2000- 8- 20  栗橋高校の消費者講座



   栗橋高校の生徒達と一緒に消費者としての自分を考える講演
  と寸劇を行いました。





 

 

平成12年3月18日の高校生のための消費者講座を行いました。講演の形式は高校の演劇部の女子
生徒2人が私の台本をより演劇ふうに変え、先生3人も役者に加わり5人が、演劇(ロールプレイ)
を三つすることになりました。場所は栗橋高校ではなく、歩いて5分ほどの文化会館イリスのホール
にて、学校行事として行われました。高校の行事として、「平成11年度高校生のための消費者口座」
として、1,2年生全員530人が対象となり、9時30分から11時まで消費者講座の講演と寸劇
を行いました。
学校の行事ですので、先生と生徒が役割分担をして企画、司会、放送、照明、記録、出演、着席指導、
交通指導、駐輪指導、掲示、座席割表の担当を秩序正しく行っていたのが印象的でした。
しかし、客席に座る生徒の私をみる目つきはよいとはいえず、おはようとこちらが言っても返事は返
って来ませんでした。客席の生徒の多くは「余計なことをしやがる」という雰囲気を出していました。
そんな中を講演することが、一抹の不安を私に与えました。それでも演劇部の女子生徒とコミュニケ
ーションをとっており、よい印象を持っていましたし、茶髪やミニスカートは見当たらず、大人しく
て、純朴であるとの先生の評価を信じました。
壇上に紹介され、私が話し始めると、「つまらない」を思ったのでしょうか、私の講義のでだしに、
拍子木のように手を叩いていた生徒が2,3人いました。一瞬、めげて、帰ろうかと思いましたが、
かまわずにしゃべり続け、台本を見て不安をかき消しました。2,3分して、自分の体験である
丸井のクレジットで靴や洋服を買った話をしはじめると、拍子木のような音はピタリとやみました。
ロールプレイの場面になると、客席の生徒達は、舞台に目がくぎ付けとなり、演劇部の素晴らしい演
技に見とれ、見慣れた先生が変身して演技することが、楽しかったらしく、おもしろい野次もでる楽
しい雰囲気となりました。最後の寸劇が終わり、私の講演だけになると、客席の生徒は我慢ができな
いのがよくわかり、苦痛を強いることはできないと思い多少早目に切り上げました。私の講演が終わ
ってから、出演した生徒2人と先生3人の自己紹介となり、またもう一度私と演劇部の女子生徒2人
が3人で舞台からあいさつしました。
ロールプレイは舞台の中央で演技していただき、生徒からよく見えるようにしていました。そうする
と当然、私は右横にいたので、演劇はよく見えていません。生徒は難しい1ケ所以外は台本を見ずに
演技していました。かたや台本を持ちながらセリフを語る先生方は、いきいきとしていて、生徒も嬉
しそうに笑って見ていました。私の講義についての語りについては、資料をそのまま読むのではなく、
生徒の表情を見るようにお話しようとしたところ、スポットライトを浴びまして、気が動転してしま
い、生徒の表情が見えなかったせいで、つたない話になりました。当日、学校側でプリントを用意し
ていないかったので、原因なのか、生徒を見ていると講義の難しいところは、理解しずらい様子でし
た。まえもって、担当の鈴木先生から、教育困難高ということで生徒にはなるべくやさしい言葉で内
容を少なくして欲しいと言われやさしくは話したつもりでしたが、生徒達の集中して聞く気がないの
が気にはなりました。埼玉会の理事が応援に来るてはずができなかったので、埼葛支部の佐瀬先生に
応援を頼み、写真を取っていただきました。学校側は行事として記録を取っていて、映画クラブのよ
うなものがあるのか、生徒2,3人がビデオ撮影をしていました。これは広報部としても、貴重な記
録だと思いつき、教務主任の根岸先生に映像をとったビデオをVHSテープにダビングしていただき、
アンケートともども送って貰いました。
大山座る
当日に栗橋高校に用意していただいたものは
            台本または資料のコピー 生徒の人数
            椅子 2コ
            あれば机 1コ
            化粧品のビン 1コ
            すごい顔をした絵
            クレジット契約書
            赤い帽子
            パソコンのパンフレット
以下は台本です。
ご紹介を受けました。私、司法書士の大山といいます。高校生のための消費者講座は我々埼玉司法書
士会にとって、3年目になります。私は、受け持つ高校に栗橋高校を希望しました。打ち合わせに栗
橋高校に来たところ、3月18日の1時間半の予定で、主として悪質商法を中心として大山が講演す
ることに決まりました。担当である鈴木先生から、生徒が演劇をしますと言われ、また演劇部の皆さ
んとも打ち合せをしました。最初にやさしく、わかりやすい言葉で、講演をお願いしますと言われま
した。
(ナレーション(大山)..はじめはゆっくり)
司法書士とは登記、不動産の売買とか土地建物に抵当権つまり競売を受けても異存はないということ
がらを戸籍のように国に登録することを一般市民にかわってする職業です。また裁判所に提出する書
類を
お客に依頼されて作り、提出することもいたします。
この職業は明治時代から起源を持ち、制度としては大正8年からですから、80年ほどになります。
みなさんのお父さんおかあさん、おじいちゃん、おばあちゃんは必ず誰か司法書士に会っているはず
です。
今日は、私大山という司法書士が高校生のための消費者講座を行います。まず初めにクレジットとキ
ャッシングとサラ金の恐ろしさについて、お話します。
若い時は欲しいものがたくさんあるはずです。私もそうだったからよくわかります。
僕も大学を卒業してから、社会人になって、マルイのクレジットで靴や洋服を買った憶えがある。ク
レジットだとあれも買える、これも買おうといって買ってしまったあとに、絶対あとで返済に苦労す
る。テレビを見ても欲しいものを買わせようとするものばかりだし、雑誌も消費をあおるような広告
ばかりが目につく。そして今やブランドもののバックや財布を持てない奴は並み以下だなんて風潮も
ある。こうしてクレジットで品物を買って、問題なく支払ってしまえばいいんだけど、そうじゃない
場合あなたならどうする。そこでテレビで宣伝しているサラ金の自動契約機に向かって、キャッシン
