〈其の五十五〉

 どんよりとした重く低い雲が、霧状の細かい雨粒を落とし、その水分を待ち望んで草木が勢いを増し、緑が一斉に茂る。
地表のワラビやゼンマイなども色濃いシダへと変容し、大地を緑で覆っていく。一回り大きくなった山々が、梅雨空の暗い日の光の中全身濡れわたり、草木の葉一面にも水滴が出来重いのか、ただ大人しくジッとしている。

 がしかし、今のところ空梅雨の体をしているが、夏本番まで後少しどうなるのか・・・このまま行ってくれれば良いが?!。

 景気の方も空梅雨傾向で行けばよいが、いつまでもジメジメの長梅雨で晴れる様子無し。黴が根を張り変色もしている。”風通し”を良くしないと改善無し、もしかしてこのまま夏が来ず、秋風が吹くんじゃないだろうね!?

 嫌々、とかく話しも湿りがち暑い夏が来て、真っ黒く日焼けして遊ばにゃ〜絶対・・てがぁ〜っ。
 前述のシダ類が好きで、特に雨上がりの葉先に滴が付いた状態のが良い。こんなとき岸際ぎりぎりにフライを落とすと思わぬ大物が・・・。

 梅雨の晴れ間は面白い。小っちゃな幸せと発見があるから。

(シトシトピッチャン、シトピッチャン)