを飲んでいるとあれ程したかった釣り欲も薄れ、重いベストを脱ぎロッドを傍らに立て掛け、しばし初夏の景色を堪能する。

 ホント いいねぇ!!

来なきゃ分からない、ちょぴり贅沢な朝のビールタイム。

 今はやりのマイナスイオンなのか!?ブナ林のフィトンチッドのせいなのか!?はた又アルコールのせいなのか??

竿ださずの、釣らない釣りも良いか・・・。(・・・えっ??)

 さっ、帰ろか。

(心うきうきする日・・・)