グでお金を借りてしまう。
金利はいま、年に30%くらいが普通。実はこれが怖いことになるんだ。10万円を1年で返すなら
毎月1万円を返せばすむ。そうすれば利息は2万円ですむけど、もともと困って借りているのだから、
みな順調に返せるはずがない。サラ金から優良な顧客と褒められ、枠があるからともっと借りたらと
すすめられる。そうして30万円を借りると2年で返すとなると利息の総額は10万円を超えてしま
う。
次に借りようとすると、今度は保証人をつけさせてくれと言われる。
親もまあしかたがないとあきらめて、絶対返すから心配ないといわれれば100万円くらいの借金の
保証人にはなってくれる。
これが泥沼に陥るパターンになる。
次から次と借金を返すためにまた借金をすると利息ばかりを返すことになるからだ。そうすると次の
ようなことになる。
@ 親になきつく。そうして親は定期預金などをくずして支払ってしまう。
A友達から借りる。返すあてもないのに... もう友達としてつきあってくれなくなる。
B会社をやめて夜逃げする。あてもなく中小都市に落ち着きパチンコ屋の店員とかつまらない仕事以
外は見つからない。
C自殺する。鉄道自殺が多い。いまや日本は先進国の中でも自殺が多いことで有名になった。
D犯罪に走る。とにかくアセッタ気持ちになって、自分でもよくわからない混乱状態になり、善悪の
判断もできなくなってしまう。
でもこんな状態になった人達を食い物にする悪魔のような人間もいる。
例えば
@紹介屋とっいって、 スポーツ新聞ですぐにお金が借りられるおとり広告を出し
「あなたの場合当社は融資できませんが、当社の紹介があれば貸してくれる所を紹介しましょう」と
言って、借入額の20〜50%を紹介料としてピンハネしてしまう。この場合、実は紹介なんかして
いない。
単に借りるための審査のゆるい業者を教えるだけなんです。
冷静に考えれば、例えば50万円の借り入れをするために20万円の紹介料を取られると70万円借
りたことと同じになってしまう。
迫り来る返済日と電話が怖くて、あとさき考えないで、いっときの不安から免れることだけを考えて
行動してしまう。
つぎにA買取屋といって、紹介屋と同じおとり広告を使って多重債務者、このようにいろいろな所か
ら借りている人をこう呼びます。
クレジットカードを使って買物を何百万円とさせて、その品物を定価の30〜50%の金額で買い取
る。品物は転売しやすいブランドもののバッグや電気製品が多い。買取屋は安く仕入れた品物を下取
り業者に売ってまたそこでも儲けてしまう。
この場合たとえは50万円のロレックスの時計を買って25万円で売ると25万円の現金しか入らな
いのに50万円の借金が残ることになる。買取り屋も当然犯罪行為であるが、その引っ掛かった債務
者もその共犯とされる。
つぎにB整理屋といわれる人達は、サラ金の看板を掲げながら、お金を貸すのではなく、整理してあ
げると持分かけ、提携している悪い弁護士を紹介して、高い手数料を取ってなにもしない。そんな手
口をつかう悪魔のような人達もあなたを狙っている。
この世の中は、なみ、すぐれ、おちこぼれの三つの人間のタイプ
に分けられる。すぐれ、優れた人になみとおちこぼれはあこがれる。だからすぐれがやっていること、
洋服、ファッションなどとにかくまねをして自分もそうなりたいと必死に思う。そんな我を忘れる時
に落とし穴に落ちて、転落の人生を歩むことになる。これからお見せする演劇はそんな人間になって
いくことを生徒さんと先生が見せてくれます。最初にお見せするマルチ商法に落込むトシも外見だけ
の見せかけだけ、あこがれて、すぐれに見せようなんて考えていたからアブナイのです。ではよろし
くお願いします。
  ケース1 マルチ商法
これは演劇する
  梅屋敷のトシとサチ 平成のバカップルを象徴的に描写する美女と若い男とその先輩の男の物語。
高校の先輩のカッコイイ男の内村と自動販売機の前で、暴走族のよくする、座りかたで茶髪をうなじ
から掻き上げながら、語尾を上げてしゃべる男がトシ。まず始めに、サチという女と内村が登場する。
                 ・ 
                 ・−サチと内村、壇上に上手から登場 
                 ・ 
      サチ ・あなたの後輩にトシという子がいるじゃない。あ
                 ・の子を販売員に勧誘しない。チャパツだけど女の
                 ・子の友達はたくさんいるみたいだしとにかく話は
                 ・うまいから、このビジネスにむいている。女は皆
                 ・やせたいと思っているし、手足を細く、したいと
                 ・思っている子、て多いしね。 
                 ・ 
      内村 ・そうかー、ほかならぬサチの言うことだから、こ
                 ・こは、一丁、トシをくどいてみるか。 
                 ・ 
                 ・−サチは下手に退場 
                 ・ 
                 ・−トシが上手から登場 
                 ・ナレーション(大山)..低い声で 
       ◎ ・高校時代の友達だった先輩から電話がかかってき
                 ・た。「トシにいい話があるんだ」といって、会う
                 ・約束をしました。会ってみるとどちかというと地
                 ・味でさえない感じだった高校生のころから、がら
                 ・っと変わって、しゃれたジャケットを着こなし、
                 ・高そうな腕時計をしています、いかにもカッコイ
                 ・イ男を自認しているようなそんな内村先輩の姿を
                 ・みたトシは先輩にすっかりあこがれてしまいまし
                 ・た。話を聞くと友達に商品を紹介するだけで簡単
                 ・にお金が儲かって月に40万円の収入があると言
                 ・います。◆ 
 

