NECアベニューはご存知の通りPCエンジンの主力のソフト供給元だったが、いくつか周辺機器も発売している。その「いくつか」のほとんどがパッドである。この「アベニューパッド3」と「6」、赤外線方式の「コードレスマルチタップ」なんてのもあった。
この「アベニューパッド3」は、数あるPCエンジン用パッド(未公認サードパーティー含む)の中でも唯一の3ボタンという変な商品。初期以来のPCエンジンパッドは一貫して2ボタンで早い段階で連射機能が標準装備となっていたが、この3ボタンパッドはそれに一つボタンを追加してそれにも連射機能をつけた、というだけである。正直なところ大半のゲームはボタン2つで済むし、晩期に流行った格闘ゲームに対してはむしろボタン不足という、中途半端な商品である。
このパッドがどういう経緯で発売になったかは良く分からないのだが、この時期のアーケードのゲームに3ボタン仕様のものが増えてきたから…ということはありそう。ただし、この「アベニューパッド3」の発売時期前後には該当するようなものも見当たらず、いまいち狙いが分からない。IIIボタンにRUN機能を割り当てることが可能なので「ちょっとストップ」なんてときには役にたつような気もするが…… この「アベニューパッド3」はその後もしばらく単体発売されていたようで、ときたま中古屋でお目にかかることもある。その後NECアベニューは「ストリートファイターII’」(’93)に合わせて6ボタンの「アベニューパッド6」(’93)を発売、こちらはソフトの勢いを駆ってかなりの普及率を誇ることになる。