三高歌集寮歌(春東山の)大正四年 辻村三郎 作詞 作曲
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1 春、東山の花に酔ひ 秋、清谷の香に迷ふ 古都よ醒めよと暁鐘を 握りて立てる神陵兒 響けよ、世を醒ませよ 自由の鐘よ 守れよ、世に誇れよ 自由の鐘を |
はるとうざんの はなによい あきせいこくの かにまよう ことよさめよと ぎょうしょうを にぎりてたてる しんりょうじ ひびけよ よをさませよ じゆうのかねよ まもれよ よにほこれよ じゆうのかねを |
2 花、嵐峡の靉靆に 月、嵯峨の野の玲瓏に 理想の光映ゆる時 希望は胸にみなぎりぬ 輝け、世を照らせよ 理想の光 守れよ、世に誇れよ 自由の理想 |
はならんきょうの あいたいに つきさがののの れいろうに りそうのひかり はゆるとき きぼうはむねに みなぎりぬ かがやけ よをてらせよ りそうのひかり まもれよ よにほこれよ じゆうのりそう |
3 クロバーの芝生に友と踞し 如意の高嶺を仰ぎつゝ 真理と未来を語る時 友情清く溶け出づる かたくも、濃く結べよ 久遠の信を 守れよ、寮の光輝を 自由の友よ |
くろばーのしばふに ともときょし にょいのたかねを あおぎつつ しんりとみらいを かたるとき かたくも こくむすべよ くおんのしんを まもれよ りょうのこうきを じゆうのともよ |
4 東に聳ゆる比叡の嶽 西に流るゝ加茂の水 嶽と水との氣の凝りて 爛漫咲ける花を見よ 歌へよ、世に誇れよ 自由の花を 守れよ朝日に照る 自由の花を |
ひがしにそびゆる ひえのやま にしにながるる かものみず がくとすいとの きのこりて らんまんさける はなをみよ うたえよ よにほこれよ じゆうのはなを まもれよ あさひにてる じゆうのはなを |
5 是れ先人が守り來し 學と自由の不羈の城 獨立自由の剣取りて 神陵の子よ奮ひ立て ひらめけ山櫻の 自由の旗よ 守れよ、世にほこれよ 自由の旗を |
これせんじんが まもりきし がくとじゆうの ふきのしろ どくりつじゆうの けんとりて しんりょうのこよ ふるいたて ひらめけ やまざくらの じゆうのはたよ まもれよ よにほこれよ じゆうのはたを |
はじめまして、突然メールを差し上げます。 先日母から譲り受けた古いものを整理しておりましたら、三高の旗を染めた手ぬぐいが出てまいりました。 聞くところによりますと、母の父(つまり私の祖父)の記念に持っていたようです。 以前何度か、祖父が三高の寮歌を作ったと聞いておりましたので、思い立ってインターネットで検索した結果、 貴ページにたどり着きました。 祖父は、母がまだ幼いころに病のため亡くなり、私にとっては、一枚の写真と、幼かった母のわずかな思い出話の中でしか 知ることができません。 それで、祖父の作った寮歌とはいったいどのようなものなのか、知りたかったのです。「寮歌は生きている」という本もいえにあり、 「これがお爺様の作られた歌よ」 と楽譜を見せてもらった記憶はありますが、今回、同窓生の皆様の歌声を聞かせていただき、なるほど、こういうものだったのか、 と感慨ひとしおでした。 どうもありがとうございます。 ところで、この、祖父の作った歌「春東山の花に酔い」(大正6年寮歌)の作詞作曲者「辻村三郎」は、少々変わった読み方で「ツジムラ ミツオ」と 読むのが正しいそうです。 ご都合のよろしいときに、ご訂正いただければ幸いです。 現在母とは離れて暮らしていますが、この次の機会にはぜひ、このページで祖父の歌を聞かせたいと思います。 きっと喜ぶと思います。 このようなページを作っていただいて、本当にありがとうございます。どうぞ、お元気でお続けくださいますように。 辻村三郎 孫 木立子