AVポーカーワールドギャンブラー
ジャンル:テーブル
媒体:ROMカード
発売元:GAME EXPERESS(ハッカー・インターナショナル)
発売日:1992年
価格:9800円
◆ハッカー定番の脱衣ギャンブルゲーム
見た目の通りのそのまんま、ハッカー定番の脱衣ギャンブルゲームの一本。要するにゲームに勝つと女の子が脱いでいく、というアレである。この手ので一番多いのが麻雀を素材にしたものだが、パチスロや花札、そしてトランプといった他のギャンブルゲームも脱衣と組み合わされてビデオゲーム化されている。本作はタイトルにあるようにトランプゲームの一つ、ポーカーが素材となっている。
発売元はPCエンジン世界の影のメインメーカー(笑)だった「GAME EXPRESS」こと「ハッカー・インターナショナル」。もちろん非公認ソフトで媒体は「Huカード」ならぬ台湾製「ROMカード」ある。
電源を入れると表示されるオープニングはラスベガスを思わせるネオン輝く夜景で、軽くアニメーションもして意外と綺麗。しばらく待つと「NORMAL」「SPECIAL」の文字が表示され、どちらかのモードを選ぶことになる。「NORMAL」は純粋にポーカーゲームを楽しむモード、そして「SPECIAL」はこのゲームのメインである勝ち抜き脱衣戦モードだ。この「SPECIAL」モードでは日本、香港、アメリカなど世界四カ国にいる美女達を相手にポーカーをしてゆき、それぞれ一定の金額を稼ぐと彼女たちの脱衣グラフィックが拝める、という定番のもの。
どちらのモードに入ってもゲーム画面は全く同じ。トランプゲームということもあって実にシンプル、というかトランプ画像とアルファベットの文字だけのほとんど手抜きとしか思えない画面構成だ。同封の解説書も不親切なので何をどうしたらいいのか最初はかなり戸惑う。
Iボタンを押すと「BET」つまり賭け金の額が設定されていく。最初の持ち金は999で、賭け金は一回あたり1〜50までの幅で設定できる。賭け金を高くすればそれだけ勝った時の見返りも大きいが、スってしまえば当然早く持ち金が無くなってしまう。そのあたりのアンバイを考えて賭け金を設定して…と言いたいところだが、このゲームに関しては毎回賭け金は最大の50で行くべき。チマチマ賭けてるといつまで経っても終わらない恐れが大なのだ。
このソフトがテーマにしているトランプゲーム「ポーカー」については皆さんご存知だろうが、掛け金を積んでゲームを始めると五枚のトランプが配られ、そこから任意のカードを残したり交換したりして「役」を作るというのは実際のポーカーと全く同じだ。なお、この「AVポーカー」では「1ペア」は役として認められず、「2ペア」以上を作る必要がある。
このゲーム、脱衣麻雀とは異なり「対戦相手」が存在しないため(「SPECIAL」モードでも女の子はディーラーであって対戦相手ではない)、とりあえず2ペア以上の役が出来ると一応の「勝利」になってしまう。それぞれの役には規定の点数が決まっていて、当然難度の高い役ほど高得点がもらえる。しかしよほどの役を作らない限りもらえる金額は雀の涙だ。
◆一人トランプは空しいぞ(笑)
実際のところこのゲームのギャンブル性は「役」の賞金を金額倍増に賭ける「ダブル」のほうにある。「ダブル」とは裏になっているトランプ一枚に書かれた数字が「7」よりも大きいか小さいかを当てるもので、当たれば賞金倍増、はずれれば賞金がフイになるという二者択一ゲームだ(「7」が出た場合はやり直し)。はずれない限り何度でも繰り返せるので、二度当てれば4倍、三度当てれば8倍、四度当てれば16倍とまさに倍倍ゲームで賞金を増やせる。ただし一度でもはずせばそこで賞金は全部パアになってしまうので(倍額分も消滅する) 、「ダブル」を続けるかどうかは悩むところ。的中確率は2分の1だから2回連続で当たる可能性は結構あり、そのぐらいならはずした場合の損害もそう大きくないから2度ぐらいは試してみたくもなるだろう。フラッシュやストレートなど高得点の役を作った場合でもやはり一回はチャレンジしてみるべきだと思う。というか、そうでもしないとなかなか終わらないんだよね、このゲーム。
