〈其の四十九〉

 冬枯れの木立の中を、ちっとも可愛くない風が素っ気なく通りすぎていく。時折、雪混じりの強風にもハタハタと頑張っていた数枚の枯れ葉が、そんな青瓢箪の風に吹かれてヒラヒラと落ちていく。

 すっかり見通しの良い林の中を、元気なのは甘やかされて我が儘しほうだいの青二才の風だけ。
障害物の無いのに託けて傍若無人に右に・・・。
雪煙を巻き上げつむじ風を起こし遊んでいる。楽しみが少ないのか冬神様もなぜか黙って観ているだけ、もっとも見渡す限りの一面の色をかき消し、殺風景なモノトーンの世界にし、生き物の生気も奪い楽しみもないか・・・。

 この一年似たようなもので、暗い話題ばかりで過ぎた感がある。だからちょっとした色が映えるのだし、癒し・癒しと流行るのである。我が身も、色を癒しをと求めて紆余曲折してみれど儘ならず。むしろ日々憂鬱で息苦しい、そんな日常や現世から、人知れずそっと蒸発してみたいな感が、春でもないのに芽生えたりした。

だから一年の苦労を忘れる忘年の宴なのである。

「パァー」っと、一丁言って来年に繋ぎましょう!

そんな訳で

今年も、ありがとうございました!

来年も、一層宜しくお願いいたします。

(ほんと よろしく)