さくら道の話し


さくら道ネイチャーサイクリング
参加レポート



《おやじの憂い》
 4月25日が週間天気予報の表に加わってから、今日で6日目になるが、相変わらず今週末の天気はかんばしくない。さくら道ネイチャーサイクリングに参加することを決めたときは、どんなに雨が降っても走るつもりで、サイクル専用のレインウエアの購入まで考えていたのに、いざそのときが近づいてくると、天気予報の傘マークが気持ちを憂鬱にさせる。
 何とかもって欲しいという気持ちを抱き、当日の朝、郡上八幡からスタッフの車に同乗し一路名古屋へむかう。しかしスタート地点の名城公園に到着し、車を下りたトタンに、勢い良く雨が降り出す。
 走っている途中に降られるのは、あきらめるとしても、せめて雨の中のスタートだけは避けたい。祈るような気持ちで開会の時を待つ。


《おやじのネット仲間》
 いつのまにか小降りとなり雨もあがると、それを待っていたように参加者が集まってくる。私がこのホームページで大会案内を載せたために参加する羽目になった、Uさん、Oさん、Kさん、Hさんも次々と到着。ネットでの出会いは、始めて本人にお会いするときが一番楽しい。しかも文字のイメージと本人のイメージとのギャップが大きいほど楽しい。(逆に私もそのギャップがあった一人らしかったが。)
 Bikeを車から出して準備していると、私のパソ通のハンドルネームを呼ぶ声がする。びっくりして振り返ると、私をMTBのレースに引きずり込んだ張本人であり、乗鞍ではライバルであるMさんである。奥さんと共にわざわざ駆けつけてくれた。多謝。


《おやじのコブラと大蛇》
 2名ずつ2分間隔でスタートする。名古屋から岐阜市にかけては、信号も多く車も多いので、思うように走れない。Uさんと、Oさんのあとについて走るが、ふと二人の足元を見てびっくり、そこには2匹のコブラと大蛇がいた。
 名古屋から岐阜はあくまで、ルート上の消化コースといった感じで、車も多く快適には走れない。こういった道路では、車道が危険な場合迷わず、歩道にエスケープできるファットタイヤのバイクがうらやましい。
 岐阜市のチェックポイントからは、岐阜のサイクリストNさんも登場。

 

《おやじと向かい風》
 第3チェックポイントの美濃市から、Uさんのあとについて走るが、そのコブラが爆発。35km/h 前後でぐいぐいと前を引いていく。早くも疲れ気味の私はついていくのが精一杯。わずかな坂で離されたら、あとはズルズルと後退あるのみ。Uさんの姿はドンドン小さくなっていく。その後チェックポイントで追いつては、また離されるパターンを繰り返す。特に大和町から対岸の県道に入ってからは、強烈な向かい風を受けたが、Uさんは、軽めのギアをビデオの巻き戻しのようなきれいなペダリングで回し、少しぐらいの坂はそのままのペ−スで走っていく。Uさん曰く、”豊富な水量の長良川の景色と走りやすい道路のため気持ちよく走れた”とのことであったが、私の気持ちよく走るペースを遙かに上回っている。
 やはり、Uさんは羊の皮をかぶった狼だった。

 

《後ろ髪を引かれるおやじ》
 今夜外せない用がある私は、北濃のチェックポイントでUターンする。本日最大の山場である、ひるがの高原への登りをパスしたのは、決して逃げたわけではない。あくまで、”やむを得ず”である。その証拠に郡上八幡までの帰りは思いの外時間がかかってしまった。これは、後ろ髪を引かれる思いだったからで、決して疲れていたわけではない。


《おやじの今日の作戦》
 今日は、昨日のゴール遅い人からスタートする。ゴールしなかった私は、なぜか後ろの方に回される。さすがにひるがの高原の早朝はまだ肌寒いが、今日の天気予報は、待望の”晴れ”である。汗をかきながら五箇山の峠を登ることを期待してスタートをする。いきなり、心拍数を上げられないおやじは、ひたすらマイペースで走る。先日は、”中途半端なチェックポイントでの休憩が、かえって調子を崩すことになった”と、分析したおやじは今日は、休憩を短めにして走ることにする。記念写真ポイントである、御母衣ダムについたが、いつもならまだつぼみの荘川桜も、すっかり葉桜になってしまっていたのは少し残念だった。結局、ひるがのから、荘川桜〜白川郷までは、ソロで気ままに走る。途中、合掌造りの家をバックにKさんに写真を撮ってもらっているOさんや、Kさんの自転車仲間のHさんを追い越す。ママチャリで参加の母子も元気に走っている。

 

《おやじの判断ミス》
 白川郷からは、下梨の峠をにらんで人の後ろをついて走ることにする。最初はゆっくり目のペースだったが、そのペースにジレたUさんが一人飛び出す。誰一人追わないが、全体にペースがアップした。すると私の前を走っていた人が、前と少し距離が開き始めた。しかしその人はその前から、結構開いたり詰めたりしていたので、そのまま後ろについているとその差がジリジリと広くなってきた。今まで後ろについていて、先に行ってしまっては申し訳ないし、かといって人を引っ張って走る自信ないし...とか考えていると、後ろの人が飛び出して前を追っかけていった。また迷っている内に、ドンドン距離が離れていくので、前へでて引くことにする。しかし、時すでに遅く、もう二度と追いつくことはなかった。


《グランパーおやじ》
 上平の集落を過ぎると、いよいよ梨木の峠である。以前自動車で走った感じでは、距離的にもそんなに長くないし、特に急勾配でもない。この峠だけ上るには物足りないが、40kmほど走ってきた足には程良く楽しめる峠だと思っていたのだが...いざ走り出すと、思ったより勾配が強い。スタートとのときに、交換し忘れたと悔やんだ、T26のフリーギアであったが、なんのことはないしっかり使い切ってしまった。顔はシャカリキのテルのように、くしゃくしゃだったけどなぜか全然足が回らなかった。(#ただの練習不足とも言う)
 Uさんは、第9チェックポイントに、一番に到着し、みごとマイヨグランペールを獲得!


《寒さに震えるおやじ》
 五箇山トンネルは狭くて長く危険なので、緊張して走っていたが、地獄はその先に待っていた。やっとの思いで抜けた先は、真っ白な世界。なんと、雨と濃霧でほとんど前が見えない。ドピーカンの空を予想してたみんなは、薄着でみんな寒さに震えている。少しでも早く下りたいが、恐くて寒くてスピードが出せない。
 スタッフの車を止めて、スタッフジャンパーを上着のないものに提供するよう要請する。ウインドブレーカー一枚ぐらいはおったところで、焼け石に水。このまま、金沢まで降っていたら、勇気あるリタイヤの道を選択しようと真剣に考えた。
 最後のチェックポイントの福光に着いた。しかし一人だったら、絶対に道に迷っていた。雨のおかげでみんなのペースが落ちて、お陰でついていけた。その点では雨に感謝。
 道の駅福光では、みんな我先にうどんやコーヒーを飲んでいた。


《燃えつきたおやじ》
 金沢までは、10人ぐらいで走るが、みんな口数が少ない。冷えた体を少しでも温めようと、ドンドン先へ急ぐ。金沢に向けて最後のちょっとした坂道で、ようやく足が回りだし自分のペースで走ることができた。兼六園についたのが予定より早く、まだスタッフも到着していなかった。
 自分としては、かなり速いペースできたつもりだったが、最終の人との差はそんなになくて、程なく全員が無事ゴールした。
 しかし、自転車は楽しい。許されることなら、明日もあさってもずーっと走り続けていたい。


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