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[特集]トップランナー 出演(1998.10.09 NHK総合TVにて放映)

番組中のトークが非常に充実していましたので、その内容からいくつかをピックアップしてみました。
[クラシックとジャズとの違い]
・クラシック:楽譜に書いてあって、その楽譜を見てのインスピレーションで奏者がどう表現していくか
・ジャズ:テーマが決まっていてそれを楽譜がない世界で自分の思うまま、心の中からわき出てくるフレーズをどんどん吹いていってクライマックスを作っていく
[ファジィバード誕生まで、海外の反響]
・吉松さんに(ファジィバードの)委嘱をお願いした際に、吉松さんをおもてなししていたのに自分が同じペースでお酒を飲んでしまい、気が付いたら寝てしまっていた
・英国に招待されたときに「ミスター・ファジィバード」と言われた!
[サックスとの衝撃的な出会いと学生時代]
・中学1年のある日お父さんが買ってきたレコードを聴かせてくれたときに鳥肌が立つような、五感に響くようなショックを覚えた
・放送委員だったので中学の給食の時間にそのレコード、ムードたっぷりのハーレム・ノクターン(サム・テイラー)のレコードをかけたら先生があわててやってきて「やめなさい」と言われてしまった
・音楽の授業で「アルルの女」より間奏曲(ビゼー)を聴いてまた新たなショックを受けた
・最初はテナーサックス担当だったけれど、ジャズのソロのようなものはないし、吹奏楽ではきれいなメロディが多いアルトサックスをどうしてもやりたくなって「一悶着」を起こしてしまって今でも申し訳なく思っている
★大学三年のときに出場した「日本音楽コンクール」のビデオも流れました!

【スタジオにいらしていたみなさんからの質問コーナー】
Q.指が早く動くようにするには?
A.
まずは書いてある音符を頭に入れること、そして指の力を抜いてリラックスさせる…深呼吸して肩の力を抜く、息をふっと吐いたときの体のリラックスさを思い出す

Q.今までで一番緊張した演奏は?
A.たくさんありすぎてどれが一番、というのは難しいのですが:
・毎日コンクールのときは直前までトイレにいた!
・デビューリサイタルの前日は一晩中眠れなかった

そして、須川さんの音楽そのものを表すような次のような素敵なお話もありました(できる限り須川さんのお話そのまま)。

「クラシックだからクラシックだけをやるっていうのは僕はやっぱりおかしいなと思うんですよ。だって、きれいなメロディって…、最初は音の並びがちょっとあって、それがメロディじゃないですか。それがどんな曲だって、そのメロディの音を「タララ」、とやっただけではジャンルはわからないじゃないですか。それにどんなリズムセクションがついて、ジャズっぽくなるのか、ストリングオーケストラがやるかによってなんとなくクラシックかジャズかって違うのかもしれないけど、最初のメロディっていうのには僕はジャンルはないと思うんですよね。メロディがいいものを吹き続けていけば絶対に伝わると思って、それを信念に頑張ってやってます。」
「僕は、サックスを通して自分が演奏をするときは『人間を語る』、ということを大事にしてますね。自分自身もそうだし、人間全て生きていくということなんですけど、生きていくうちにうれしいことも楽しいことも悲しいこともいやなことも頭に来ることもあるじゃないですか、それをぜーんぶひっくるめて演奏していくっていうことですね。そうしたら…、聴いている人もやっぱり、いいこともあればいやなこともあるじゃないですか、それを、言葉じゃないけれど音楽の中で一緒に、共有できるんじゃないかなと思うんですね。(演奏を)聴いてもらってそこで人間というものを一緒に共有、共感できればいいなぁと思って。それが僕がずっと思っていることですし…、おじいちゃんになっても吹き続けていたいと思います。」


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