内村とトシ




     内村 ・ よ、電話で呼出したり、して悪かったな。 
                 ・実は、いい話があるんだ。 
                 ・これさ...塗るだけで足や手がみるみる細く、
                 ・キレイになる。 
                 ・ 
                 ・−化粧品のビンをトシに渡す。 
      トシ ・えーこれ、何すか。 
      内村 ・エーエムという会社の化粧品なんだが、これは
                 ・お店では、売っていないんだ。これは、塗るだけ
                 ・で足や手がみるみる細く、美しくなるという肩書
                 ・きなんだが、確かに一部の人にはきくんだ。 
                 ・小売価格は2000円なんだが、仕入れ価格は1
                 ・400円なんだ。だから、お前もこれをおんな友
                 ・達に売って1本600円儲けてみないか。女をキ
                 ・レイにしてあげられるんだから、お前にはピッタ
                 ・リな仕事だよな。 
                 ・今度、ラリーといって、説明会があるから、こい
                 ・よ。サチといって綺麗な女のセールスがいるんだ
                 ・よ、キレイだぜ。販売員になるためには、5万円
                 ・いるんだ。でもすぐ元はとれるよ。 
                 ・  
                 ・−内村とトシいったん下手に退場  
                 ・  
                 ・−サチが登場。内村とトシは壇の下にいて、話を
                 ・聞く 
                 ・  
      サチ ・ 販売員になると、会社から仕入れ価格の販売価
                 ・格の70パーセントで製品を購入することができ
                 ・ます。さらに購入した製品を消費者、友達や知り
                 ・合いに売ると30パーセントの小売利益を得るこ
                 ・とができます。この会社は日本エーエム株式会
                 ・社といって本社はミシガン州にある。外資系の法
                 ・人所得ランキングではコカコーラについで2位の
                 ・成績を誇ります。もちろんテレビで環境問題を取
                 ・入れた宣伝もしています。日本では16年前から活
                 ・動して、株式も上場し、経団連の会員でもありま
                 ・す、日本人ならだれでも、一度は聴いたことがあ
                 ・るのではないでしょうか。 
                 ・−化粧品を取り出して...自分の左腕に塗る、
                 ・これだけで1週間後には、足や手がみるみる細く
                 ・綺麗になりますよー 
                 ・−サチは下手に退場 
                 ・            
                 ・                    
 内村とサチとトシ
                ・                    
                 ・−サチと内村とトシ壇上が上手から登場    
      サチ ・販売員になるためには、最初に5万円必要です。
                 ・わかっていますよね。 
                 ・−トシ気持ちよく5万円払ってしまう。 
      トシ ・さあ、これから、この化粧品でオレの人生バラ色
                 ・だ。車だって。時計だって月40万円あるなら、
                 ・思いのままさ。 
                 ・全員退場  
                 ・                    
                 ・ナレーション(大山)..普通の声で      
                 ・              
       ◎ ・...こうしてちゃくちゃくとサチは親としてお金
                 ・をもうけていきます。 
                 ・これをマルチ商法、別名ねずみ講といいます。  
                ・ 
                ・ 
                 ・マルチ商法(連鎖販売取引)・マルチまがい商法
                 ・とは、ピラミッド型の販売組織があって、次々と
                 ・下に子会員をつくって商品を販売していくことに
                 ・より上部の会員が利益を得られる販売組織を指し
                 ・ます。ランクが上になるには商品購入者を何人か
                 ・確保しなければならないが、会員を入会させる 
                 ・と自分の下のランクの者からマージンが入った 
                 ・り、あるいは、購入するべき商品の値引率がア 
                 ・ップしたりする、という利益が受けられる仕組 
                 ・みのものです。 
                 ・会員がねずみ算式に増える形態をとっているこ 
                 ・とから、結局は必ず破綻するもので、この組織 
                 ・の上部にいる一部の者だけが儲かり、大部分の 
                 ・者は必ず損をする仕組みです。 
                 ・ また,紹介しやすい身近な友人などを販売の 
                 ・対象にするため,人間関係を悪化させることに 
                 ・なります。風呂水保温装置,健康食品,洗剤, 
                 ・化粧品などの販売も見られます。ねずみ講を見 
                 ・破る方法、この商法はねずみ講ではありません 
                 ・と絶対に言ったり、書いてあることなのです。 
                 ・つづいて次の演劇、キャッチセールスを演じても
                 ・らいます。ここは後で友達と感想を述べあうこと
                 ・になるので、見逃さないようにして下さい。 
                 ・では、お願いします。◆
                 ・
                 ・
                  
