こちらのサイトからの引用です。

http://members.aol.com/khoomii/

◆Khoomiiとは◆

 ホーミーは「岩山を吹き抜ける風の音」を真似る事が起源という10世紀頃から続くモンゴルの伝統的な発声法。

◆Khoomiiの発声法◆

1人で2つ以上の音を同時に発声、低い音は喉から絞り出す唸る様な音で高さを一定に保ちます。これが高い音へのベース音となります。

一方高い音は口の開け方や舌の位置を微妙に変化させ、ベース音を基に口腔内部で生成する共鳴音で、この音階を自由にコントロールします。

◆倍音◆

聴く人は後者の高音の旋律を耳で追う事になります。これを初めて聞くと不思議な音なのでかなりのカルチャーショックを受けます。でも原理は簡単で倍音を利用しているのです。

人間の発する音の中にはいろんな周波数成分が重なっていて(それゆえに声質に個人差が生じる)、この中の周波数が2倍となる倍音を取り出して強調・共鳴させれば良い訳です。名人になると笛の様な音色で自由に音階を制御出来る様になります。

◆分類と名称◆
 音楽的な音の組み合わせを示す和声分類はバグパイプと同じくドローンの一種です。バグパイプの場合も空気の抜けるパイプ穴(これをドローン管と呼ぶ)から一定の高さの音が連続して奏でます(通奏低音)。
 これを「喉歌」(ThroatSinging)と呼ぶ場合が有ります。各地に類似発声法が存在し、地域によって呼び名が異なるので、ホーミーを含めた総称です。ロシア連邦の各地、特にアルタイ周辺に同様な発声法が数多く?有ります。モンゴルではホーミー(khoomij,khoomii)と呼び、ロシアのトゥヴァ共和国ではホーメイ(khoomei)、ハカス自治州ではハイ(khai)、アルタイ地方ではカウイ(kay)と呼びます。喉歌はこれらの総称です。

◆Khoomiiの種類◆

 ホーミーには胸ホーミー、喉ホーミー、口ホーミー、ハリヘラホーミーの各種類が有ります。通常一般的に歌われるのは喉ホーミーです。このホームページの「ホーミー演奏」で歌っているホーミー種類も喉ホーミーです。口ホーミーはこの喉ホーミーに唇で拍子をつけたもの。胸ホーミーは共鳴させる場所が胸の中なので、喉ホーミーに比べこもった音になります。ハリヘラホーミーはチベット仏教でお教を唱える時の感じです。
 ホーミーは馬頭琴(モリンホール)を伴奏楽器として歌います。馬頭琴とは中国の胡弓の仲間で、リュート属の擦弦楽器に分類されます。弦が2本で棹の頂上部分に馬の頭部をかたどった飾りが付いた弦楽器で、チェロの様に足元に立てたり両足で挟んだりして弓で弾き演奏します。
 余談でありますが、このホーミーの音声には人間の耳には聞こえない20kHz以上の高調波成分が含まれ、聞く人の脳波をアルファー波に誘導する効果が有ります。

アルファー波状態とはリラックスした時の脳波で各人保有の潜在能力を引き出す効果も有ります。又、脳波がアルファー波になると人間が本来持っている自然治癒力と免疫力が向上します。即ち癒しの効果が有るのです。


◆ホーミーの理論◆

 「ホーミーの理論」とは随分大袈裟なタイトルですが、ここではホーミーを物理学的な観点から考察してみます。
 音は空気の振動です。

この振動数で音の高低を決定し、振幅が音の強弱を決定し、波形が音の音色を決定します。振動数は人間の耳では20KHzが一応限度とされ、CDではデジタルサンプリング周波数が44.1KHzなので22KHz以上の音は強制的にカットして記録されています。ホーミーにはこの人間の耳には聞こえない20KHz以上の音が豊富に含まれていると言われます。

 人間の声帯域は大体、男性の場合は40−400Hz、女性の場合は150−900Hzと言われています。ホーミーは喉からの直接音とこれをベースに生成する共鳴音の2種類を発声しますが、共鳴音の方は1つでなく、周波数スぺクトルで分析すると5KHzから20KHzの周波数範囲に2つ、3つ出ています。恐らく20KHz以上にも同様に出ている事でしょう。ただ出力レベルが半分以下なのでよほど耳の訓練されている人でないと聴き取れませんが。私(この解説を書かれた方のページ)のホーミー音声の場合スペクトル上では、上は11KHzまで確認出来ます。

この共鳴音はベースとなる喉からの直接音の1オクターブ上の音、すなわち倍音となります。この倍音を変化させ音階を作っていきます。女性の声は元来男性に比べ1オクターブ程度高く、一方上限は物理的に限られているのでホーミーは女性には不利です。

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実際に聞いて見たい方は下記URLをクリックし、「ホーミーの理論」ページまで調べにいって下さい。おもしろかったです。http://members.aol.com/khoomii/

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この周波数スぺクトル分析はWaveファイルではGoldWave(シェアウエア)、RealファイルではRealPlayerPlusG2(有料)で表示出来ます。このGoldWaveとRealPlayerPlusG2での周波数スペクトルを写真で紹介します。ここで使用している音声ファイルは「ホーミー発声方法」にある模範音声3(3音同時発声)です。

波形は低い方から
約200Hz、
約1800Hz、
約4200Hz
です。
左はWaveファイル
右はRealファイル

 

 標準音階の振動数(単位はHz)
  c4 ド  131
  c5 ド  262
     レ  294
     ミ  330
     ファ 349
     ソ  392
     ラ  440  基準音
     シ  494
  c6 ド  523
     レ  588
     ミ  660
     ファ 698
     ソ  784
     ラ  880
     シ  988
  c7 ド 1046
  c8 ド 2092
  c9 ド 4184