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投稿時間:2004/07/04(Sun) 14:53
投稿者名:いずみたかし(徹夜城により転載)
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エブリング ミス博士に関する疑問
ファウンデーションシリーズに詳しい方。エブリング ミス博士のことで小説の矛盾があることでいかが思われるかレスください。ミュールと対決した第一発言者達によると、彼がベイタ ダレルによって殺害されたことは「まったくの偶発な出来事」らしいのですが、次の世代の第一発言者プリーム パルバーによると「あらかじめ手配されていた」ことだと書かれています。私の読みちがいでしょうか。書籍は創元SF文庫版によります。早川版は読んでません。

投稿時間:2004/07/04(Sun) 20:11
投稿者名:徹夜城(第一発言者)
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URL :http://www2s.biglobe.ne.jp/~tetuya/MS/asimov.html
タイトル:
Re: エブリング ミス博士に関する疑問
ご質問を見て読み返してみました。
実は僕も以前からこの点はひっかかってまして…ハヤカワSF文庫版で読み返してみましたが、やはり創元版と同じでした(当たり前だけど)。
「ミュールによる探索」で出てくる「第一発言者」はベイタ=ダレルによるエブリング=ミス殺害について「我々のエージェントによると殺したのは女だという」という程度の情報しか口にしません。ところが「ファウンデーションによる探索」での「第一発言者」プリーム=パルヴァーは「ミュールの能力を知った時点でベイタ=ダレルに工作を行った」という主旨のことを言っています。
さて、この問題はどう解決すればよいのか…ぶっちゃけた話アシモフのミスだと思うんですが(実に珍しいことですが)、ここは「未来史研究」風に推理してみましょうかね。

どうもプリーム=パルヴァーの言ってることが真相のようにも思えてきますね。ミュールと対決した「第一発言者」は直接的表現をあまり使ってませんし。
それと、続編「ファウンデーションの彼方へ」以降で語られた設定ではミュールは「ガイア」の出身であり、その育ちについての描写がやや変化しております。その辺も考慮に絡める必要があるかも。
…と言いつつ、読み返してみないとなぁ…(汗) 

投稿時間:2004/07/07(Wed) 01:37
投稿者名:いずみ たかし
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アシモフとシマック
レスどうも。そうですね。徹夜城さんの引用の箇所のちょっと前「その殺害に至った成り行きは,,,まったく偶発的なものだった。」(創元版)とあります。これも考えようによっては第二以下の発言者達にも隠された工作だといえないでしょうか?いえないなぁ...苦しい弁護ですね。そんな矛盾はまだありそうです。私がアシモフをなじることはありません。なぜならすぐれた創作というものは息をもつめるような勢いで書かなければ物語のスピード感と緊張感が生かせないからだと思うのです。
 ところでファウンデーション新三部作について、訳者がSF作家シマックの感性に影響(または感化)されてるようだとありましたが、私も偶然、古本屋でシマックの作品を買って読んでいたのでびっくりしました(だってめっきり読書はしなくなっていたので)。本当です。とても牧歌的で心やさしいイメージのSFなんですが、惑星ガイアの民衆といい「ファウンデーションと地球」でも、あの雌雄同体のキャラクターが登場する「ファウンデーション」のイメージは どこかシマック的旅情がただよっていました。

投稿時間:2004/07/07(Wed) 23:32
投稿者名:徹夜城(第一発言者)
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URL :http://www2s.biglobe.ne.jp/~tetuya/MS/asimov.html
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Re: アシモフとシマック
> ところでファウンデーション新三部作について、訳者がSF作家シマックの感性に影響(または感化)されてるようだとありましたが、私も偶然、古本屋でシマックの作品を買って読んでいたのでびっくりしました(だってめっきり読書はしなくなっていたので)。本当です。

 アシモフとシマックの関係ですが「新三部作」ではなくて「ファウンデーションと地球」の解説(確か牧眞司さん)に書かれていた話ではなかったかと。文庫本ではなく最初に出た単行本のやつですね。
 アシモフ作品は現実的かつ実に硬質なストーリーを特徴としているのでシマックとの類似性など思いもつかなかったけど「ファウンデーションと地球」のラストにシマックを強く感じた、それでアシモフ自伝をよく読み返してみたらアシモフが若い時期にシマックの影響を強く受けていたことを見つけて驚いた、という話でしたね。

 僕自身はまだシマックって読んでないんですよ。入手容易なものってあるのかな?

投稿時間:2004/11/06(Sat) 22:32
投稿者名:Bail Hoshikuzu Channis
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【エブリング ミス博士に関する疑問 】(1)
む、面白い議論ですね。

ミス博士がベイタ=ダレルによって殺害されたことは

(ミュールによる探索)
「その殺害に至った成り行きは,,,まったく偶発的なものだった。」
「我々のエージェントによると殺したのは女だという」という程度の情報

(ファウンデーションによる探索)
「あらかじめ手配されていた」
「ミュールの能力を知った時点でベイタ=ダレルに工作を行った」

ふむ。では、私が敬愛するBail Channis のことを思い起こします。
チャニスは、ベイタの孫娘、アーケイディアに接触を試みます。
いろいろあって、「星界の果て」=「スターズエンド」についての謎を解く冒険談になっているのでした。