                 ・ ケース2 キヤッチセールス 
               彩花5万自殺
  
                 ・ 自殺をする、ビルの屋上からフェンスを乗り越
 ここ演劇する    ・えて、顔面蒼白のうら若い美女、そこにつきあっ
                ・ている営業のセールスマンがどうにか自殺を思い
                 ・とどまらせるように説得を始める。決めゼリフ「
                 ・飛び降りるのをやめるから、お金をちょうだい」
                 ・、「それしかないはずないわ...5万円ちょうだ
                 ・い」...「明日もここで待ってるわ」 
    彩花5万せしめる
 
        ◎ ・そんな彩花ちゃんになってしまったのは、こうい
                 ・うわけなのでした。 
                 ・ 
                 ・彩花ちゃんはスタイルもいいし、みんなから美少
                 ・女といわれ、自分もそう思っているらしく、いつ
                 ・ものとおり大宮に洋服を買いにいきました。そこ
                 ・でちょっと派手なイケイケの女のひとがアンケー
                 ・トをしたいと近づいてきます。◆ 
                 ・ 
                 ・ 
                 ・−彩花下手から、つづいてセールス上手から登場
  セールス     ・はーい、学生さんですか。簡単なアンケートに答
                 ・えてくれませんか。ちょっとだけでいいから。 
                 ・ 
  彩花         ・ええ、いいですよ。はい、大人ぽく見えるけど、
                 ・高校でたばかりです。 
                 ・    
                 ・ 
   セールス   ・年齢は 
    彩花     ・十八才です。 
    セールス  ・現在お住いは 
    彩花     ・ 栗橋です 
   セールス   ・美肌とかエステティックとか関心がありますか 
    彩花     ・ うーん、どちらかと言うと関心がない、かな 
    セールス ・ ニキビがありますか、または気になる方ですか 
                 ・  
     彩花    ・ええ、今気にしているんです。 
    セールス ・ そう、ちょっと直した方がいいかもね。 
                 ・だったら、美顔サービスって知ってる? 
                 ・ 
                 ・−セールス彩花を下から上へ視線を投げかける。
                 ・ 
   セールス   ・いま無料で美顔サービスをしてあげられるの。ど
                 ・うやってみない。すぐ終わるし誰でもキレイにな
                 ・りたいよね。友達に差をつけられたらいいよね。
                 ・さあ、事務所に行きましょう 
                 ・−セールスマコと彩花の手をとり壇上から下手に
                 ・退場 
                 ・ 
                 ・ナレーション(大山)..低い声で 
                 ・ 
       ◎ ・前からニキビが気になっていた彩花ちゃんはお姉
                 ・さんに連れられ5階建てのビルのなかに入ってい
                 ・きました。 ◆ 
                 ・ 
                 ・−2人の検査員が下手から登場 
                 ・−ややあって、セールスと彩花壇上へ手つなぎあ
                 ・って登場 
                 ・ 
    検査員   ・ いつのまにかセールスいなくなる。 
                 ・そして簡単な検査をインテリだろうが冷たい表情
                 ・をした検査員がする。 
                 ・最初は猫なで声でやさしく彩花に語りかける 
    検査員   ・若い人は肌がキレイですね。これから簡単な検査
                 ・をします。 
                 ・− 彩花座らされる 
                 ・でも、このニキビが気になりますね。このまま何
                 ・も手入れをしないと、こうなってしいますよ 
                 ・とスゴイ顔をしたサンプル写真を彩花に見せる。
  彩花泣く
                ・ 
     彩花   ・ えー、こうなったら、彩花こまっちゃうー 
                 ・はい、エステティックサロンの会員になります。
                 ・−彩花、ひとしきり泣いたあと、キッパリ、クレ
                 ・     ジット契約にサインをして 
     彩花    ・これ、クレジットっていうんですか。 
                 ・はいわかりました。 
                 ・ 
                 ・ −全員退場 
                ・ナレーション(大山)..普通の声で 
       ◎ ・彩花ちゃんはすっかり信じ込んでしまい、その場
                 ・でエステティックサロンの会員になってしまいま
                 ・した。契約書を家に帰ってよく見ると、50万円
                 ・のクレジットの契約をしたことになっていました
                 ・これでは、とうていこづかいでは払えそうありま
                 ・せん。 
                 ・−全員退場 
                 ・ 
                 ・ 
                 ・彩花ちゃんも、やはり、ひっかかってサラ金地獄
                 ・におちいってしまいました。 
                 ・..低い声で未婚であって、満で二十才までの未成
                 ・年者が、保護者、親に無断でなにかの契約したな
                 ・どの場合には、その契約をいつでも無条件に取消
                 ・すことができます。たとえば、皆さんが親に内緒
                 ・でしていたアルバイトの給料でオートバイを購入
                 ・したりパソコンを購入したりした場合、「おまえ
                 ・、いつのまに・・・」とあせった親は、皆さんの
                 ・締結した売買契約を取消すことができるのです。
                 ・     
                 ・ また、契約を締結した皆さん自身も契約をした
                 ・後になってじっくり考えてみたらやっぱりまずか
                 ・ったかな、と思ったときは、その契約を取消すこ
                 ・とができます。ただし、この取消権も契約の相手
                 ・方に「自分はもう成年者だよ」とか、「親の同意
                 ・はもらっているから大丈夫!」とか、契約書の親
                 ・権者の同意欄に勝手に署名捺印したような場合、
                 ・つまり、相手方をだました場合は、その契約を取
                 ・消すことはできませんので注意してください。民
                 ・法は、契約に際し、信義原則に則って誠実に行動
                 ・するように要求しているのです。 
                 ・ また、親から与えられた小遣いでした買い物も
                 ・取消権の対象にはなりませんので、注意してくだ
                 ・さい。 
                 ・ 彩花ちゃんは、サラ金地獄にドップリつかって
                 ・しまいました。そしてもう一人落とし穴にはまっ
                 ・てしまいそうな人がいます。◆ 
                 ・ 
                 ・−同級生静香下手から、つづいて彩花上手から登
                 ・場 
                 ・ 
   同級生 静香 ・ 今日は、映画を見に、大宮に来てみたけど、ど
                 ・っちの映画にしようかな。 シュリかシックスセ
                 ・ンスかダブルオーセブンかー 
                 ・ 
                 ・−−とあたりを見まわす。 
                 ・すると、手をふる、なにかあやしげな女性、実は
                 ・水商売が板についた彩花だった。 

