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投稿日: 2014/04/13(Sun) 17:29
投稿者Ken
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タイトルRaces and People (5)

繰り返しになりますが、アジモフは、人種などを問題にするのは無意味である、という主張をしたかったのです。そうはいっても、人種に多大な価値をみる人は今でもいるし、1950年代にははるかに多かったのだから、ただ政治的・社会的な主張ばかりを叫んでも、効果はありません。そこで、本書の中では、一応、人種が存在するものとして、その実体を明らかにするべく検証を進めた結果、人類を遺伝的に分類できるとしたら、血液型の構成比率くらいしかないだろう、という結論に至っています。もちろん、人種主義を叫ぶ人たちは、そんなもので人類を区別したいわけではありませんから、本書の結論にはショックを受けたでしょう。

最後に、本書を読んで、人類が多様化してきた過程に、純粋に科学的な関心をもち、世界の各国民は、遺伝的にどれだけ近いのか、また離れているのかについて、もっと知りたいと思う人がいるなら、私からの推薦図書があります。

イタリア人の人類学者、Luigi Luca Cavalli-Sforzaは、遺伝子と言語の両面から、ヨーロッパのどの地域の住民がどの地域の住民と近いのかを研究してきた人ですが、この人が自分を含む複数の研究者の成果を紹介するために、1990年代の初めに著した、一般向けの解説書があります。ヨーロッパだけでなく、世界中の諸民族を対象にしており、もちろん日本人も含まれます。最初はイタリア語で書かれ『Chi Siamo: La Storia della Diversita Umana』というタイトルがつけられましたが、後に『The Great Human Diasporas』という題で英訳されました。ウィキペディアで調べたところ『わたしは誰、どこから来たの』という題で邦訳もされているようです。人間のDNAを直接検査できるようになった時代の研究結果ですから、その信頼性は1950年代の作品よりも、はるかに進歩しています。「人種」という名称をもちいるかどうかは別にして、世界の人類を系統的に区分することに関心をもっている人なら、このような書を楽しめることでしょう。

これにて、『Races and People』の紹介を終わります。


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