主要となるミステリーの論理構成には、アーケイディアの父による
【干渉高平原】のテーマがあったはずです。すなわち、アーケイディアに第2ファウンデーションによる干渉があったならば、それは、計測でき、干渉高平原として観測されると。
アーケイディアは、「星界の果て」について「円に端なし」と喝破します。円周をぐるっとまわってたどり着くところ、すなわち、銀河系円周の端にある第1ファウンデーションから見ての「星界の端」とは、ぐるっとまわって元の位置、ここが第2ファウンンデーションが真に存在する場所であると。実際に【そこ】には第2ファウンデーションの要員が存在し、第1ファウンデーションの科学力をもって作成された要員の頭脳に苦痛を与える装置により要員一族の殲滅がはかれた。。だが、【円に端なし】は本当に真なのか。それは第2ファウンデーションによって、アーケイディアに刷り込まれたFAKEではないのか?これがアーケイディアの父にとって最大の悩みだったのです。娘の干渉高平原を計測する父、そして、その結果を心配する娘。計測の結果、干渉高平原は存在せず、父と娘は、第1ファウンデーションの勝利を確信したのでした。

投稿時間:2004/11/06(Sat) 22:51
投稿者名:Bail Hoshikuzu Channis
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【エブリング ミス博士に関する疑問 】(2)
さて、アーケイディアにとっての偉大なる祖母、ベイタの時代を考えて見ましょう。第1ファウンデーションには、まだ、「干渉高平原」の知識は存在していません。それらの知識は、第2ファウンデーションへの危険意識を持ったベイタの息子によって急速に意図的に開発されたものだからです。

ベイタへの第2からの干渉は、極めて簡明にできたことでしょう。

そして、その干渉とはいかなるものか?干渉高平原の計測を恐れ、生後まもなくのアーケイディアに対して処置された干渉と似たものが軸ではありますが、より大胆に出来た事でしょう。まず、アーケイディアには、おませさん、という人格要因まで埋め込まれました。そして、適切な条件下で、「円に端なし」という真理まで浮かび上がるように。では、ベイタには?どのような干渉を?似ているがより大胆。これがキーワードかもしれません。

考えて見ますと、第2ファウンデーション側の干渉は、気分的なもの、何かに対する抑制もしくは情動の「プッシュ」が、基本です。これはミュールにおいても同じことでした。プリッチャーに対するミュールの干渉を思い出してもそのことがわかります。特定のキーワードがある時点で浮上するアーケイディアへの干渉は・・すこぶる大変なことだったと考えられます。おませさんのほうが簡単。子供に「円に端なし」を思い起こさせることはとんでもないことなのです。

ベイタへの干渉によって、ミス博士を、殺害せしめたのですが、これは、どのように発動されたのでしょう。

ベイタには、ミュールに対する嫌悪の情がわかないように干渉されていたはずです。ミュールがこよなくベイタを愛したのは、ひとえにその点にかかっています。それゆえ、ミュールをして常にベイタと行動をともにしえた。
もうひとつの干渉、それは、ミュールに第2ファウンデーションの真の位置、【星界の果て】の真相を絶対に知らしめないための情動でした。この情動のプッシュは厳格に強く行なわれたはずです。ベイタは、自覚なしに第2のスパイとなり、ミュールの行動への阻害要因となるべく干渉を受けていたはずなのです。

投稿時間:2004/11/06(Sat) 23:01
投稿者名:Bail Hoshikuzu Channis
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タイトル:
【エブリング ミス博士に関する疑問 】(3)
さて、私論の最終部にはいります。

第2は、ミュールに近づくことが出来ません。ベイタのみが唯一の武器でした。ベイタは、干渉され、作られていたのです。ですが、情動のみにてプッシュされていたのです。
ご存知の通り、心理歴史学は、個人についての学問ではなく、極めて膨大な数の人間に対する統計的な学問であり、個人への適用は極めて困難。ベイタへの干渉の成果も「統計的に」期待できるのみだったのです。

ベイタへプッシュされた特定情動により、【偶発的に】ミュールへの知識伝達が阻害されたことは、心理歴史学の原則に合致しています。また、阻害された事実は、ミュールに近づけない第2のエージェントにとっては、伝聞に過ぎません。充分に長い時間をかけて些細な情報を収集しつくしてはじめて、何が正確におきたのかを、第2は知る事が出来ました。

まぁ、ながなが書きましたが、けして矛盾ではないような気がしたものですから。。。ではでは。

投稿時間:2004/11/07(Sun) 00:03
投稿者名:Bail Hoshikuzu Channis
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Re: 【エブリング ミス博士に関する疑問 】(3)
今手元に一切資料がないので間違いあらば、私の思量のせいです。
それはともかく、どんどん異論が発展すると未来史研究報告にふさわしいですね。

投稿時間:2004/11/01(Mon) 21:49
投稿者名:コルホーズの玉ネギ畑.
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Re^2: エブリング ミス博士に関する疑問
前略 読み始めたのがえらく最近なもので、意見できるかと。
 僕としては矛盾と感じずに、素直に驚いたクチ。
アシモフ自身は、その方が面白いから軌道修正したのでしょうね。
 「未来史研究」風に推理してみると、後生の歴史家の認識の差。
『ファンデーション対帝国』を上梓し終えたあとに新たな事実が見つかり、
『第二ファウンデーション』の内容に挿入したものと認識。

 ひとつには、実際にはアシモフの小説の形式そのままに人間がしゃべるわけでなし。
つまり歴史を言葉で語るうえで生み出した手法と云うことで。
しかしこの曖昧さを排除する手は致命的な、あとから発掘した情報をうまく織り込めないという欠点あり。
そんなところから出た齟齬だと、納得します?
                                       草々

投稿時間:2004/11/07(Sun) 09:15
投稿者名:コルホーズの玉ネギ畑.
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Re^3: エブリング ミス博士に関する疑問
前略 自己レスです。
 『ファンデーション対帝国』→「ミュールによる探索」
 『第二ファウンデーション』→「ファウンデーションによる探索」
 上梓し→書き

に置き換えて読んでね。
                          草々