〈其の九十三〉

 車内に未だ居たのか、もう出て来たのかユスリカが一匹。
道端には、蕗の薹が芽を出し。冬毛に生え替わらない、不揃いの見窄らしい犬が散歩して、何事もなく年が明けた。

 人間が勝手に決めた節目でも、何ら変わらない一日の始まりが、何ら変わらない営みが繰り返し起きている。

 只、暖冬なのだろう。狂い咲きした桜や菜の花がちょっぴり可愛そう。
凍結路面に備えて、履き替えたバイクのスパイクタイヤのピンだけが、出番無く只磨り減るばかり。いざ本番時の効きが心配。まっ、安心を使い減らしていると考えれば、やはり身近に感じる暖冬も、ある意味ありがたい。

 この温暖化の原因は諸説こもごもだが、当然人間が出す様々な物質、その中でも排気ガスがだんトツ。その環境問題が盛んにメディアに取り上げられ、他人事のように、各国、各企業レベルではなく、各個人レベルで考えないと、早急な解決策には成らない。

 最近定着してきた、スローライフ、スローフードもなるべくして出てきた、身近な解決策の一つ。ほんと真剣に考えないと・・・。
取り敢えず出来ることから・・・。と言いながら、でかい車に乗っている身としては、必要最小限で出来るだけ使用せず、真冬積雪・凍結なんのその、年中無休のバイク乗りです。この時期、大分堪えますがまだまだと・・・。

 まっ、環境問題とか言ってはいますが、裏を返すと車を乗り回す予算がないだけの話ですがね・・・。物は言いようで・・・。

(ブルブルブルのブンブンブン)