全体的な印象
突然発表された,演歌の大御所森進一とのコラボレーション!
森進一と言えば,これまでも演歌外の作家とのコラボレーションを積極的に進めてきた人で,最近では2003年に長渕剛兄貴と組んで「狼たちの遠吠え」をリリース。大ヒットした「冬のリビエラ」の大瀧詠一,「襟裳岬」の吉田拓郎も忘れてはいけない。「ウイスキー色の街で」の細野晴臣はあまり知られていないだろうなあ。私も検索して初めて知った。まあ,この中に泉水さんと大野愛果が入ったってことだ。
泉水さんにとっては,ビーインググループ以外への歌詞提供はテレサ・テン「あなたと共に生きていく」以来ということになり,10年以上間があいたことになる。
カップリングまで泉水さん作詞,大野愛果作曲となっており,編曲もビーイングの主力徳永暁人と久々登場葉山たけしとなっており,ヴォーカル以外ビーイング制作の可能性もある。
さらば青春の影よ
作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:徳永暁人
アレンジは結構演歌よりに作ってあり,あれ?このメンツでこの音?と思わされる。発注があってから制作に取りかかったんだろうなあ。森さんに合わせてある。むしろ,そうしない方が良いと思うんだが。
歌詞はいかにも泉水さんと言った感じで,「正解」をこたえと読ませたり,「瞳」をみらいと読ませる(!)当て字を発見した時は,思わず小さくガッツポーズだ。しかし,出だしの歌詞なんか演歌調で,泉水さんの歌詞も森さん向けに配慮して作った印象がある。「あなたと共に生きていく」とはこの辺が違う。
音質は,ほぼ同時に発売された「今日はゆっくり話そう」より自然な音質で好ましい。
蜃気楼
作詞:坂井泉水 作曲:大野愛果 編曲:葉山たけし
どちらかというとこちらの方が私のお気に入り。しかし,これは完全にZARDのストックだろう。男視点から書かれた歌詞ではあるが,ちょっと乙女チック,その上やわらかく優しいアレンジで,森さんのイメージには合わない。
次のZARDのアルバムにはこの曲のZARDバージョンが収録されていてもおかしくない。ヴォーカルだけ差し替えればそれで完成だ。
ジャケット・ブックレット
森さん格好いいぜ!ジーンズに青いシャツで横顔だからZARD的というのはさすがに言いすぎだろうけど,年齢を感じさせない渋格好いい写真。
ジャケットにも歌詞は書いてあるのだけど,「あなたと共に生きていく」同様別紙の歌詞カードが付属。五線譜があるのも「あなたと共に生きていく」同様。演歌のスタイルなのかもしれない。
スタッフのクレジットが無いので,ビーイング制作なのかは不明。ただ,音楽制作集団ビーイングが編曲までして録音はお任せってことがあるんだろうか?
セールス
- オリコン最高位84位
- 登場週数4週
- 総売上0.4万枚(200位までの集計)
2004年11月21日発売だが,フライング分が20日に発売されたため,2日間だけの集計で初登場106位にチャートイン。翌週84位に上がったが,その後もぱっとせず,4週目で200位に下がった。
しかし,2004年大晦日の紅白歌合戦でこの曲が歌われたこともあり,再度浮上する可能性もある。
※追記:結局再浮上せず,このままチャートアウト。
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