日本髪を結った泉水さん 名前: K2 [2016/01/24,11:50:34] No.7197
2016年1月23日(土)読売新聞夕刊の「追悼抄」という記事に、池波正太郎の鬼平犯科帳の挿絵等多くの時代小説の挿絵を描かれ、昨年10月に104歳で亡くなられた挿絵画家の第一人者である中一弥先生の記事が掲載されています。

その中に中先生の「(2007年に亡くなった)歌手の坂井泉水さんに日本髪を結って描かせてもらいたかった。最近は着物の似合う女性が少なくなって・・」と言う言葉がのっています。

中先生は2009年に朝日新聞に連載された乙川優三郎氏の「麗しき花実」という時代小説のヒロインの理野のモデルとして泉水さんを選ばれました。
この小説はヒロインの理野が急死した兄の跡を継いで蒔絵師として生きる姿を描いたもので、琳派の巨匠酒井抱一なども登場する江戸の芸術の華やかな一端をのぞかせており、ほとんど毎日の挿絵に、凛とし生きる美しいヒロインが描かれています。

このとき中先生は98歳、「日本髪を結った泉水さんを描きたい」とは生涯、美を追求しつづけた先生が最後に出会い最も心に残ったのが泉水さんであったのだと思います。

日本髪を結った泉水さん、本当に美しいでしょうね。


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