 静香と彩花会う

     彩 花  ・ねー、静香ちゃんでしょ。 やあ、ひさしぶり 
                 ・だねー。あれから、卒業式からちょうど一年もた
                 ・っちゃたのね。 
                 ・ 
    静 香   ・ 今、何やってるの。何そのカッコウは。 
                 ・ 
                 ・−自信過剰な彩花は顔とスタイルをほめられた 
                 ・ とおおいなる勘違い。自信たっぷりに言う。 
    彩 花   ・ へへー 。実はエステをやって綺麗になったのは
                 ・いいんだけど。結局借金が手取り十二、三万円の
                 ・給料じゃ百万円のクレジットなんか返せないでし
                 ・ょ。そのために借りたら半年で200万円になっ
                 ・てしまったのが運のつき。サラ金から、やくざ金
                 ・融まで手を出して、とどのつまり金融会社の若い
                 ・ヤツにお水なんかいいぞ。蒸発するよりイイジャ
                 ・ンカ 電車に飛び込むより楽しい世界もあるよ  
                 ・ オレ紹介してやっからさ...て、まあお決まり
               ・の転落コースていうわけ 
                 ・...でも私...後悔してないよ。  
                 ・  −グスン (実は後悔している) 
   静 香     ・ 私、勤めている会社には、もうちょっと給料も
                 ・らってるよ 。それに休日出勤や残業手当もある
                 ・しー。エステていいな。 
                 ・ 
    彩 花   ・ えー。やっぱり綺麗になりたいんだ。 
                 ・だったら、今行っている所を紹介してあげるよ 
                 ・いいとこ、勤めてんだったら、すぐクレジットも
                 ・組めるし。あー足なんかすぐ細くなるよ。 
                 ・えーと、そー あの階段を登ってすぐよ。 
                 ・いこーいこー。 
                 ・ 
    静 香   ・ 私も彩花ちゃんのようにキレイになって、肌も 
                 ・すべすべになって、スタイルバッチリ、もてもて
                 ・なーんちゃって。へへー 
                 ・ 
                 ・ 
                 ・ 
                 ・ナレーション(大山)..低い声で 
                 ・ 
       ◎ ・足を細くしたい静香ちゃんは、今度は彩花ちゃん
                 ・に連れられ5階建てのビルのなかに入っていきま
                 ・した。 
                 ・ 
                 ・−静香と彩花 手つなぎあって退場 
                 ・ 
                 ・ 
                 ・ナレーション(大山) 
                 ・ 
                 ・今の寸劇がエステティックサロン、格安体験商法
                 ・とも呼ばれる悪質商法です。         
                 ・そもそも、格安体験とか無料体験だとかいうのは
                 ・おとりで、消費者の弱味につけこんで契約に取り
                 ・込んでいくのである。 
                 ・例えば、脱毛は中途半端なところまでしか、行わ
                 ・ず、これ以降は有料といい高額の請求をいう。 
                 ・また、テレビで宣伝しているからといって、悪質
                 ・な商法をしない会社であるとは限らないので、注
                 ・意が必要です。 
                 ・エステティクサロン、英会話教室、学習塾、家庭
                 ・教師派遣などの継続的サービスについても契約を
                 ・交わす、契約書に署名させて、クレジット契約を
                 ・消費者にさせる会社が多い。30万円とか50万
                 ・円の契約を一時に払える人は少ない。英会話のノ
                 ・バなどは、1ケ月20枚のクーポン券を買わせて
                 ・商売をしている。生徒に1時間いくらのクーポン
                 ・券をクレジットで買わせれば、会社としての儲け
                 ・は、クーポン券を買わせたときに利益が出ている
                 ・ことになるからだ。 
                 ・ 
