先ずは彼を紹介します。Mr.Raju Jainです。カルカッタの、といようよりは、1980年代のインドのレースの輸入を取り仕切っていた人物です。国内では誠実、堅実の表参道一直線、本店以外にも、ハイデラバード、ボンベイに支店を持ち大卸として君臨。趣味はなんとヴィンテージカー。

ここは店の奥にある商談室。靴を脱いで、寛いで、お茶(チャイ)を飲んで雑談。

彼の左手に持っているのが、チャイ、先の尖った土器にはいっています。飲み終わっても下に置けない、困り果てて、”これ、どないします?” ”ああ、店の外に捨てたらええ” 捨てると土器は割れる、皆が踏みつけ、元の土くれに帰ると言う事。実に合理的、衛生的です。他では、ドゥミタスで出てきます。もちろん一杯何円の世界です。

辻や軒のあちこちに、チャイ屋が有り、地べたが仕事場兼店です。小学校低学年の男の子が配達したり注文を聞いて回ります。

商売道具は石油バーナー(空気を注入し強力な火力の出るタイプ)、平底の深鍋にミルクを入れる、すぐに沸騰し、ふきこぼれる寸前に紅茶の葉(粉に近い)を投げ入れ入れ、鍋底を火に近づけたり、遠ざけたりしながら、何回か沸騰させ、茶漉しで漉して、カップに注ぎ込みます。その葉っぱは鍋に戻して、また初めからの繰り返しです。葉っぱが溜まってきたところで、茶漉しでこして、上から押さえて、中のチャイを絞り取って、これでやっと、お役目御免となって、道端にポイとすてられます。実にリズミカルな無駄のない動きです。それを山羊が食べる。

インドでミルクといえば、山羊の乳です。お味の方は如何でしょうか?お替りされますか?