すでに「前作」である「R−TYPE・I」のところで書いちゃっているように、本作は「II」と銘打っているものの実際にはアイレム開発のアーケードの原作「R−TYPE」の後半のみ(5〜8面)を収録したもの(なお、海外版ではちゃんと一枚のカードに収められているとのこと)。実際に存在する「R−TYPE2」とは何の関係も無い。「I」をクリア後に表示されるパスワードをプレイ開始時に打ち込むと、4面クリア時の装備を引き継ぐ形で「II」を開始できるという形になっている。もちろんパスワードを打ち込まずにプレイ開始も可能だが、その場合はまったく装備ゼロの状態で戦場に飛び込まねばならない。もっとも、かなり難易度が高くなってきている5面だから、どっちみちすぐにやられて装備ゼロからやらなきゃなんなくなるという見方もあるけど(笑)。
「I」のところでも書いたが、「R−TYPE」はPCエンジン最初のキラーソフトであり、その完成度の高さからアーケード系ゲームマニアの注目を集め、PCエンジンのハードの普及に大きな貢献をしたソフトだ。1987年の10月末にPCエンジンが発売され、キラーソフト発売がその約五ヶ月後とは、その後のゲーム戦国史をみると信じられないほどのんびりしたペースだったが、そのゲームの後半部分がさらに2ヶ月少々遅れたこの時期にようやく発売とは、当時のゲームマニアは辛抱づよかったのかも。
◆凶悪な難易度の後半戦
あくまで後半を収録したソフトなんで仕方ないんだけど、本作を単体のゲームとしてみた場合、その難易度はもはやムチャクチャと言っていい領域である。「I」のマニュアルに「II」の予告と共に「腕をみがいて待っていてくれ!」とあるのだが、ハンパなみがきかたではとても太刀打ち出来そうに無い(涙)。筆者は現時点で5面突破率4割程度、6面は序盤でお陀仏という状況なので、この「II」は半分もプレイしてないんだよな(涙)。起動後放って置くとゲーム画面のデモが出るのだが、7面なんかは見ているだけで「エスパーか、お前は!」と言いたくなるような動きを見せてくれる。あれ見ちゃうととてもじゃないけど私にはクリア出来るとは思えません。
パスワードを使わずに1面から通してこのゲームをやるなら後に本家アイレムから発売されたSCD版「R-TYPE conplete CD」(’91)がお薦めなのだが(こちらは無限コンティニューだし)、手軽に5面から始められるのも本作の魅力である。腕に覚えのある方にはこっちの方がいいんだろうな。
それにしても本作は初期PCエンジンソフトの中でやはり群を抜いたパワーを感じる。特にこの「II」では5面全体にわたってウネウネと登場するムカデのお化けみたいなモンスターの表現が出色だ。確かにまだ世間がファミコンしか知らなかった時代では強烈なインパクトがあったことだろう。この「R−TYPE」を皮切りに初期PCエンジンはアーケードからの移植STG・ACTがズラリというHuCARD黄金時代の幕を開けることになるのだ。
(追記)本作は2007年1月23日に任天堂「Wii」向けの「バーチャルコンソール」の一作として配信されている。キャラクター | 音楽 | お買い得 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
4.210 | 4.170 | 3.539 | 3.417 | 3.577 | 3.680 | 22.595 第155位 |
★★★★ |