                 ・またこれはキャッチセールスと呼ばれているもの
                 ・であり、セールスマンが街頭で歩いている人を呼
                 ・び止めて、営業所や喫茶店に連れ込み、そこであ
                 ・るいはその場(路上)で、勧誘行為が行われ、物
                 ・を買わせる商法の総称。被害者の大半が女性です
                 ・ キャッチセールスはあくまでもきっかけであっ
                 ・て、次のステップとして催眠商法だったり、絵画
                 ・英会話学校、化粧品、エステ、健康食品、和服、
                 ・宝石などいろいろある。結局はこのあとケース3
                 ・で演技するアポイントメント同様、長時間の勧誘
                 ・の上で契約させられることが多い。 
                 ・呼び止めるときは販売目的であることを告げず、
                 ・「アンケートに答えてください」「やせたいとは
                 ・思いませんか」「海外旅行に安く行ける特典会員
                 ・になりませんか」などいろいろある。 
                 ・ 知らない人から突然甘い話を持ち掛けられても
                 ・軽率に応じないようにしましょう。キャッチセー
                 ・ルスは訪問販売法が適用され,クーリング・オフ
                 ・ができます。 
                 ・  
                 ・    
                 ・( 割賦販売について ) 
                 ・ クレジットというのは、代金を分割して支払う
                 ・売買のことです。皆さんにとっては、現金を持っ
                 ・ていなくてもすぐに商品を手にいれることができ
                 ・て便利ですし、販売業者にとっては、皆さんに買
                 ・いやすくして売上を増加させることができます。
                 ・しかし、皆さんが無計画に買い物をして代金の支
                 ・払が出来なくなる危険もあります。そこで、業者
                 ・は、あらかじめ分割払い(クレジット)の利息を
                 ・高くしておいたり、代金の不払いの場合には商品
                 ・を回収したうえに違約金を取る旨の契約条項をお
                 ・いて、これに備えることになります。 
                 ・最後の演劇になりました。アポイント商法つまり
                 ・約束して被害者を呼出す方法の商法です。 
                 ・ではお願いします。◆ 
                 ・ 
                 ・ 
                 ・ 
                 ・ 
                 ・ 
                 ・ケース3 アポイント商法 
                 ・ 
                 ・ナレーション(大山)..低い声で 
       ◎ ・男の子が女の子から電話でデートに誘われました
                 ・ ◆ 
  電話の女の子 ・えーもしもし、彩の助君ですか。私よ。マコ。憶
 マコという     ・えている。キャー嬉しい。憶えててくれたんだ。
                 ・えーと今は埼玉県立大学にいってるのよね。優秀
                 ・ね。優秀な人とお話したいな。今、新宿にいるの
                 ・よ。日曜出勤でね、会社が早く終わって、ひまし
                 ・てるのよ。 埼京線で、すぐ来られるでしょ。 
                 ・ 
    彩の助   ・えーと、...はぁ アルタの前で赤い帽子ですか 
                 ・ 
                 ・ナレーション(大山)..低い声で 
       ◎ ・男なら、かわいい女から、電話でデートに誘われ
                 ・て、行かない方が珍しいのは物理の法則より理解
                 ・しやすい。彩の助君はやった逆ナンだと思い込み
                 ・イソイソと新宿まで出かけ、喫茶店でお話をする
               ・ことになりました。 ◆ 
  生徒3人座る

 生徒4人左ミドル

              ・ 
                 ・ 
                 ・−赤い帽子のマコマコの立っているところへ 
                 ・息せき切って、 彩の助登場。一緒に喫茶店に入
                 ・るが、したたかなマコは彩の助の腕をくむ 
                 ・ その形で上手から登場向い合って椅子に座る 
   
