DUO用バッテリーパック

ジャンル:ハードウェア
媒体:電源
発売元:NECホームエレクトロニクス
発売:1991年11月21日
価格:12800円
商品番号:PI-AD15


◆近くにコンセントがなくたって
 
 1991年秋、PCエンジンの生き残りを賭け事実上SCDマシンに特化したPCエンジン本体として発売された「DUO」は、他機種と違った幅広い遊びを提案しようとさまざまなオプション商品のラインナップを擁していていた。特に目立ったのが室内ではなくアウトドアでの利用をアピールした商品群で、「DUOモニター」「DUO用カーアダプタ」といった「お外でPCエンジン!」という珍ハードを生み出している。
 「DUO用カーアダプタ」は自動車のシガレットライターから電源を得るわけだが、それでは車から離れることが出来ない。それなら、とやや遅れて発売されたのがこの「DUO用バッテリーパック」だ。充電したバッテリーを利用して家庭用コンセントやシガレットライターから離れた場所でも一定時間「DUO」に電力を供給できる装置で、その発想は当時普及しつつあったノートパソコンにヒントを得たのではないかと思える。「DUO」が携帯性を重視して作ったと思える薄型デザインであることもその証左だ。

 この商品、現物は入手していないのだが、他サイトに出ている写真を参照すると、「DUO」の後部全体に合体する横長タイプのバッテリーであることがわかる。「DUO」のAV出力端子が左側面についているのは最初からこうした利用を考えてのことだったのだろう。廉価版後継機種である「DUO-R」ではAV出力端子は背面に回っており、バッテリーパックの接続はハナから切り捨てられている。

 そもそもこんなの売れなかったとしか思えないんだよねー(笑)。そもそも携帯型ゲーム機ならともかく、家庭のTVに映して遊ぶことを前提にしている家庭用ゲーム機をわざわざお外に持ち出して遊ぶという需要がどれほどあったのか。それをやるためには「DUOモニター」も購入していなければならないはずで、合計するととんでもない出費になってしまう。バブル末期のころとはいえムチャなラインナップだと思ってしまうところ。
 また、この「バッテリーパック」、実は単体では利用できない。これはただの「バッテリー」であり、充電装置は別売りになっているのだ。なんでそんなオオボケなことをしたんだろうと思うのだが、恐らく充電装置は市販のもので代用できるので、充電器をセットにして価格に響くよりはとバッテリーのみの単体売りをやったということのようだ。実際、NEC-HEは急速充電器とバッテリーパックをセットにした「DUO用バッテリーセット」という商品も発売している。そこらへん、いかにも家電屋的発想という気もする。
 

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