バトルパッド
ジャンル:ハードウェア
媒体:コントローラー
発売元:日本ソフト販売
発売:1989年4月28日
価格:2600円
商品番号:BT-BG1
◆独自デザインの異色ジョイパッド
発売もとの「日本ソフト販売」、ブランド名「ビッグ・クラブ」については「バトルタップ」の項目に書いたのでここでは省略。その「バトルタップ」と同時に発売されたのがこの「バトルパッド」だ。NEC-HEおよびNECアベニュー以外のサードパーティーからPCエンジン用のジョイパッドが発売されることはあまりなく(ホリ電子の未公認品は別として)、シュールド・ウェーブの「PCブラスター」と並んで貴重な存在である。
写真を見ればお分かりのようにかなり独特のデザインをとったパッドだ。カラーリングは真っ白ボディに青のボタン、全体に横長で薄く、微妙に湾曲している。そして十字キーとI・IIボタンの部分はへこみが設けられ、手にすると独特のフィット感がある。十字キーも角ばった部分をなるべく省いて指を痛めない設計だ。
連射スイッチはNEC純正品ではI・IIボタンの上部に置かれていたが、このパッドでは邪魔だからと潔く上部というか前方に配置された。左右にスライドさせることで連射速度を三段階に変更できるようになっている。
総じてかなりよく考えられたデザインになっていると賞賛していいだろう。NEC-HE純正のPCエンジンパッドはファミコンのものとほとんど違いがなく、平板なスタイルだから「手に優しい」とはおよそ言いがたかった。「バトルパッド」はそこを考慮して長時間の「バトル」にも対応できるようにこうしたデザインに到達したのではないかと思われる。
このデザインが先駆的であったことは、94年に登場したPCエンジン最後のパッド「アーケードパッド6」がこれと一見よく似たデザインになっていることからも裏付けられる(なお「アーケードパッド6」はPC-FXのパッドとほぼ同じデザインでもある)。ただし「アーケードパッド6」のような、パッド底面に「にぎり」の凹凸はまだ思いつかなかったようで、ただの平板な底面となっている。
独特のフィット感は確かに遊びやすいのだが、かなり薄めのボディであるため、普通のPCエンジンパッドに慣れていると「手ごたえがない」と感じる人もいるかもしれない。あと、白いボディは手垢が目立つし変色しやすいんだよね(汗)。
このバトルパッド(2600円)とバトルタップ(2400円)を同梱して割安価格で売った「バトルセット」(4680円)という商品もあったそうだが、いずれもどれほど市場に出回ったのか疑問である。
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