           彩之助
                
      マコ   ・ パソコンは知っている。 
     彩の助 ・ 欲しいと思っているんですけど。教えてくれる 
                 ・人がすぐそばにいないから、ちょっと買うまでに
                 ・は、なっていないというのが本音かな。 
       マコ ・ パソコンを手にして変ることのアンケートの結
                 ・果があるんだけど。ちょっと、聞いてね。 
                 ・新しい物事との出会いがある。90.4% 
                 ・世界中の情報が手に入るようになる。81.2%
     彩の助 ・そりゃースゴイですね。マコさん教えてくれるの
       マコ・ええ、モチロンよ。 
                 ・そして、日常の連絡はイーメールでやりとりする
                 ・ようになる72.5% 
    彩の助   ・マコさん。メールフレンドになってくれる。 
                 ・ マコさん、きっとイーメイルくれるよね。 
                 ・ 
     マ コ  ・ 彩の助君、イーメール 絶対するから。さあ私
                 ・の知っているお店にいきましょ。 
                 ・ 
               ・−マコと彩の助壇上から下手に退場 
                 ・−男性の先生2名が下手から登場 
                 ・ 椅子は横ならびに斜に置く。 
                 ・− そこにマコに連れられた彩の助が登場 
                 ・  彩の助パンフレットを見ている。 
    販売員   ・ 座って下さい。どのパソコンがいいですか。 
               ・いいものは高いんですよ。クレジットもあります
                 ・よ。月々2万円でいいんだからお買いになりませ
                 ・んか。 
    彩の助   ・−彩の助、首をかしげてオドオドする。 
    販売員   ・ドリャー、もうそろそろ買わんかい。オメーも、
                 ・ 男だろう。さっさとクレジット契約書に判こを
                 ・ 押さんかい。 ヒェー、50万円ですか。 
脅し

 
    彩の助 ・(小声で)高いな、押します。押しますから、 
                 ・殴らないで...下さい。 
                 ・へー.. 私もこのパソコンが欲しかったんです
                 ・ 
                 ・−カタログを見せられ、ついに契約をしてしまう
                 ・ 
                 ・
                 ・
ナレーション(大山)..低い声でアポイントメント商法 
◎  「あなたが選ばれた」「海外旅行に安く行ける方法がある」「話したいことがある」などと、あ
たかも何かの特典に当選したかのように述べ、業者の事務所や喫茶店に呼び出される手口。
勧誘行為は長時間にも及び、複数の販売員に囲まれ、消費者が根負けして契約してしまいがち。
実際は「会員権だとクレジットが組めないから」と、英会話教材などの高額な商品を買わされてしま
う。結局はそれを売りつけるのが目的だったりするが、ほとんど役に立たないものが多い。
 このケースはどちらかというと、デート商法と呼ばれているものだ。本質的にはアポイントメント 
商法と同じ。男性も女性もターゲットになりうる。外見のよい(であろう)勧誘員を使って、相手を
オトす。それに乗じて高額のモノを買わせる ターゲットが男性であれば、かわいい声の若い女性が、
明るい声で親しげに話しかけて「一度お会いしたい」「デートしたい」といって誘い出される。やっ
たー逆ナンだ!などとよろこんで会ったりしてはいけないのである。 また、ターゲットが女性であ
れば、ダンディーな声の男性から、アンケートに答えていただきたいなどといって喫茶店などで会う
約束をする。会えばこれまたステキなオトコで、約束どおりアンケートを終えた後、「君は着物が似
合う」といわれ、気付いたときには100万円もする着物を買っているかもしれない。人間外見だけ
に見とれて、失敗することは、オトコだろうがオンナだろうがよくあることだ。 アポイントメント
セールスは訪問販売法が適用され,クーリング・オフができます。
 
