〈其の八十七〉

 遅咲きの桜もアッという間に花を散らせ、今頃は北の果てまで行ったかしらん。今年は厳冬のせいで全般に春は遅く、のんびり屋の春神さえも気を揉んだ。どうせ酒好きの神様のことだから、花見の宴会を期待して居るんだろうけど・・・。

 稲の生育も後れ気味で、田植えを遅らせる農家もあり、水を張って出番を待つ田圃がポツンと大欠伸。そう言えば、連休中に集中する田植えも、今年は疎らだったなぁ。田の蛙達だけは賑やかだった。

 開花が遅れたことで、ゴールデンウィークの期間中も彼方此方で桜の見頃が続いた。お陰で久方振りの桜の下での酒池肉林のキャンプと相成った。見上げれば真っ青な空、新緑の緑、頂には残雪の白。今冬は雪が多く、その分この白が良い。そしてピンクの花弁。こんなグットなタイミングはそうない。岩魚も出てくれたし、温泉も近くにあるし・・・。

 ただ、ただ残念なのは、悔しいかな・・・。

 「シャンペンが甘口だった!」

今回最大のミス!大いなる恥!!

と言うのは、キャンプの目的の第一と言って良い位、外で飲むシャンパンが好きで、肝心の其れが今一今二なのが情けない。

 別に格好付けてる訳じゃないが、気泡立つグラス越しに見る夕日は格別ですよ。一度お試しあれ・・・。
 

(ポンポンのシャワシャワ)