怪盗紳士淑女掲示板
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投稿日: 2017/03/05(Sun) 18:43
投稿者志らとり
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タイトル『青色カタログ』『空の防御』についてご意見をお聞かせください。

>『青色カタログ』『空の防御』(1920年に新青年に連載)について。
>  このふたつの作品について管理人は、保篠の創作だろうとしながらも、住田さんの著作を基に、「保篠龍緒が作者のモーリス・ルブランに頼んで書いて貰った可能性が全くない訳ではない」としています。
>  保篠は自分で『青色カタログ』『空の防御』を執筆し、ルブランに原稿料も印税も払ったので、筋は通したということで、戦後もルブランの作品であると主張していた。
>  私が保篠がルブランと相談していた可能性を考えるのは、なぜこの時期に保篠が、わざわざ創作作品を「ルパンシリーズ」と騙って発表したのか、今ひとつ理解できないからです。全くの捏造をしていたというなら、志らとりさんが紹介していた『爆弾』でも同じように勝手にルパンを登場させて大活躍させればよかったはずだと思います。

『爆弾』について。これは現在『オルヌカン城の謎』の訳題で邦訳が出版されている作品のどうやら元版による抄訳です。しかも現行譯と比べると最初の二章しか譯出されていません。戦前でも保篠龍緒氏は『女探偵ドロテ』『プチグリの歯』『赤い輪』『ゼリコ公爵』などとLupinの登場せない作を登場せない状態で譯出しております。従って、「捏造の常習」というのはあたらないし、非礼であろうと思います。
〉戦後、『刺青人生』などの小説に勝手にルパンを登場させたのは、ルブランも亡くなって新作も出ないし、旧作の再刊だけだと収入も限られてくるので、強引にルパン物の新作をつくりあげる必要があったという経済的事情があったと思います。

 経済的事情は多分あったと想像されますが、それは保篠龍緒氏が「公職追放」となったという事情を顧慮する必要があるかと思われます。「公職追放」となると確か3人以上の会合に出席する事すらできず、又、占領軍が行って居た検閲にも公職追放者の文章はヨリ一層の厳しい眼でチェックされたろうと思われます。江戸川乱歩の友人でもあった水谷準も公職追放になり中々解除されなかったようで、乱歩は実質的に援助をしていたのではおもわれる節があります。(仏蘭西文が讀めないので讀んで貰って居ると云う事ですから、多分そのお礼としてそれなりのものを出したのではと云う事です)乱歩自身も公職追放だったのですが、町内会の役員程度では東京都に解除を申請したらあっさりと解除されたようです。(「探偵小説四十年」参照)
又、『赤い蜘蛛』の発表された雑誌も顧慮する必要があるかと思います。『探偵倶楽部』です、これはどうも探偵雑誌としては少々格が落ちるものだったらしいです。先日、ネットでその掲載内容を調べたら玉石混淆の感が強く、保篠氏よりも雑誌社がルブランならルパンにして呉れないと讀者がついてこれない等と云ってルパンものに改作させた可能性もあります。一度こういう事をしてしまうと、当時は未だ改竄という事に対して戦前流の考え方が支配的だったので、『寶石』誌も「ぢゃうちにも」となったのではないかと想像されます。実はその後、出版協同社から「全集」を出すときに、その改竄を直せば良かったのですが、多分多忙なのか、改変を失念したのか版元の要望だったのかで改竄した儘の訳が出て仕舞ったのだろうと思われます。
>  ただ1920年の時期に、わざわざそんな創作を行う必要があったのか、疑問に思う次第です。もし事前に両者に日本人の登場するルパン物についてやりとりがあったとすれば、ルパン物に関わる日仏交流として非常にロマンをかきたてられますし、小説やドラマの材料にもなりそうな気もします。
 これに関しては、『ルパンの巴里祭』とでもするようの仮題の作をルブランに依頼しており、ルブランも「非常に難しいが兎も角やって見る」と云う意味の返事をしているとの事です。結局、これが出来なく日本側から、代案と出されたのが、この二作品という可能性は捨てきれません。そうなると、多分、ルブランに名前料位は払ったのでしょう。
多分、保篠氏は当時の日本では小説でも代作は珍しくなかったらしいので、その意識で代作をした可能性はあります。

なお、この二つの短編は、戦後の児童向けの叢書にも、児童向けに文章をやわらげたものが入って居ます。


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