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◆昨年、書くだけは書いていた未発表原稿です。まぁ一応毎年の恒例なので、ここに公開しておきます。


◆恒例・贋作主要国首脳会議エビアン編

 2003年6月、世の中が戦争だ疫病だと有史以来の相変わらずのネタで騒いでいる中、世界の「主要国」の首脳達がフランスのとある保養地に集まりましたとさ。

仏「いやぁ、みなさんおそろいでようこそ。一時は今年は開けないんじゃないかと思いましたがねぇ」
米「えっへん。サミット開催前にとっとと戦争を片付けちゃいましたからな」
英「まーひところは大喧嘩もしましたが、無事片付いたことだし仲良くしようじゃないですか」
独「んで、例の大量破壊兵器とやらはとっくに見つかってるんでしょうねぇ、まさか」
米「…まぁそのうち」
加「そのうち、ってあんた、空母の上の「終結宣言」からもう一月たつぞ」
米「…あれはあくまで大規模戦闘の終結であって、戦争が終わったとは言ってないぞぉ
日「まぁまぁ、フセインもまだ見つかってないのにフセインが実はいなかったということはないでしょ(笑)」
露「(無視して)なんかこのところCIAに都合のいい情報出すように圧力をかけてたとか、化学兵器保有の可能性が低いという報告を黙殺していたとか、いろんな話が出てくるよねぇ」
米「…(小声で)アスホール!
独「マイクが拾ってるぞー」
米「あ、もっと大事な用事があるんで、下の記事へ失礼しまーす」(→そそくさと立ち去る
独「逃げやがったな」
英「まーまー、いま、うちの情報部員が北朝鮮での仕事を片付け終わったとこだから、発見は映画の次回作まで待ってね」
伊「なんだそりゃ」
英「ちなみにこのサミットが開かれているホテル・ロワイヤルにあるカジノが有名な「カジノ・ロイワヤル」。007シリーズ番外編の舞台としても名高いです、ハイ」
日「そんな凄腕の情報部員がいるんなら、ウチの拉致問題解決しちゃってくれませんかね」
露「情報部員なら、ここに「元」のホンモノがいるじゃないですか。情報操作、秘密工作などはお手の物ですぜ」
伊「さきごろ、サンクトペテルブルクでお天気の工作を試みて失敗しておられましたな」
露「晴天のもと、ピョートル大帝像の前で各国首脳を集めた式典をやるはずが…シクシク」
仏「いまどきピョートル大帝なんか持ち出そうというのが時代錯誤なんじゃないかと」
英「ついでながら、このホテルももともとは我が英国の国王が別荘として建てた物なんだよな」
仏「その英国の国王家だってもとをたどればウチから出ていった連中だよね。先ごろの安保理でおたくの外相が言ってたけど」
英「「古い欧州」議論でしたねぇ。今にして思えばはや懐かしい…」
独「ウチも『古い』呼ばわりされたクチだけど、現在の「ドイツ」の成立はアメリカよりは新しいんだがなぁ」
露「それを言い出すと、ウチなんかどこを出発点にしたらいいんだか」
日「ああ、ウチなんざ君主が延々2660年…ゴニョゴニョ」
中「おっと、とりあえず『古い』という議論ではサミット参加国中どこにも負けませんぞ」
仏「あ、そうそう。ご紹介が遅れましたが、今回ウチが招待して初めてサミットに登場した中国さんです」
中「どーもー、はじめまして、よろしく」
日「沖縄サミットのときウチが招待してもこなかったくせに…」
加「今度はまたどういう風のふきまわしで?」
中「いやなに、ここは有名な保養地と聞きましてな」
仏「そうなんですよ、フランス革命期にさる侯爵がここの水で腎臓結石を直したとかで、ここの水は大変有名になり保養地として栄えてるんですな」
中「まぁそういう風邪の吹き回しでこちらに来る気になりまして」
伊「セリフ、誤変換してません?」
中「いえ…このところちょっと変な咳と熱が…ゴホゴホ」
一同「……!」



