バロック時代の自由な装飾と、現代の音楽の即興性というものは、自分の中で昔から等距離にありました。
その等距離の古典(バロック)と現代の音楽を融合させて21世紀に向けて、これから自分の音楽を発展させていきたいというのが、今回のリサイタルのコンセプトです。
前半では、ピアノとともに現代的(ジャズ的)な要素を含むものや、民族音楽的な要素を含むものを選びました。後半では、バロックの音楽をソプラノサクソフォーンとチェンバロという珍しい組み合わせでトライし、また現代の音楽であるピアソラを、サクソフォーンと伝統的な楽器であるチェンバロとで醸し出す不思議なサウンドを楽しんで欲しいと思い選びました。
前回のリサイタルでは、前半がシューマン、シューベルト、後半がピアソラというようにロマンティシズムを求めたわけですが、今回のリサイタルでは、その脇を固めるという位置づけも持っています。
(須川 展也)