〈其の十九〉

 

 引っ込み思案で大人しい秋の季節が、今年も気紛れで陽気な、

夏の神の居座りを許し、ちょっぴり意地悪で、きかん坊な冬神の

悪戯も見過ごしてしまう。偶に見せる凍てつく寒さと枯葉を巻き上

げる横殴りの風は、決まって奴さんの悪戯で、往々にして男性の

目を楽しませてくれる。

 その様な中でも今年は走ったねぇ。雨の日を除いてほぼ毎日、

そんな仰々しいものじゃなく、散歩程度のジョギング。歩くスピード

で心拍を上げない何とか走法という奴、しかも小一時間程度なの

で体に負担が来ない、でも結構汗はかきますよ。

この後のシャワーがまた気持ちいいのですよ。

お陰で、目標の体重もクリヤー、体脂肪の方なんか適正枠以下になりました。

ちょっと絞りすぎたかな・・・。ジョギングコースの中に銀杏並木があって、この間まで真黄ッキ

に染まった枯葉と落ち葉が、横から指す朝日に照らされて、まるでゴールデンシャワーの中を

走っているような、朝からいい気分。何か得した気持ち。そんな穏やかな日に、「ふわふわ」と

例年顔を見せるのが、体に真っ白な綿毛を抱いた「雪虫」(正式名称は?)。冬の到来を告げ

る使者の一人で、こいつを見ると平地でも近々雪が降ります。寒く辛い冬の始まりです。

だから、温かい熱燗がうまいのです。

今年もがんがん滑るぞ!