グラディウス 
ジャンル:シューティング
媒体:HuCARD(2M)
発売元:コナミ
発売:1991年11月15日
価格:6000円


◆問答無用の名作にしてコナミPCエンジン初ソフト

 「グラディウス」といえば、ある程度ゲーム史を知る人であれば説明の必要も無い超有名ゲームである。今なおPS2で最新作が発売されているほどの長寿シリーズで、「シューティング」というジャンルを代表するシリーズといっても差し支えないだろう。この第一作のゲームセンターお目見えは1985年と大昔のことであるが、コナミがこの「グラディウス」をPCエンジンで発売したのは1991年末とかなり遅い。コナミ自体がPCエンジンにかなりあとから参入したメーカーだったからなのだが(当時の雑誌を見るとこの時期の「コナミ参入」は業界・マスコミともにかなりの驚きをもって受け止められたことが分かる)、その参入の記念すべき第一作にすでに古典ともいえた「グラディウス」を持ってきたというあたり、コナミのこのシリーズに対する思い入れの深さを感じるところである。
 この「グラディウス」を皮切りに、コナミは続編「沙羅曼蛇」('91)「パロディウスだ!」('92)「出たな!ツインビー」('92)といった自社の名作シューティング群を次々にPCエンジンへ移植、遅ればせの参入ながら一気にPCエンジンの主力メーカーの地位をつかむ。そして大手の参入組としては珍しくCD-ROMゲーム開発にも乗りだし「スナッチャー」('92)「グラディウス2」('92)「ときめきメモリアル」('94)といったPCエンジンを代表する名作群を送り出すことになる。こうしてみると、PCエンジン版「グラディウス」はPCエンジン史における歴史的な価値もあるとも言えるのだ。

 さて、この「グラディウス」、先ほども書いたように発売時点ですでに「古典」と言える作品であっただけに、容量2MのHuCARDという、この時期のPCエンジンソフトとしては少々もの足りない感もある作りとなっている。ちょうど「SUPERCD-ROM2」も発売された時期で、HuCARDソフトは縮小の一途をたどりつつあったころだ。その時期に参入してあえてHuCARDでソフトを出したコナミだが、この「グラディウス」はじめ一連のシューティングソフトはHuCARDの良さを充分に引き出してくれた作品となっている。「2Mのカード」などとバカにせずにプレイしてみるとこれがなかなかの内容なのだ。

 僕はファミコン版「グラディウス」をかなりやりこんだ時期がある。このファミコン版はそれなりに良くできているのだがハード上の制約から大幅に省略を行っており、また処理落ちの物凄く激しいところもある。そんな「グラディウス」をやっていて(結局クリアできなかったんだけど)、このPCエンジン版を初めてプレイしたときは「これが本物なのか!」と衝撃に近い印象を持ったものだ(ただ原作のゲーセン版はやったことないんですけどね)
 とにかく画面が美しい。バックに流れる星だってさりげなく時間差をつけて流れ、立体感を出している。自機につくオプションはちゃんと四つまでつけられるし、つけてもほとんど処理落ちをしない(触手ステージなどは例外)。各面に待ち受ける巨大ボス「ビッグコア」も全く処理落ちせずにヒョイヒョイと動きまわる(おかげでファミコン版で覚えたリズムはブッ壊された)。ファミコン版では実現しなかった上下無限スクロールもバッチリ再現し、まるで印象の違うゲームと感じたものだ。

◆誰でも知ってる?多彩なるステージの数々を攻略!

 シューティングの舞台設定なんてほとんど誰も気にしてないと思うんだが…「グラディウス」にもいちおうバックストーリーがある。宇宙の侵略者・バクテリアン軍の侵攻に対してグラディウス軍の精鋭戦闘機・ビッグバイパーが迎え撃つ、といったところ。全8面構成(実は隠し面がもう一つある)で、各面のラストにボス前の難関があり、共通するボス・巨大戦艦「ビッグコア」が登場する。
 システムは色のついた敵を倒すと現れるパワーアップユニットを回収し、その数に応じて「スピードアップ」「ミサイル」「ダブル」「レーザー」「オプション」「シールド」が選択できるようになる。ただし上方向に撃てる「ダブル」と強力な貫通力の「レーザー」は同時装着不可。このあたりがこのゲームに戦略性を持たせているところで、プレイヤーごとの好みで装備を選ぶことになる。それぞれ一長一短なので絶対の必勝法が無いのも確か。オプションが四つまでつけられるので、これに関しては多いに越したことはない。
 またこのゲームはこちらの装備の善し悪しに応じてかなり露骨に難易度が変わるようになっているので(特にボス前とボス戦)、装備が弱くてもそこそこ進めるし、「復活」も可能なようになっている。この辺りがめげずに何度でも挑戦してしまう中毒性の原因にもなっているようだ。
 
「1面=火山ステージ」
 惑星の中を通っていくということらしいのだが、上下に地面のあるステージ。進行方向からはもちろん、上下の地面にテクテクと歩いてくるザコ敵や、バシバシ敵機を放ってくる要塞などもある。一面と言うことで難易度はパターンさえ覚えれば易しいものだが、問題なのはボス戦の前の火山。この火山が噴火し、画面全体に火山弾をまきちらすのだ。オプションをフル装備しレーザーをつけていれば火山の噴火口に直射しつづけることで難なく回避できるが、それが出来ないときは運あるのみ。画面左上方の地面すれすれにへばりつき、飛んでくる火山弾やり過ごすしかない。これ、微妙なもので絶対に避けられるわけでもないらしく、不運にも当たってしまうときもある。とにかくこの火山を生き延びたら、ただちに「ビッグコア」が登場、ボス戦となる。激しく動くビッグコアの放つ光線を避けながらその中央を撃ちまくり穴を開けてしまえばクリアである。

