ファイティングコマンダーPC

ジャンル:ハードウェア
媒体:コントローラー
発売元:ホリ電機
発売:1993年6月10日
価格:2980円
商品番号:HPJ-07


商品外見◆格闘ブームに便乗した非公認6ボタンパッド

 1993年6月、当時大人気の格闘ゲーム、「ストリートファイターII’(ダッシュ)」がPCエンジンから発売された。当時の「ストII」人気といったら大変なもので、すでにスーパーファミコンで移植が出ていたにも関わらず、この「ダッシュ」(敵ボス四天王がプレイ可能)が他機種に先行してPCエンジンに移植されるとこの年春に電撃的に発表されたことでPCエンジン市場は異常に活気づいた。春のおもちゃショーでの公開は好評で、6月の発売に向けていくつもの関連機器が発売されることになった。廉価版「DUO」であるゲーム機本体「PCエンジンDUO-R」の発売もその一つだし、「ストII」のような格闘ゲームには必須の6ボタンパッドもNECアベニューから「アベニューパッド6」として発売されている。
 
 「ストII’」ブームに商機をみたホリ電機も、久々にPCエンジン専用のコントローラー(ただしNEC-HE非公認)を発売している。それがこの「ファイティングコマンダーPC」だ。すでにスーパーファミコン用に発売していたものとほぼ同じ形状で、ファミコン同様の十字キー、6ボタン、そのボタンそれぞれに連射スイッチがつき、2ボタン用にも切り替え可能、という構成になっている。
 同様の商品である「アベニューパッド6」と比較すると、やや横に長く、材質も軽い感じがする。PCエンジンの標準パッドの十字キーが円形の上に十字を乗せる形担っているのに対して枠も完全な十字になっており、斜め入力がやや入れにくいという人も出るかもしれない。アベニューパッド6は上面をビニール(?)をコーティングしていて長期間使うとそれがはがれてみっともなくなるのだが、こちらは最初からそんなものはなく、安心して使える。ただ強度はややアベニューパッド6に分があったかもしれない。

 アベニューパッド6と大きく異なる点は6ボタンすべてに連射機能を搭載したことだが、これが実際のところどれほど使う人がいたものか分からない。翌年にNEC-HEはPCエンジンの最終コントローラーとなる「アーケードパッド6」を発売するが、そこでも6ボタンすべてに連射スイッチがつくことになる。
 なお、ホリ電機は同時期にPCエンジン専用スティック「ファイティングスティックPC」も発売している。いかにこの時期「ストII’」で盛り上がっていたかがわかろうというものだ。


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