アドベンチャークイズ・カプコンワールド ハテナの大冒険

ジャンル:クイズ
媒体:SUPER CD−ROM
発売元:ハドソン
発売:1992年6月12日
価格:6200円
商品番号:HCD2028

◆アーケードのクイズゲーム2本をカップリング

外見 この妙に長いタイトルは何なんだと思う人も多いだろう。このソフト、あのカプコンがゲームセンターでリリースした2つのクイズゲーム「カプコンワールド」「ハテナの大冒険」の2本をカップリングして一枚のCD−ROMに収録したものなのだ。なお、これがPCエンジンソフト中一番長いタイトルなのかというとそうでもなくて、「スーパーリアル麻雀スペシャル・ミキ・カスミ・ショウコの思い出より」というさらに上手のツワモノがいる(笑)。

 本作はハドソンからのリリースであるが、内容はカプコンが作ったものそのまんま。「カプコンワールド」の方ではカプコンのキャラクターがボス敵としてゾロゾロ出てくるし。なお、本作以前にもハドソンはカプコンのアーケードクイズゲーム「クイズ殿様の野望」(’92)も移植している。
 CD−ROMを入れてゲームを起動すると、まず「カプコンワールド」か「ハテナの大冒険」かどちらかを選択する画面になり、選択後はそれぞれのゲームのゲーセン版同様のデモが流れる(ご丁寧にランキング画面などもそのまんま)
 CD−ROMの大容量にものを言わせての2本収録だが、カップリングした理由の一つに2作とも良く似たコンセプトのクイズゲームであるということがあっただろう。どちらもサイコロを振って進むスゴロク形式で、止まったマスで決められたノルマの正解を出し、各エリアの最後でボスと対戦する、というほとんど同じ構造になっているのだ。あえて違いを見つければ、「ハテナの大冒険」の方がエリア数が若干多く、「ナゾナゾ」(トンチ系)問題ばかりが出題されるルートがある、といった点がある。2作別々にそれぞれ各ジャンル(両者で若干異なる)から3000問程度の問題が収録されている。もっとも問題にいくつかダブりがあるような気もするんだが。

◆知識と運頼みの大冒険

 「カプコンワールド」では主人公はさらわれたお姫様を救いに行く勇者が、なぜかカプコンキャラのボス達と戦っていくというRPGな設定。「ハテナの大冒険」は「天下一問答会」に出場するべくハテナという若者が修行を続けていくというどっかで聞いたような設定(実際、そのどっかで見たようなキャラばかりが登場する…パロディととるべきなんだろうな)

 先述のようにどちらも基本コンセプトは同じで、サイコロを振ってその数だけマスを進んでいくスゴロク形式。止まったマスで決められたノルマの正解を出せば先へ進め、誤答をしてしまうと「お手つき」がカウントされてゲームオーバーの危険にさらされるようになる。各マスでの正解ノルマ数は後半にいくにつれ次第に多くなってゆき、サイコロでなるべく大きな数を出して可能な限りマスに止まらずに進みたいところ。もちろんこればっかりは運だが、クリアしてみた限りではバランスは良く考えられた方だと思う。

ボス戦選択画面 文化・芸能・文学・歴史・科学・スポーツなどなど様々なジャンルから出題されている問題は、基本的に4択制でパッドの左・右・I・IIボタンを押して回答していくことになる。ラッキーにも2択・3択に減らしてもらえる場合もあり、また中には全く知らないジャンルの問題でもウソ三つが丸分かりのケースもあるので、必ずしも広い知識は必要ないだろう。もちろん雑学的知識があるに越したことは無いけど。今からすれば古いゲームなので当時の芸能ネタは少々辛いかも?
 ボス戦ではジャンルを選択する自由が与えられている。例えば筆者なんかはこういうとき「歴史」が選択肢にあれば(ランダムなので無い場合もある)確実にそれを選んで楽勝させてもらっていた。やはり得意ジャンルがあるに越したことは無い、とこのボス戦に関しては痛感する。

 先述したが「ハテナの大冒険」では、各エリアで「なぞなぞルート」が用意されている。このルートでは近道であることが多いが、途中に中ボスが待ち構えていてナゾナゾがらみの問題ばかり出してくるのだ。、別にここを通らなくてもいいのだが、知識よりもトンチ・ダジャレがものを言うナゾナゾの方が得意という人もいるだろう。考えようによってはこちらの方が有利とも言える。ただしそのナゾナゾには「そりゃーねーだろ!」と激怒必至のものも含まれているのでご注意を。


◆2人同時プレイも可能

 もとのゲーセン版がそうだったのだろうが、本作は2人同時プレイが可能。一人でプレイしていてももう一人の参加をうながす表示がずっと出ているあたりはゲーセンそのままの雰囲気だ。ただ、このゲームに関しては2人でプレイしてもさして面白くないんじゃないかなぁ。やはりCD−ROMを使ったクイズゲーム「IQパニック」は最大五人参加の多人数クイズゲームになっていてかなり面白かった覚えがあるから、いっそのこと大人数参加の形式にしてほしかった気もする。もちろんアーケードからそのまま移植の本作にそれを言っても仕方が無いだろうが。

 しかし一人でもこのスゴロククイズゲームは十分に面白い。外しても正解をちゃんと教えてくれるのでやりこめばやりこむほど知識が増え、人生が豊かになる(?)こと請け合い(笑)。CD−ROMだけに大量の問題があるから当分はその全てを制覇してしまう心配もないだろう。ゲーセンゲームだけあってちょっと気分転換にと手軽に遊べるところもポイントが高い。途中でゲームオーバーになっても、すぐに「もう一回最初から」とアタックする人もあまりいないだろうしね。


◎各誌評価

★PCエンジンFAN(ゲーム通信簿の読者投稿平均点。各項目は5点満点で総合30点満点)
キャラクター
音楽
お買い得
操作性
熱中度
オリジナリティ
総合
3.769
3.557
3.692
3.500
3.615
3.288
21.423
第278位

★小学館ハイパーカタログ(★★★★★で満点)
★★★

(勝)PCエンジン(発売前テスト版による10点満点での採点)
レビュアー
採点
岩崎啓真

ウォルフ中村

東千里

びいず羽岡


★ファミコン通信クロスレビュー(発売前テスト版による10点満点での採点)
レビュアー
総合評価
東府屋ファミ坊

アルツ鈴木

イザベラ永野

ローリング内沢




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