〈其の七十七〉

 街の彼方此方でも、公園の此処かしこでも賑わった花見の宴も、桜の花びらと一緒に散り散りと寂しく少なくなり、その時期もアッという間に駆け抜けていった。短いから愛おしく、一層綺麗に美しく感じるのだろう。
 だが、其れとは対照的に残されたゴミの醜さ、折られた枝の痛々さ・・・。
低迷の浮き世を離れ、一時の快楽の宴。飲めや歌えのドンチキ騒ぎ。分からないわけではない。それらがオーバーラップして、その輪の中に入る気がしないのである。
浮かれ騒ぎも花弁と共に散り、又静けさを取り戻した公園は緑が一層濃くなり、置き土産を残した桜前線は北上を続ける。
 其れよりも、整備された公園で見るよりも、人知れず咲く「山桜」の方が好みで、その下で日がな一日、花びら越しに空を眺めていたい。
 最近知ったのだが、その山桜よりももっと高地に咲く「峰桜」という存在。
ご存じだろうか?!。 ずぅっと低木で、より可憐で・・・。
今年はこれだね!「み・ね・ざ・く・ら」。
 渓流では、ドライフライへの反応が頻繁になり、一寸脇へ入れば、山の恵みが容易に手に入り、そして峰桜。
 これはキャンプしない手は無いねねねね!

(やはり、グビィィかな)