アイドル花札ファンクラブ
ジャンル:テーブル
媒体:ROMカード
発売元:GAME EXPERESS(ハッカー)
発売日:1991年
価格:8900円

◆PCエンジン裏世界のはじまり


 ご存知の方も多いだろうが、本作は正規のPCエンジン商品ではない。そのためこのリストに加えたものかどうか迷ったのだが、「ハッカー」に代表されるアダルト系裏ソフトも確かにPCエンジン世界の無視できない一部をなしており、年表リストでは出さなかったものの(発売日不明のものが多いせいもある)こちらではとりあげておくことにした。
 ハードの主宰メーカーと契約を結ばず、勝手にソフトを製作販売する、それも本来主宰メーカーのチェックを通れないHな内容のゲームを出すというのはファミコン時代から見られたこと。それを「本業」のようにやっていたのがこの「ハッカー」だ。PCエンジンが普及してくるとこれ向けにもソフトを開発、なんだかんだで16本ものソフトを発売しPCエンジン市場の末期まで活動を続けた「影のメインメーカー」であったりする。まぁ末期のPCエンジンソフトは正規品の方がお色気度が高かった気もするが…。
 こうした裏商品はお色気が売りでゲームの出来はまるでダメ…という先入観があるが、この「ハッカー」の一連の商品は正直言って凄い。ジャンルは麻雀・パチスロといった定番からRPG、クイズ、格闘アクション(!)まで取り揃え、媒体も初期のHuCARDからSUPER CD-ROMまでちゃんと進化しており(専用の起動カードまで作っている!)ヘタな正規ソフトよりはずっと高い技術力を見せ付けてくれている。そのハッカーが最初にPCエンジン専用ソフトとして販売した記念すべき第一作(笑)がこの「アイドル花札ファンクラブ」であるわけだ。

 このソフトは写真でお分かりのように他のPCエンジンソフトとは全く異なる大型のケースを使用している。ファミコンの裏ソフトと同様に「裏」の異質さを出そうとしたのだろうが、この後のハッカーのPCエンジンソフトはいずれもCDケースに収めた正規品とさして変わらない外見に変更されていく。それもあってこのソフトはこのケースだけでコレクション価値があったりする(笑)。このソフトも再販時にはCDケースに変更されてるけどね。
 パッケージに「ゲームセンターそのまんま」と謳っているように、本作はゲームセンターの隅などに良く置いてある実在アイドルのそっくりさんが登場してお色気をふりまいてくれる実写系アダルトゲームの「移植」という性格が強い(実際にあるゲームを移植したのかどうかは確認していない)。登場アイドル(のそっくりさん)は見れば誰だかすぐ分かるはず。まぁ90年ごろ全盛期のアイドルのみなさんで計4人が登場している。画質は正直言って良くはないが、PCエンジンの色数で、しかもHuCARDでのグラフィックということを考えるとかなり頑張ったものだと思う。
 いまHuCARDと書いたが、このカードはハドソンには全く断り無く製造しているものだから厳密にはHuCARDではない(ナムコ商品もそうだな)。カードの裏には「maid in Taiwan」の表記が見受けられるように、一連のハッカー商品は実は台湾で製造されているのである。


◆基本はひたすら早く安く!

 で、ゲームで勝つとこうした可愛い娘ちゃんたちがバンバン脱いでくれるという定番の設定であるわけだが、本作は「花札」でそれが行われる。麻雀が圧倒的に多いこの手のジャンルだが「花札」というのはあまり見かけない。花札じたいアダルトな匂いが漂うゲームだが、少々込み入っていて麻雀ほど一般的でないせいかTVゲームになっていることは余りないみたい。書くいう私も花札はTVゲームはおろか本物でも遊んだことがない(汚れない青春時代を送ってしまったってことでしょうか)。そんなわけでこのゲームに立ち向かうのは少々腰が引けていた。

花札ファンクラブ ケースに入っている説明書だが、冊子状ではなくただの一枚の紙。そこにはルールの説明などはほとんどなく、花札の役の一覧が絵入りで載っている。まぁプレイヤーが花札を知っているのが前提なんだろうけどね〜。おかげさんでプレイ開始しばらく後まで何をしていいんだか分からない状態がずっと続いた。
 それでもゴチャゴチャとやっているうちにルールらしきものが理解できてきた。要するに絵合わせでカードを集めて役をつくる、麻雀とトランプのあいのこみたいなゲームなわけですな。で、分かってくると今度は役がなかなか作れず苦しむことに。相手がポンポンと役を作って上がっていくのをただ眺めているような状態が続く。勝てるようになって来たのは三十回ぐらいやったあとだったかな(笑)。要は「早く安く上がれ」である。しばらくやってみて分かったのだが、このゲームの相手側のプログラムはなるべく高い点を稼いで上がろうとする傾向があるようで、こちらは安くてもいいから早く上がってしまえば先へ進める(相手が脱いでいく)ことになるのだ。何点で上がろうと3回勝利すれば1人クリア、その次の相手ではまた0点から始まるのでハッキリ言って高得点狙いは無意味である。この辺は脱衣麻雀ゲームとおんなじですね。
 なお、負けるとやはり一段階前に戻されるつくりになっており、持ち点が無くなった場合のコンティニューは2回まで。ゲームオーバーになるとご丁寧に高得点ランキングに名前を入力できるようにもなっている。このあたりが「ゲームセンターそのまんま」なんだろうな。

 さてこの手のアーケード系脱衣ゲームには必ず真剣勝負ではない反則技が用意されているものだ。本作もご多分に漏れず反則技がいくつか用意されている。ゲームを進めているうちに技ポイントがたまってゆき、それを使って試合開始前に反則技のカードを購入しておく。カードには相手の札や山の札が透視できるものやカードの交換ができるもの、果ては相手があがりそうになったらそれを一気にチャラにしてしまうという最強カードまでがある。まぁもともとルールを良く知らない僕などにはどれもさして役に立たなかったのだが、最強のカードだけは初クリア直前に相手が大役で上がりそうになった際に使用させてもらっている。このカード出すとわざわざ全画面グラフィック(「緑毛亀」ってやつだと思う)まで出してくれるんだよな。


◆さて肝心の(笑)露出度は…

 「アダルト系裏ソフト」ということでさぞかし過激な画像が拝めるのだろうと期待に胸を膨らませるゲーマーも多いだろうが、この「ハッカー」作品っていずれも案外ソフトな造りで、あくまで「お色気」程度のノリなんだよね。この初期の作品も予想通りで、下着姿に胸の露出があるという程度。まぁ顔が実在アイドルだからそれなりに興奮を呼ぶところもあろうが。ポーズはまぁまぁといったところかな。
 登場キャラ4人、一人につき4枚の画像が用意されており、「登場」→「初敗北」→「下着姿」→「上半身裸」のいった具合に見ることが出来る。表示されるときはTV画面いっぱいにバストアップが映されるが、実はこれTV画面二枚分の全身画像の一部でしかない。全員をクリアすると最後のキャラが「じゃあみんな集まって〜」と言い出し、全員の全ての画像(計12枚)の全体をスクロール付きで鑑賞させてくれる。スクロール時にRUNを押すと一時停止まで出来るという親切ぶり。HuCARDでスクロール2画面グラフィックというのは珍しかったんじゃないかなぁ。この第一作からハッカーはその技術力の高さをしめしていたような気もしますな。


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