「2面=ストーンヘンジステージ」
 このステージは上下無限ループ。石で構成された要塞のあちこちから敵が撃ってくる。とにかく基本は「撃たれる前に撃て」。この面も途中は大したことはないが、ボス戦前に画面中に敵が出現してワラワラと襲ってくる場面があり、結構緊張する。普通に行けば装備がかなり強いはずなのでなんとか切り抜けられる(そうでないとかなりしんどい)。そしてそれが済むとまたビッグコアと一戦である。

「3面=モアイステージ」
 このシリーズの名物、「モアイ」だらけのステージである。モアイ群に飛び込む前に丸い敵機が機雷を巻きつつやってくる。少々硬めの敵なので装備が弱いとしんどいところ。その場合は適当にやり過ごす。そしてモアイコーナーへ突入だ。この面はどんなに高装備でも相当気をつけないと危ない。画面のあちこちにいるモアイがそれぞれに赤く丸い光線をビッグバイパーに向けてジャンジャン放ってくるので、レーザーをつけて一気になぎ払うのが基本だろう。けっこうしつこく撃ってくるので撃つばかりでなくよけるのも大切。レーザーでなくてもダブルとミサイルで上下のモアイの口に弾を撃ち込んで撃破しつつ進む手もある。
 モアイの群を抜けると、またも機雷。こちらの装備が良いと向こうもかなりの量が出てくるので、ひどいときには画面全体が敵だらけになる。そうなると激しく処理落ちのするのでリズムが合わず激突してしまうこともあるので注意。これも多数のオプションつけてレーザーで撃てば楽に抜けられる。

「4面=逆火山ステージ」
 1面と上下ひっくり返った形のステージ。基本的には1面と同じ体勢を取っていけば良いのだが、途中にある火山などが天地逆なので注意。装備などがしっかりしていれば割と簡単にボスの手前まで来るが、ここが結構難関。山が天井から二つ出ていて狭い上に、ザコ敵を吐き出してくる要塞が二つある。しかも四方に弾をばらまく敵機も複数地面をはねてるから、とっととその全てを事前に葬り去る必要がある。モタモタしていると少々複雑な動きをする敵機がワラワラとやってくるので急がねばならない。このボス前戦では「ダブル」を選択しておくのが無難。ここに関してはそこそこの装備がないとまず通過できない。ビッグコア戦も山が邪魔で気を抜くと危険。

「5面=化石のステージ」
 原作にはなかったPCエンジンオリジナル面。火山ステージなどと同様に上下に地面がある空間を抜けていくのだが、ところどころに巨大な恐竜(?)の骨の化石があり、これを撃つと骨の破片が周囲に散らばる。この破片にぶつかってもアウトなので、なるべく骨を撃たないのが望ましい(さらに言えば骨が飛び散ると処理落ちしやすい)。しかしそうも言ってられないものなので、レーザーで一気になぎはらう手もある。また、ところどころで恐竜の頭蓋骨が空中を飛んでヒトダマ(?)を吐いてくるので、これも注意が必要。
 ボス戦直前にはこの頭蓋骨がいっぱい出てきてかなり大変。しかも敵機も多く、骨も散らばってきたりするとかなりの難易度。個人的印象としてはむしろ高装備でないほうが敵の攻めがゆるいのでわざと少し前でやられておく…という手もある。

「6面=触手のステージ」
 「グラディウス」シリーズではモアイともども定番となる「脳みそつき触手」がワラワラと登場するステージ。このステージ、残念ながらPCエンジンの力を持ってしても盛大に処理落ちしてくれる(「沙羅曼蛇」「グラ2」でも触手表現はかなり辛い)。動きが遅くなるのは敵も自分もお互い様なのだが、やはりかなりストレスがたまるしミスをしやすいところもある。
 こうした処理上の都合もあってか、このステージは非常に単調で、その「脳みそつき触手」が次々と前方から現れ、弾を撃ってくるだけである。こちらの装備に合わせてくるので時に何匹もの敵が同時に画面内に入ってきてしんどくなる。倒し方は触手の真ん中にある赤い部分を打ち抜けば良いので、レーザーで撃ちまくるのが基本だろう。

「7面=特殊細胞のステージ」
 生物の内部を思わせる、細胞ステージ。アメーバ状の敵機(?)が特徴だ。このステージはかなり短く、そこそこの装備を備えていればアッという間に終わってしまう。

「8面=ゼロス要塞ステージ」
 いよいよ最終面。まるで映画「スターウォーズ」のようにビッグバイパーは巨大要塞の中へと突入していく。要塞内の少々狭い通路を通過していくのだが、上下から敵が現れて撃ってくるし、背後から急に出てくるのもいるのでかなり視野を広く持たねばならない。最終戦直前に巨大なワナが登場するが、事前に知っておけばそうアタフタすることはない。そのあとボス・ゴーファーと対戦だ!
 


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