◆こちらも贋作首脳会議

 贋作サミットが行われている頃、それを途中ですっぽかしたブッシュ米大統領は「アラビアのロレンス」で有名なヨルダンの港町アカバに赴き、シャロン・イスラエル首相、アッバス・パレスチナ自治政府首相およびヨルダン国王を交えた会談を行ったのでありました…あくまで以下も「贋作」です。

ブッシュ「はい、上の記事から飛んできました。ここが「アブラヤのロレンス」で有名なアカバでございますね」
シャロン「こら、間違ってるぞ。油屋はあんただろって」
アッバス「まぁまぁ、この方特有のボケということで。ともあれお忙しい中よくいらっしゃいました」
ブ「こっちの方が歴史的には重要だもんね」
ア「ここでパレスチナ問題を片付けておかないと、イラク戦争での暴走ぶりが際立つだけですもんな」
シ「単にSARSから逃げてきたんじゃないのか(笑)」
ブ「いや、バカにはかからないらしいから…じゃなくて、いい加減、あんたたちの問題を解決しちゃいましょうや。この私が作製した道路マップにのっとって」
シ「ロードマップだろ?」
ブ「あっ、バス!」
ア「わざとやってんのかい!」
ブ「ふふふ、日本語の教養がつい出ちゃって…それはともかく、この和平工作がうまくいけば…」
ア「両者にノーベル平和賞?」

シ「もうブラックジョークにしかならんな。前にアラファトとラビンがもらったが結局和平はオジャンになったし」
ア「オジャンにしたキッカケの張本人はあんたじゃなかったっけ?」
シ「ラビンだって、もともとはタカ派の軍人だったんだ!やっぱり首相になるとあれこれ抱えなきゃならないものもあるの。とりあえず今回はアラファトの爺さんが引っ込んだから話が進んだんだ」
ブ「そのまま彼がトップに立って和平を実現したら、またノーベル平和賞とってダブっちゃうしねぇ」
ア「シャロンさんだってうっかり和平を進めて平和賞とったら身内に暗殺されちゃう可能性もありますしね」
シ「冗談になってないんだよな…この会談で『違法な入植者』は退去させるって約束しちゃったしなぁ…」
ア「今まで自分の支持基盤だった連中の一番逆鱗に触れるところをやらなきゃならんわけだもんね、まぁ自業自得ですな」
ブ「まぁまぁ、我が国でもリンカーンとかケネディとか暗殺された政治家って人気が出るんですよ」
シ「ちっとも嬉しくない!そんなに人気がほしけりゃあんたが暗殺されろ」
ブ「おお、戦勝ムードも消えてきたしその手もあるか…って、殺されちゃ選挙に出られないじゃないかー!」
ア「今のはひょっとして天然のボケなのか?」
ブ「ここは一つイランの国内を扇動して危機をあおっておくか…選挙までにもう一回ぐらい戦争するのも一興かもしれん」
ア「イランことをせんといてください」
ブ「ふっ、危険なジョージって言われていたぐらいでな」
シ「私も当面は暗殺のエネルギーを過激派のハマスの方へ向けさせて…」

ア「それやるとまたそれへの報復の自爆テロが…」
シ「それは暗殺で未然に防ぐ」
ア「それに対する報復の自爆テロが…」
シ「それも暗殺で未然に防ぐ」
ア「そしてまたそれに対する報復の自爆テロが…」
シ「それも暗殺で未然に」
ア「あんたを暗殺した方が話が早いんじゃ無かろうか」
シ「それに対しては報復のテロを」
ブ「おいおい、話がひっくり返ってるぞ」
ア「ここの地名が地名だけにひっくり返ると大変」
シ「カタカナでもアルファベットでもある日本語が出現」
ブ「おお、しばしば私のことを指す日本語らしいぞ!」