PCブラスター

ジャンル:ハードウェア
媒体:コントローラー
発売元:シュールド・ウェーブ
発売:1992年6月23日
価格:2880円
商品番号:ACP-01


商品外見◆パソコン・メガドライブでも出ていた独自デザインパッド

 この「PCブラスター」は、NEC系以外から発売された数少ないNEC−HE公認PCエンジン専用パッドの一つ。他の例としてはビッグ・クラブ(日本ソフト販売)から出ていた「バトルパッド」しかないが、両者ともに発売元が間もなく倒産あるいは消息不明になり、短期間しか市場に出回らなかったという共通項がある。

 この「PCブラスター」の発売元はシュールド・ウェーブ。「タケル」のブランド名でも知られるこの会社については「ツインタップ」の項目でやや詳しく触れたのでここではカットしたい。パソコンのゲームソフト開発から始まってメガドライブやファミコンなどコンシューマーにも進出、PCエンジンにも参入して「ツインタップ」「PCブラスター」という二つの周辺機器を発売、さらに2本のゲームソフトを発売する予定もあったが結局立ち消えとなった、という経緯だけ触れておく。
 
 「PCブラスター」はシュールド・ウェーブがすでにパソコン用およびメガドライブ用に発売していた独自デザインのパッド「ブラスター」シリーズのPCエンジン版だ。メガドライブ用のものは「メガブラスター」と命名され、白と黒の2カラーが用意されていた。「PCブラスター」も「メガブラスター」と全く同じデザインで、接続部分とカラーリングだけが異なっている。
 パッドとして最大の特徴は3ボタンを採用していること。これはメガドライブが3ボタンパッドを標準としていたためと思われる。PCエンジンは2ボタンパッドが標準となっていたが91年にNECアベニューから3ボタンの「アベニューパッド3」が発売されていて、この「PCブラスター」はそれに続く例となる。機能面でも「PCブラスター」は「アベニューパッド3」と同等になっており、I〜IIIボタンに連射スイッチが割り当てられ、IIIボタンにRUNの役割を割り当てるとRUN連射でスローがかけられるようになっている。

 しかし「アベニューパッド3」にも言えることだが、PCエンジンでは3ボタンを有効に活かせるゲームがほとんど存在しなかった。「アベニューパッド3」同梱という売り方をされた「フォゴットンワールド」(’92)の例がある程度で、93年に入ると格闘ゲームの隆盛で一気に6ボタンパッドが標準となっていく。おかげで3ボタンパッドはゲーム市場そのものからあっという間に消滅してしまった。


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