勝手に大河ドラマ
室町太平記
〜KING OF ZIPANGU〜
予告編

貞治六年(1367)十一月。ある瀕死の男が二人の人物を枕頭に呼び寄せた。

「頼之…汝に一子を与える」
頼之画像
「春王…汝に一父を与える」
春王画像
「そなたたち二人で、この天下を太平ならしめよ…」

細川頼之と足利義満。
60年に及んだ南北朝動乱を終息させた二人の武将。

清氏画像
幕府に反逆して南朝に与し頼之と宿命の対決をする従兄弟・細川清氏。

頼之と清氏の友であり九州平定に活躍する歌人武将・今川了俊。

和平を求めて苦悩の闘いを続ける正成の子・楠木正儀。

幕府政治の舞台で暗躍するバサラ大名・佐々木道誉。

頼之が生涯をかけて戦い続ける宿敵・山名一族。

南北朝動乱の最後を彩る多彩な群像を描きながら、
物語は激動の東アジア情勢もからめて国際的スケールで展開する。
-「KING OF ZIPANGU」とは誰なのか-

タイトル

乞うご期待!
(いや、あんまり期待しないでください)
 

ごあんないのようなもの

 えー、冗談が過ぎるとお思いの方も多いでしょうが(実際弟にそう言われた)、「太平記大全」に続く新企画は、「太平記」の続編であります。それも私が勝手に製作する「仮想大河ドラマ」であります。「KING OF ZIPANGU」はもちろん「太平記」の次に放送された大河ドラマ「信長」のサブタイトルからパクったもの。考えてみればこっちが「本物」だとも言えますし(笑)。

 実は以前からひそかに「南北朝で新たな大河ドラマをつくるとしたら?」と勝手に妄想をめぐらせていたんです。現実味があるのは佐々木道誉を主役に南北朝を描ききる企画なんですが (他の人物だと一年間はきつそうで)、すでに書いたばかりの「太平記大全」と重なるところが多すぎますので、僕がここでやる意味は無いと思うわけです。で、他に、と考えた場合「足利義満」が挙がります。「太平記」の最終回も義満に触れてますし、ちょうどいい具合につながるのです。しかし、義満ってまさに「王道」を行っちゃう男でして日本人好みの「苦労」が足りない嫌いがあり(笑)、感情移入もしにくいキャラで1年間もたせるドラマ向きとは言いがたいんですな。そこで挙がってきたのが「細川頼之」という人物です。

 古典「太平記」は細川頼之が幼君義満の補佐となって政務をとり始めた時点で「天下は泰平になりました、めでたし、めでたし」で終わってしまっています。実際にはそんな能天気な展開ではなかったのですが、頼之という人物がそれだけ優れた政治家として当時の人に認められていたということでもあります。実際、南北朝動乱を終息に向かわせたのは義満自身の活躍もさることながら、名宰相・細川頼之の功績が大というほかないのです。まとめてしまうと頼之は日本統一の事業に全生涯をかけた大政治家だったと言えます。それもまぁ日本人好みの苦労苦労の連続で(笑)。一度コテンパンに失脚しながら不屈の精神で復活を遂げてくるあたりなぞ、リストラの吹き荒れる昨今共感を覚える人も多いのではないでしょうか (プロジェクトXかよ)

 で、頼之なら一年十分にもつのは保証付なんですが、頼之個人のキャラクターは共感は出来るけど「つまらない」のも事実(笑)。英雄豪傑タイプではないクソ真面目政治家の典型ですからね。政治家としてはいいんだけど、話としてはいまいち面白くない。そこで周辺を面白い人達で固め、頼之はあくまで狂言回しぐらいに考えて群像劇にしてみようと考えたわけです。義満も主役扱いで、後半はむしろ彼の方が中心になると思います。義満が着々と進めていく「ある計画」なぞはNHKにはまだまだ放映不可能だろうと思われるところ(笑)。
 このあたりは致命的に知名度が低い人達ばかりなのですが、正成の子・正儀や頼之の従兄弟・清氏など南北朝終盤戦を飾る変り種たちにもご注目。知られざる感動のドラマを展開してくれるはずです。「太平記」に続き、佐々木道誉も前半戦で大活躍。下手するとこっちの道誉のほうが面白いかも。その他いろいろと出す予定。

 さらに風呂敷を広げちまえということで、物語は国際的スケールにまで拡大します。まぁ実は「北条時宗」がこのぐらいだったらよかったな、という僕自身の思いも含まれてます。国際的スケールとは、ずばり「ポスト元朝時代」の東アジア情勢を視野に入れるのです。見れば室町幕府による統一事業は、明朝の勃興と元朝の北遷、高麗から朝鮮王朝への交代、琉球の登場といった一連の動きと連動しちゃっているのです。「東アジア史の中の南北朝」を描こうと言うのが狙いであるわけ。僕が専門としている「倭寇」がからんでくることは言うまでもありません(^0^)。

 一応予定では50回分書く予定。シナリオ形式も考えましたが、量的に大変なので「太平記大全」同様に内容紹介形式にします。解説もしっかり自分でつけようかな、などと企んでいます。ウソついても自分ですぐフォローできるし(笑)。
 「出演」リストも形だけ作りますけど、配役はやめておくことにしました。配役については読者の皆さんがそれぞれ勝手にご想像ください。
 モノがモノだけに更新ペースは決して速くはならないはずです。ひょっとするとホントに1年かけてやるかも…
 ま、気長にお楽しみください。