〈其の八十五〉

 春の臭いを感じたのか、慌て気味にありったけの雪を降らして、未だその辺にちょこちょこ現れる冬将軍も、ここに来て多少お疲れのご様子。
そりゃそうですよ、あんなに降らして・・・、こんなに寒くて・・・。
 今シーズン、未だ転倒無し更新中の年中無休バイク通勤。
「真冬でも乗って、冷たいのに・・・、雪が降ってカチンコチンに凍り付いてるのに・・・ほんとに好きなのねオートバイ!」って、誤解しないで下さい。
もう、しんどいのですよ。もう、沢山なのですよ。もう、良いのですよ。
と言って何年乗って居るんだか・・・。えっ!誰ですか?「後何年乗ってられるのか?」と云ったのは・・・?!
 オートバイも趣味の一つではあるが、そう云われりゃ一生乗りますよ!!
杖突く爺さんになっても、バイク股がりゃ背筋が伸びたりして・・・「Hey!其処行く彼女っ!」・・・なんて、何かやりそう・・・。絶対やるな!
 まっ、真冬は厭として、オートバイご無沙汰のお父さん達も、これからの時期は一度経験した者だったら、又乗りたくなるもの。
何を経験したかって?そりゃあれですよ・・・「風を感じる」ですよ!
 ねぇっ、○○君!
 そう、そんな時期ですね。そして渓流解禁!
雪が溶けて、沢の水もチョロチョロ流れ出すように、春を感じて、体中の血管も拡張し、血流の増大に伴って、寝ていた脳味噌と体がシャキッとしそう。暗く消え入りそうな気持ちも、勢いを増した血液に流されそう。
 やっぱ、春は良いなぁ!いや、春も良いねぇ!!
 ヨッコラショっと!「どら、一丁やるか!!」

 

(ルンルンルンのムクムクムク)