この手の脱衣系ゲームにはお約束ともいえる(特にハッカーのゲームには多く見られる)「ずるアイテム」はこのゲームにも存在する。役を作ったとき、画面上下で点滅するランプの色がそろうとスペシャルスロット画面に移動でき、スロットの絵柄をそろえるとその絵柄に応じたスペシャルカードを手にすることが出来るのだ。このスロットだが、適当に押してもかなりの確率で絵柄がそろうように出来ていてそんなに苦労はしないはず(だが急に全くそろわなくなったりもするんだよな)。
スペシャルカードは最初に配られるカードがまるでダメの時それを無効に出来る「パス」、カード交換後にもう一度だけ再交換できる「コウカン」、そして「ダブル」の際にめくるカードの数字を透視できる「トウシ」の三つがある。なんといっても貴重なのは「スルー」だが、なかなかもらえない上に一度しか使えないから「ダブル」の賭け3度目ぐらいの「ここぞ」というところで使いたいところ。他の二つは正直なところあまり有難みは無い。またスロットである絵柄をそろえると「ワンモアチャンス」というのがあってもう一度スロットを回せるのだが、これはそれこそ無意味だ。
脱衣麻雀にもあることだが、このゲームもランダムに「強運モード」に突入するつくりになっているようだ。僕もこのゲームを最初にプレイした時、やたらにストレートやフラッシュがスイスイ出来てスペシャルカードのスロットもアッサリそろったりするので「なんだ、甘い作りだなぁ」などと思ったものだが(それでも「ダブル」だけはなかなか当たらなかったが)、しばらくやっていたら急に役がまったくそろわなくなり、あっさりと金額ゼロに追い込まれてしまった。役がまったくそろわなくなると、ただただ空しいゲームなので(笑)、このへん、バランスをもっと考えるべきではなかったか。
そもそも「ポーカーフェイス」という言葉もあるように、「ポーカー」とは本来対戦相手との「腹の探り合い」が魅力のはず。ところがこのゲームの「ポーカー」は全くの一人遊びとなっており、ポーカー自体の面白さはほとんど感じられないと言っていい。ほとんど「ダブル」の数当てゲームに熱中してしまう形になるんじゃないかと(笑)。
じゃあ脱衣麻雀のように女の子が対戦相手として登場し、腹の探りあいをするポーカーゲームにすればよかったかというとそれも疑問だ。PCエンジンの後継機PC−FXで出てしまった「ときめきカードパラダイス・恋のロイヤルストレートフラッシュ」(’95)という珍作はトランプゲームで女の子と対戦し脱衣をさせるものだったのだが、その対戦ポーカーがちっとも面白くなかったのだ(恐ろしいことに一対一の「ババ抜き」もあった…想像できるだろうがゲームになってなかった)。あれならこの「AVポーカー」のほうがよっぽど面白かったと思うぐらいで。やはりトランプゲームは根本的にTVゲーム向きではないのかもしれない。
最後に「肝心」の脱衣について(笑)。
カードソフトということで当然ながら脱衣アニメが出るわけもなく、実写系の一枚絵が女の子一人につき3枚程度用意され、だんだんに露出度があがっていくというタイプだ。ハッカーのソフト全般に言えることだが、非公認ソフトとはいえ特に過激というわけでもなく「ちょっとH」という程度のものだ。しかし「AV」とタイトルには書いてあるけど、日本ステージで出てくるのはAV女優ではなくどっかで見たようなアイドル(当時)のソックリさんなのだが…(笑)。
マニュアルには恐らくエンディング画面であろう、美女四人に囲まれてウハウハ状態の男が描かれた画面写真が出ているが、そこまで到達するのはよほどの根性がいるかと。コンティニューは無限に出来るようなのでクリアした人もいるかもしれないが…
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