マイク

ジャンル:ハードウェア
媒体:周辺機器
発売元:NECホームエレクトロニクス
発売:1989年12月4日
価格:5500円
商品番号:MIC-30


スーパーPCエンジンファンより転載◆PCエンジンでカラオケを!

 見てのとおり、マイクである(さすがに入手していないので「スーパーPCエンジンFAN」に載った写真を転載)。特に何の変哲もなく、アンプにつないでカラオケを歌うためのマイク。NECホームエレクトロニクスから発売された、一応PCエンジン周辺機器の一つなのだが、別にこれでゲーム中に音声入力できるとかそんな機能はもっていない。
 この商品はPCエンジンCD−ROM2システムに接続できる音響機器「ROM2アンプ」(ロムロムアンプ)用に発売されたもの。アンプとセット売りにすればいいような気もするのだが(「ROM2アンプ」の宣伝用写真には必ずマイクがついていた)、価格を下げるためか別売となってしまっている。

 「ROM2アンプ」という珍商品についてはそちらの項目に詳しく書くことにしたいが、こんなものが出た背景にはPCエンジンCD-ROMを「家庭用カラオケ」にしようという販売戦略の存在がある。このころカラオケはすっかり庶民の娯楽として定着していたが、基本的にカラオケ店で楽しむものだ。それを家庭内に持ち込もうという戦略がこの時期いくつか試みられていて、家電メーカーであるNEC−HE、および音楽業界のNECアベニューとビクター音楽産業が手を組んでPCエンジンCD-ROM上でそれを実現しようとしていたわけだ。
 CD-ROM2システムには途中からCD−G機能(静止画表示機能)が組み込まれて一部のカラオケ用CDに対応していたし、CD-ROM2のカラオケソフトもNECアベニューとビクター音楽産業からそれぞれ5本ずつ、計10本も発売されている。ROM2アンプはこの戦略にハード側からアプローチしたもので、当然そこにはマイクがなければならなかった。

 しかし結果的にはこの戦略は見事にコケた。カラオケ人気は今だって相変わらずだが、自宅にカラオケルーム持ってる人はやっぱりそうそういないし、カラオケは友達と外のお店で遊んでナンボ、という気分も強く、今なお家庭用カラオケの普及度はそれほど高くはない。まして本来ゲーム機であるPCエンジンでカラオケを…と思うユーザーはあまりいなかったんじゃなかろうか。


迷い込んだ方はこちらから