〈其の四十五〉

 この暑さは唯事じゃないね。

 朝から噎せ返る暑さ、アスファルトの照り返しで空気は熱く淀み、風が吹いても周りの熱気を呼び込むだけ・・・。
太陽を焚き付け、街中をカンカンに照らし、湖水の水も涸らす。

 少しばかりダイエットし、動きも機敏になって調子扱いて悪戯が過ぎる夏神かと思いきや・・・眉間に皺寄せ首を傾げている。どうも自分の思惑道理では無いらしい。それ以上の結果に、額に汗している。夏神でも計り知れない何かが動き始めている。ほんの障りなのかもしれない。

子供の時分、一夏に30゜Cを超えるのは二三度、日中熱せられた地面・蒸発した水は、午後の夕立で帳尻があったんだが・・・。

 地球温暖化と言われて久しい、そして着実に少しづつ少しづつ負の方向へと進んでいる。現に南方の島々からなる小国では、海に沈もうとしてる。

傷口は小さい内に手を打つべきである。拡がってからでは・・・。

 まっ、傷は小さくても深いと長く疼く場合があるけれど・・・犬に噛まれたときのようにね。

(この暑さは・・・)