〈其の五十一〉

 時々思い出すように雪をちらつかせ、癇癪を起こして横風を吹く。気紛れ天気の合間を縫って先日、山に行って来ました。久しぶりのXCスキーです。錆取りなし、ワックス掛け無しの埃被ったままの板を持って・・・。

 今回はビギナー二人も同行。XCの楽しさを教えるべく取って置きの場所へ変化に富んだ沢沿いの林道が好きな場所で、野鳥・動物の足跡が多く見られ、しかも来るべき渓流釣り解禁に備えた下見も兼ねたり、そんな由からこの景色の良いロケーションを必ず選ぶ。

 XC初チャレンジのお二人も、勝手は違うもののアルペン経験者ゆえになかなかどうしての腕前。でもそのゲレンデスキーが永ければ永いほど必ずXCでは転けまくる、其れも派手にね・・・。

 「ああっ、なっなんだーぁ曲がんねぇー、とっ止まんねぇー・・・」

 「ズッデン!!」

 「だ大丈夫?」と言うものの、内心「フィヒッヒー」と一人ほくそ笑む。

 動物の足跡を見ては一喜一憂し、静かな雪景色を見てはちょっぴり感動し、だからXCは止められない。

 まだまだこれから、春の固く締まった雪は歩きやすく、暖かい日を選んでワインとお弁当もって出かけよう。汗を掻けば厭なことも忘れるよ!

(きれいかな 八重桜)