○ 悪質商法の被害にあってしまったとき
その1 すぐに契約を解除する(クーリング・オフ制度を利用する)
クーリング・オフ制度とは?
(1)クーリング・オフ制度のあるわけ
 民法では、いったん契約した場合にはこれを守らなければならないとし、一方的に契約をやめたり
することは、原則として認めていません。しかし、この民法の考え方は、契約の当事者が対等の関係
に立ち、お互いの情報や能力の差がないこと、よく考えたうえで契約がされていることなどを当然の
前提としています。
 ところが、現実の契約では、プロの業者と素人の消費者とが契約をするわけですから、情報に大き
な格差があります。商品の情報や取引内容の情報が不十分だと、消費者には適正な判断が難しいとい
えます。また、訪問販売などの不意打ち的な取引方法の場合には、よく考える余裕がないため、民法
が前提として想定している「きちんとした契約」からは随分離れているといえます。そこで、消費者
が適正な契約をすることができるようにクーリング・オフ制度が設けられました。
(2)クーリング・オフ制度の意味
 消費者がいったん申し込みや契約をした場合でも、契約の内容を明らかにした書面の交付を受けた
日から一定期間は、消費者に考える期間を与え、頭を冷やして考えた結果、必要がないとかとても支
払えないなどと思った場合には、消費者からの一方的にその取引を取りやめることができる制度です。
不意打ち的でよく考えることができなかった取引に、よく考えるチャンスを確保しようとする趣旨で
設けられた制度です。
(3)クーリング・オフ制度のあるもの
 クーリング・オフ制度には、
1.法律で設けられているもの、
2.業界の自主規制で設けられているもの、
3.個別の業者の約款で設けているもの
の3種類があります。法律で設けられていない場合でも、自主規制や約款で設けている場合には利用
できるので、よく契約書を確認してみましょう。
(4)クーリング・オフ期間・商品に注意
 クーリング・オフには、期間の制限があります。一般的には、契約書面交付の当日から計算して8
日目までが多く、利殖関連の複雑な取引では14日、マルチ商法などでは20日となっています。いずれ
にしても、契約内容の分かる書類を渡されたら内容をよく確認し、早まった!と思ったら、迷わず速
やかにクーリング・オフの手続きをとる必要があります。
(5)クーリング・オフは書面で
 クーリング・オフの通知は書面でしましょう。確実さを確保するためには内容証明郵便を利用する
と安心です。最低でも、簡易書留郵便で出し、出した手紙のコピーはとっておくべきです。
 このような方法を採るのは、クーリング・オフをしたことを客観的に明らかにして証拠を残すため
です。クーリング・オフは、消費者が通知を発信すれば契約はなかったものになる、という最も有効
な消費者の被害救済制度です。ところが、クーリング・オフ期間内にクーリング・オフがされたかど
うかをめぐって業者との間で争いになることが少なくありません。連絡を聞かなかった、連絡は期間
を過ぎてからだったなどで、水掛け論になるトラブルです。せっかくの解決手段も、こんな争いで紛
糾したのでは意味がありません。そこで、書面で行うことにより、いつクーリング・オフがされたか
を明確にしようというわけです。そのため、法律でも「クーリング・オフは書面で通知する」として
います。
 クーリング・オフの記載例を紹介いたします。 
   ┌────────────────────────────
  │      通 知 書                                      
                                                       
   │   一.私は貴社と締結した下の契約を解除します。                                                                   
   │      契約年月日  平成 ○年○月○日              
                                                       
   │      商品名 ○○○○                            
                                                       
   │   一.私が支払った代金○○円を至急返金してください。  
                                                       
   │   一.私が受け取った商品を貴社の費用でお引き取りください。                                                                                                        
   │   1999年○月○日                                
               
   │   埼玉県○○市××町○丁目○番○号                    
   │          (氏名) ○○○○                   
                                                         
   │ 
   │   東京都○○区××町○丁目○番○号                    
   │   株式会社 ○○○○                                                                                       
   │   代表取締役 ○○○○様                                                                                   
    ──────────────────────────── 
                                                  
 (6)内容証明の方法
内容証明郵便で送る場合には、用紙1枚に1行20字、26行の書式で作成する、というルールがありま
す(用紙は何でもいいが、ちょっと大きめの文房具屋に行くと、マスのついた専用の用紙が売ってい
る)。同じ文書を3通作り(1通を作って残りはコピーでいい)、業者あての封筒とともに本局扱い
の郵便局に持参し、書留を扱う窓口に提出します(封をしないで持っていく)。窓口では形式を点検
し、1通を業者に送付し、1通を郵便局で保管し、1通を差出人に返してくれます。これを保管して
おきます。
(7)クーリング・オフの効果
 通知は発信した時に効果が生じます。消印がクーリング・オフ期間内であれば有効で、業者に届く
のはその後でも構いません。効果が生ずるためには業者の同意は不用です。
 クーリング・オフにより、業者は消費者から受け取った金額を、速やかに全額返還しなければなり
ません。消費者に渡された商品がある場合には、業者のほうで、業者が費用を出して引き取る義務が
あります。
その2 専門家への相談、相談窓口
 クーリング・オフをしても業者がかまわず請求・要求を続けたり、クーリング・オフが利用できな
い場合などは、各地にある消費生活センターや、司法書士会、弁護士会といった専門家の窓口に相談
しましょう。
 クーリング・オフの仕方がよくわからない、といった自分一人では不安に思うときも迷わず相談し
た方がいいでしょう。
その3 クレジット契約の支払い停止
 業者が悪質で、クレジット会社に対して代金の請求をして、クレジット会社が業者に代金を支払い、
 立て替え払いをしたとしてその支払いを請求されては、いくらクーリング・オフができても(しても)
 意味がなくなってしまいます。
 支払いがクレジット契約の場合に、業者との間にトラブルが生じた場合は、被害を拡大させないた
 めに、とりあえずクレジット会社に対する支払いを停止することです。
 割賦販売法では、指定商品に関するクレジット契約について、業者との間でトラブルが生じた場合、
 トラブルが解決するまでの間、クレジット会社に対する支払いを停止できる権利を認めています。
 ですから、クーリング・オフをしたら、クレジット会社に対しては、トラブルが生じたこと(クー
 リング・オフしたこと)、トラブルが解決するまで支払いは停止することを通知したうえで、毎月の
 支払いを停止する手続きをとることです。
相談は埼玉司法書士会が行っております。法律の問題で困った時は
気軽に電話して下さい。
  さいたま市の県庁の前にあります。
  TEL.048-863-7861
 また司法書士による電話無料相談
 月曜〜金曜 13時〜16時 048-839-8560で行っております。
 長い間講演を聞いていただき、ありがとうございました。

 

 
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