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投稿時間:2002/07/15(Mon) 23:28
投稿者名:Will
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アシモフの示した新しい文明の姿
検索でたどってきたらここについてしまった、この前<ファウンデーション>三部作を読み終わった者です。

  いやー、ファウンデーションシリーズ、むちゃくちゃ面白かったですね。古本で買ったんですけど、あんなに面白いものが安価に手に入る日本は良い所だ。

 三部作を読み終わった感想は、アシモフのストーリー運びの絶妙さや世界観の緻密さ各キャラクタの個性など、小説としての面白さも去ることながら、アシモフの哲学、アシモフのめざした(と、僕が考える)ものに感銘しました。

 この小説は、アシモフの、自然科学史も含む歴史観ひいては人類観がよく描かれている作品ではないでしょうか?そこには、かつて偉大な歴史家であるアーノルド・トインビー博士の唱えた文明論、いわゆる文明の発生、発展そして消滅という思想が盛り込まれていると思いますが(詳しくはA・トインビー著「歴史の研究」を読んでください)。現在存在する文明(第一銀河帝国)が、様々な環境要因(たとえば、単一の文明という、多様性の無さ、もしくは自らを支えることが出来ないほど巨大化してしまったことなど?)の挑戦に負け、衰退していくわけですが、そこでその流れを知ることの出来た唯一の人物、ハリ・セルダンはそれに変わる文明の創出基盤となるファウンデーションを創り上げるわけです。ここで、新たな文明の基盤となるべきものはなにか?と云うことが問題になるわけです。

 前置きがすっごく長くなってしまいましたが、僕の見解では、第一ファウンデーションと第二ファウンデーションというのは、文明創出の基盤を作り出すところ(文字どうり、ファウンデーション)であり、第一ファウンデーションがそのまま第二銀河帝国に発展するかしないかは別問題。その使命は、物理世界の究極的な発展にあると、僕は考えました。そして第二ファウンデーションの使命は?といえば、精神世界の究極的な発達にある。では、新しい文明、すなわち第二銀河帝国の置かれるべき基盤は? それは、物理世界と精神世界の融合であると結論できるのではないでしょうか。

 このような文明の遷移を、アシモフはファウンデーションシリーズで訴えていたのだと僕は考えます。この視点は、現在の我々の世界にも当てはまると思います。ここで文明批評を繰り広げると、長くなりすぎてしまうので、やめておきますが、このような視点でみると、ファウンデーション三部作は、文明批評の作品であると同時に、新たな文明を示唆した哲学書的な面もあるといえると思います。

 長々と書いてしまいましたが、結論は、「アシモフはすごい」の一言につきます。何かご意見、ご感想がありましたら、ぜひレスポンスください。お願いします。
(2000年05月11日 木曜日 17時21分22秒投稿)

投稿時間:2002/07/15(Mon) 23:30
投稿者名:徹夜城(第一発言者)
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タイトル:
ファウンデーションの文明論
>Willさん。
はじめまして。管理人やってる徹夜城です。
このツリー型掲示板に久々に書き込みがあって嬉しいです(管理人が盛り上げないといけないんですけどねぇ)。

「ファウンデーション三部作」を読み終えてのご感想、拝読しました。大変興味深いご考察だと思います。
第一ファウンデーション=物質的科学文明、第二ファウンデーション=精神的文明という解釈は結構あるようです。SFには宿命として現在より発達した物質文明を描く一方で、それへのアンチテーゼ(文明批判)として精神性を描くという手法があるわけですが、アシモフはそこを彼なりに具体的に示したんじゃないかと思っています。

このHPのアシモフ未来史年表を観るとわかりますが、アシモフ未来史は「ファウンデーション三部作」の続編および前編を書いたことでより大きく広がりました。間に30年のブランクがあったことで、アシモフ自身の構想も社会状況に合わせてかなり変化したようにも思います。
まだそちらを未読とすればネタバレ注意なんですけど「ファウンデーション」の第一・第二を越えたより壮大な試みが登場しますよ。「三部作」以前のストーリーを読むと「セルダン・プラン」のまた違った意味が浮かび上がってきます。
ぜひ、アシモフ未来史を通してお読みください。(^^)
(2000年05月14日 日曜日 09時57分01秒投稿)