バトルタップ
ジャンル:ハードウェア
媒体:マルチタップ
発売元:日本ソフト販売
発売:1989年4月28日
価格:2400円
商品番号:BT-BG2
◆4人同時プレイを可能にするマルチタップ
PCエンジンは本体にはコントローラー端子を1つしか装備せず、そこにマルチタップをつないで複数のコントローラーを接続、多人数同時プレイという新しいゲームの遊び方を可能にした。本体と同時発売されたNEC-HE純正マルチタップは最大5つのコントローラーを接続できるようになっていたが、実際に5人も集まるケースは珍しいわけで、すぐにハドソンから接続コネクタを三つに絞った「JOY TAP」が発売されている。その後電波新聞社から「XE−2」という接続コネクタ2つのみという商品も出ているし、ずっと後になってシュールド・ウェーブから「ツインタップ」というやはりコネクタ2つのタップも出ていた。
そんな中で接続コネクタ4つという独特のデザインのマルチタップがこれ。発売もとの「日本ソフト販売」とは聞かない名前だが、実は「ビッグ・クラブ」のブランド名でPCエンジンに参入してゲームソフトも発売していたメーカーだ。
「ビッグ・クラブ」が発売したPCエンジンソフトとは「神武伝承YAKSA」(’89)と「ロック・オン」(’89)の2本だけ。ほかにもう一本「アームドF」(’90)の開発も行っていた。いずれもPCエンジンで当時主流のシューティングゲームであるが、その評価ははっきり言って芳しいものではなく、89年末には倒産してしまった模様だ(「アームドF」はパック・イン・ビデオから発売)。89年というとPCエンジンも上り調子だったころで、そこに勝負をかけて自社でゲームソフトだけでなくハードの販売まで手がけてしまったのだろうが、結局無理があったということなのだろう。
日本ソフト販売はこの「バトルタップ」と同時に独自仕様の「バトルパッド」も発売しており、この二つを同梱した「バトルセット」という商品も存在した。この時期多人数プレイ可能ゲームというと「モトローダー」(’89)「ダンジョンエクスプローラー」(’89)のヒットがあるので4人同時プレイに商機を見出そうとしたものと思われるが、コネクタ5つの純正品がある以上どれだけ売れたものか。味も素っ気もない純正品に比べると、このバトルタップは洗練されたデザインで僕は結構好きなのだが。
90年末にリリースされ多人数ゲームの定番としてブレイクする「ボンバーマン」(’90)発売まで生き残っていればなぁ…
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