DUOモニター

ジャンル:ハードウェア
媒体:周辺機器
発売元:NECホームエレクトロニクス
発売:1991年9月21日
価格:79800円
商品番号:PI-LM1


外見◆お外でPCエンジン!の液晶モニター

 PCエンジンを代表する珍ハードの一つ。一見似た商品に「PCエンジンLT」があるが、あれはPCエンジン本体の一形態。こちらは単なる液晶モニターであり、これ単体でPCエンジンゲームが遊べるわけではないので注意しなければならない。裏返せば、別にPCエンジン専用というわけでもなく、ちょっと工夫すればAV出力のある映像機器全てに使える商品でもある。
 モニター部分は4.3インチのアクティブマトリクス方式のカラー液晶で、4インチサイズの「LT」よりやや大きめ。おかげで画面は非常にみやすいが、当時にあってカラー液晶はまだまだゼイタク品で、それが見事に価格に反映。なんとモニターだけに8万円もかかるというシロモノになってしまった。この値段なら小型テレビが楽勝で買えたと思う。

 「DUOモニター」という名が示すように、この商品は「PCエンジンDUO」のオプションとして同時発売されたもの。1991年秋に発売された「DUO」はPCエンジンを事実上「SUPER CD-ROM2マシン」に特化させたCD-ROMドライブ一体型マシンで、やや低迷していたPCエンジンを復活させるカンフル剤として市場に投入され、実際各種SCDソフトのよさもあってかなりの売り上げとなった。
 ところがどういうわけかこの「DUO」について、NEC-HEは「お外で(あるいは車内で)ゲーム」というアウトドア路線の商品戦略も狙っており、その方向でDUO専用バッテリーなどいくつかのオプション商品が発売された。「DUOモニター」もそうした戦略の一環で、TVがない場所にDUOを持ち出し、このモニターでプレイしてください、という狙いだったようだ。

収納状態 このDUOモニター、持ち運びがしやすいように、モニター部分を折りたたんでスライド収納できるようになっている(左図)。モニター部分を収納すると薄めのお弁当箱風のスタイルとなり持ち運びはかなり容易。「LT」と違ってPCエンジン本体機能がないぶん重量も軽めだ。
 後部にアンテナ収容部分があり、引き出すとかなり長いアンテナが伸び、TV(VHF・UHF)の受信も可能となる。モニター手前にチャンネルやVHF・UHFそしてPCEといったモードの切り替えスイッチ、音量や輝度調整、オートチャンネルサーチボタンなど操作部分があり、LTとほぼ同機能ではあるがこちらのほうがより洗練され使いやすい。もともとモニター機能に絞った商品だから当然ではあるのだけど。

 左側面にPCE/AV-IN端子があり、ここに付属のAVケーブルのピンジャック部分を差し込んでDUO等PCエンジンやAV機器から発信される画像と音声をとりこめる。もっともAV端子→ピンジャック端子の変換ケーブルであれば市販のもので代用が効く。実は筆者もこの商品をひょっこり中古屋で入手した際に専用ケーブルがついておらず、市販のもので代用している。
 
 電源は付属のものをコンセントにつないで使えるほか、単3電池4本でも動作可能になっている。またアウトドア商品であることを考慮したか、オプションとしてDUOモニター専用のカーアダプタがあったという情報もあるのだが、僕自身は未確認。DUOモニター用の「バッテリーパック」というものは入手している(右図)。説明書がないのでどう使うのか判然としないのだが、何かアダプタに接続してこのユニット内に6個搭載されている充電池に充電した上でDUOモニター内に組み込むという使い方だったと思われる。
 
 それにしてもDUO本体だけでも5万円はした上に、こんな高価なオプション品を買う人がどれだけいたものやら…この時期のNEC-HEのやたら攻撃的かつチャレンジャブルな商品展開戦略は単にバブル期だからというだけでは説明のつかない「社風」を感じてしまうのだが…


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